@2.忌々しい巣に焚き出しを!
「どうだった〜新人。初めてのお仕事は、」
とある天界の一室、一人の女神が部屋の中へと入る。
「んもぉ〜。私は新人じゃなくてリリア・ンヘルプって言う名前があるんです! ……それより、初めての異世界送り出し怖かったですぅ〜!! なんか胸小さいとか言われたし、胸倉掴まれたんですよ?!!」
「あ〜…初めての相手がハズレだったのね。ま、そんなこともよくあるから早く立ち直りなさいよ」
「はぁ〜い」
「一応そのお相手の送り出し先見ておく? 操作簡単だから普通は間違えないけど。というか間違えてたら大問題よ。ま、一応ね、一応───」
急に画面を見たまま止まる先輩を気にし、ンヘルプは焦りを見せた。
「え?! 私何かやっちゃいましたかね…」
「あんた送り出し先『魔王城』になってんだけど」
「へ?」
@2.忌々しい巣に焚き出しを!
「へぇるぷみぃ゛ーーーーーッ!!!!」
俺は小さな木の枝に掴まりそう叫ぶ。
辺りを見渡すと沢山のゴブリンが俺に群がっていた。手に持った杖でゴブリンの頭を叩き、何とか木に登ってくるのを阻止している状況だ。
「ニンゲン゛ッ!! オンナノ゛コドモ゛ッ!!」
「ちょっとお前らも見てねぇで助けろよ!! こんなにもかわいくて幼い少女が魔物に集られてんだぞ!! 助ける以外選択肢ねぇだろッ!」
俺はすぐ横で眺めるアテネとラーベルにそう愚痴を零す。彼等は見物客の様にこちらを眺め、不敵な笑みを浮かべこう言った。
「ゴブリンやその手のモンスターの大半は女子供を集中的に狙うからね〜。どちらの条件も満たしているカズハちゃんは狙われやすいんでしょ」
「おいいつから"ちゃん"付けになってんだ気持ち悪ぃ」
「おいで、カズハちゃん。僕がそこから下ろしてあげる。その代わりに…一緒にセッ██…フフ…ッ♥…してくれない?」
「断れカスが死ね」
俺がそう言うと、痺れを切らした様にアテネが口を開く。
「先ずはその言葉遣いから直せ。助けて欲しくば助けられるなりの態度があるだろう?」
「くそぉおおぉぉお…ッ!!」
「躾のなっていない使い魔に社会の当たり前を教えるのも主人の役目だ。ほら、早く言うが良い」
「……チッ…、ごめん…なさぃ……」
「『アテネ様』が抜けてるぞー!」
「アテネ様…ごめん…なさぃ……〜…」
「小さくて聞こえねぇーよー!」
「死ねーーーーーーーッ!!!!」
そう叫ぶと、やれやれとした顔でコチラを眺めるアテネの目がとてもうざい。
今アイツの顔面を全力で殴りたい程だ。
そう思っていると、アテネが此方へくるりと背を向ける。
「その態度、よぉ〜く分かった。而れども、行くぞ。此奴はココへ置いて行く」
「ねぇ、まじで言ってる? こんなにもかわいい子を置いてくなんてどうかして…ちょっと待ってマジで置いてく気? ねぇごめんって許してってばお願い!!」
「ごめんってば!! ねぇ、聞こえてんだろ! 無視すんなって!! うおっ?! このゴブリンこっちまで登って来やがった?!! 死ぬっ! ゴブリンの息がもうそこまでかかって来てるッ!!!?」
「ごめんっー! 今回の報酬二人で山分けしていいからーーーッ!!!」
アテネはその言葉に聞く耳を持たなかったが、ラーベルはこちらに振り向き反応した。
よし、チャンスだ…ここで巻き返さなければ俺は…マジで置いていかれるッ!!!
そして俺はそれを条件に、下のゴブリン共を討伐してもらった。二人の服に血が付くが、アテネの方は一瞬にして服の汚れが消え去っている……確か服の効果がすんげーって事前言ってたような…?
