第5話 な、なんだってえぇえぇえぇえぇえ!?
「んん…?」
目を開けられる様になると、そこには異世界召喚あるあるの、謁見の間みたいな景色が広がってた。
「おお!召喚は成功か!」
状況の把握って大事なんだよね。
声の方を見ると、興奮気味の、いかにも王様ですって感じのおじちゃんと、その両サイドに、これまた騎士団長ですって見た目のおっさんと王女ですって見た目の美少女がいた。
周りを見回すと、魔術師っぽい人達十数名がぶっ倒れてて、少し疲れ気味の、一番偉いであろう魔術師がいた。
ちなみに、勇者はJK含めて五人いる。
「ここって…」
「初めまして、勇者様方。わたくしはこの国の第一王女、リリーベル・ウェルカティアです。突然のことで、困惑してると思いますが、どうか、私達の話を聞いてくれませんか?」
すごい早口で、そういう心理的な何かあるのかと思ったら、普通にてんぱってるだけだった。
大丈夫か?て思いながらリーフを撫でてたら高校生っぽいイケメン男子くんが口を開いた。
「あの…こ、ここはどこですか?」
「ここは、皆様のいた世界とは別の世界の、ウェルカティア王国と言うところです」
騎士団長(仮)が丁寧に説明してくれた。多分王族使えなくなってるからだな。
「なぜ、僕たちは呼ばれたのでしょうか…」
「現在、我が国は魔王軍の脅威に晒されようとしています。勇者である皆様には、魔王軍…いや、魔王と人類の和睦を結ぶ手伝いをして欲しいのです」
「脅威に晒されようと…?どういう状況なんですか?」
「数年前、突然魔王と名乗る人物現れました。魔王は怪物達——魔物達を従え、更には部族として点在していた魔力を持った人族、魔族を従え、強大な国を作り上げました。本来、魔族や魔物達は交戦的だと考えられていたのですが、この国の方々はむしろ友好的で、魔王様も我々人族と手を取り合いたいと申し出ているのです」
すげぇ、創作とかで見ないパターンだ。じゃあ、脅威に晒されようとってなんだ?嘘かもって疑ってるとか?
「あの方達、とても良い人なんですよ!」
「魔王殿も、若いがカリスマを感じる好青年なのじゃ」
疑ってなそうで草。
「では、なぜ脅威に晒されようと…?」
「ここからが問題なのです…」
騎士団長(誠)が言うには、なんでも世界中で信仰されめている女神教の総本山、聖王国が『魔物魔族は人類の敵!手を取るなんて無理!コロスコロス!これ、人族の総意!』とかなんとか言っていろんな国に出張って必要以上に攻撃をしているらしい。
魔王国(仮)側も、大半の国が手を取ろうとしていても『流石に見過ごせねぇ!』て感じで応戦してるらしい。今はまだ聖王国のみに攻撃してるが、いつ流れ弾が飛んでくるか…とかいうカスみたいな状況なんだとか。
「そこで、勇者の皆様には聖王国を抑え、魔王様と我が国、ひいては人族の国と協力関係を築いて欲しいのです!」
「で、ですが僕たちは…!」
「いいじゃん!」
多分、『無理です!』的なことを言おうとしてる所に、謎のおいちゃんが楽しそうな声を上げた。
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