Day30 色相

 美しい箱の中に、ビー玉を並べる。色とりどりの色相の硝子が、光を受けて煌めく。覗き込めば玉の中に日々が騒めき、見知らぬ男の顔が透明な色の中でぐるりと回って、こちらを見た。まるで、魚の卵のようだ。目を擦ると、それは僕の顔が映っているだけである。

 誰かが扉を叩いている。僕は箱を背中に隠す。

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