…まぁいいや。
「………死ぬかと思ったーーーッ…」
「感謝するんだな小娘。我輩は心が寛大だからな! 許してやらんことも無い。フハハハハハハハハッ!!!!!」
「ありがとなー、ラーベル」
「置き去りにするぞ」
「ここが噂のゴブリンの巣か。まぁ、予想していた通り洞窟型だね。中がどうなってるか分かる?」
「フハハハハハハ! 分かる…分かるぞ! 中には人質と思しき女が一人。そして隣には巨漢のギガントゴブリンが座っているな! 通常のゴブリンも蛆の様にうじゃうじゃ居るぞ! そして形状は洞窟型では珍しい上に伸びるタイプだ。下に下がる道は無いとこの我輩が命じよう!!」
「いいね、最高!」
「……そんな事よりその手を離せよクソ悪魔!!」
淡々とアテネが説明をする横で、俺はアテネに背中を片手で掴まれ宙吊りにされていた。逃げようとすると、主従関係の紋章に痛みが走り動けない…正直言って不便だ。
「くそぉ、助けてくれよラーベル」
「いや、見てると拘束SMプレイみたいで興奮するんだ。それは残念ながら出来ないかな」
「こいつの目線がより一層怖くなった気がするんだが…」
「我輩も同じ気持ちだ」
──────
「…ナンダッ…このケムリ゛ハ゛ッ?!!」
洞窟内を正体不明の黒い煙が襲う。
そして、その煙を吸ったゴブリンは地面にバタリと倒れて行く。
「いやぁッ!!!? 私死にたく無いッ! なんで、冒険者の人達は来てくれないの?!!」
「ごホッ…!? 嫌っ?! こんな不細工と共に死ぬのはいやぁ゛ーーッ!!?」
「…ソレハ゛結構゛キズツク゛ン゛ダガ…」
「ごほっ、…ごほっ! ──────………」
ギガントゴブリン共々、洞窟内の生き物は全て気を失った。
───
「いっえーーーーーい! 焚き出しじゃーーーっ!!!!」
「ふぅーーーーーーっ!!!」
俺は今、洞窟前で焚き火をし、その煙を洞窟内へアテネと一緒に送っている。
「いいか、この世界の人間は体がぐっちゃぐちゃになって死なない限り、死体が綺麗な状態だと教会や凄腕のプリーストに生き返らせてもらえると聞いた! だから手っ取り早く人質も全員ぶっ殺してんの!! 楽しぃーー!」
「おい! 雑に煙を扇ぐな!! 我輩にも掛かるだろう!!」
「あ! お前今俺に態と煙当ててんな!!? テメェこそこん中いれてぶっ殺してやろうか?」
「本当、過去一狂ってるよこのパーティー」
アテネと俺がワイワイと人質諸共モンスターを殺している姿を見て、木陰に寄り掛かりラーベルは此方を妙な視線で見つめていた。
「…おぉ〜! おいスキルポイント見てみろよ。MPや経験値が上がってるぞ! 気持ちえぇ〜〜ッ」
「俺はこのMP何に使おうかな〜魔法攻撃力上昇とか魔法系は魔法使えねぇから意味ないし…使い道が限られるけどワクワクするな!昔駄菓子屋のカード出てくるガチャガチャ回してる時みたいな興奮を感じる…!カード出口の所見たらあれレアカードだけ色違うからあと何枚で出てくるか微妙に分かるんだよな〜懐かしぃ〜〜ッ!!」
「友達とよく擦り付け合いしてたなぁ〜…ぐすっ、日本に戻りてぇ……」
俺、もう日本戻りたい……。
「スキルか…我輩はもう一式のスキルは強化してあるからな。最近は『目の乾き10%オフ』というスキルにMPを使っている」
「くっだらねぇ使い方」
「貴様…ラーベルは何に使っておるのだ? お前程の冒険者。嘸かし有力なスキルに使っているに違いない」
アテネがラーベルに嫌味も込めた質問をする。
「…あんまり僕のハードル上げないで欲しいね。まぁ、自分は束縛系や拘束技…攻撃力上昇と治癒能力…とかかな?」
「お、意外と普通じゃん」
「…小娘、貴様は此奴の能力の気色悪さに気が付いていないのか? おめでたい頭で良かったな、」
「は?………」
俺は再度ラーベルの能力について考える。束縛系や拘束技はまだしも…攻撃力アップと治癒能力は何か意味があんのか?
………
………あ、やばいぞコイツ。この能力を有効活用する方法を思いついた。まじかよ。
けど、思いついた自分が情けない…
「フフフ…まずね、束縛系で身体を拘束。拘束技で口を塞ぐ…ッ。口の方は柔らかい…布の様な物質の方がいいね。口から漏れ出す唾液や喘ぎ声がよく聞こえるからさ。」
「そして攻撃力上昇のスキルを使い強化された鞭や蝋燭…自分が好きなのは首絞めだね。あの僕を見る醜い眼差しッ! 憎悪や嫉妬…様々な感情が入り交じり映される…そして漏れる喘ぎ声ッ。死にそうになったら治癒能力を使って生きるか死ぬかの微妙な回復を送る…」
「イけそうでイけない時のもどかしいあの顔!! それもいいね。穢れても十分に熟してもいない幼女を態と汚すのはとても心地が良いよ…ッ♥」
「…コイツこそ野生のゴブリンなんじゃねぇの?」
「我輩もこれ程まてまに歪んだ欲を持った人間は初めてだ。だがその欲深しい貪欲、穢らわしい程好ましく美味である!!」
一人で頬を赤らめ興奮するラーベルと人の貪欲を貪り喜ぶ魔人を横に、俺は体を震わせた。
2
「おーい、そろそろ潮時だろ。アテネ、中の具合はどうだ?」
「この我輩が見るに、中の生き物は全員息絶えておる! まぁ、この我輩の言う事だからな!! 確実にそうだと断言しよう! フハハハハハハハッ!!」
「うっす! よし…突入だ!!」
俺達は深淵の洞窟の中へと足を踏み入れた。
「ふぅ…ッ。お、人質の女見つけたよ〜……って……二人とも僕の話聞いてる?」
「見ろよアテネ!! この無様な倒れ方にこの腹ッ!!? ブヒャハハハハハハッ?!!!」
「小娘! 本当に貴様より無様ではないか!!フハハハハハハハハハハッ!!!」
人質の女性に縋り寄るラーベルを横に、俺達は倒れるギガントゴブリンをバカにして楽しんでいた。
「ほら! ラーベルも見ろよ!! 腹が! 腹がよォ!!」
「たらふく飯を貪っていたに違いない! なんという馬鹿げた体をしておるんだ此奴は!」
「……ほら、そんな死体で遊んでないで早く人質救出してギルドに──────」
ラーベルが此方を見て固まった。ギガントゴブリンは死んでいたのでは無く、気絶していた様だった。
そして…すんごいキレた様子で此方を眺めている。うん、俺死んだ。
「やべぇえええぇッ!!? お前ら人質早く抱いて逃げるぞ!! もう少し焚いてけば良かったッ!!?!」
「キサマ゛ラ…オレ達゛ゴブリンォ゛…バカニシタコト゛ヲ゛……後悔゛サセテヤルッ!!」
そして彼の拳が振るわれる。
巨大な体から成される拳の攻撃は、洞窟内を揺るがす程の威力となっていた。
「ラーベル!!? お前何とかできねぇのコイツ! "一応"上級者なんだよお前ッ!!!」
「それが…僕も悪いんだが、外の木陰に剣を置いて来てしまって。ほら、僕ソードマスターだろ? 剣が無いと戦えないというかなんというか…ね?」
「役に立たねぇなぁお前ッ!!!!」
焦る俺らを背に、アテネだけは地面に立ち尽くし、ギガントゴブリンの方を見てはクスリと笑みを浮かべていた。
そんなアテネをゴブリンが見逃す訳もなく、すぐ様攻撃の対象がアテネへと向く。
あの拳が振り上げられ──────
「馬鹿げた体をした坊よ。貴様は今からする行動を後々大きく後悔することとなる。この魔界の公爵であり地獄の万人であるアテネがそう宣言しようッ!!!」
突然、アテネがそう高らかと宣言する。
「ハッ…ジャクショウ゛種族ノ゛ニンゲンヵ゛ッ…ナニヲホザク!!!」
しかしゴブリンはその言葉に屈指もせず、拳をアテネへと振りかざす!
「『深淵より湧き上がる暗黒の力を我が手に宿し、虚無の渦に身を委ねよ…』」
アテネが何やら魔法の詠唱をする。
その場の空気は一瞬にして重くなり、ラーベルと俺はアテネの殺意を感じ取る。
あ、アイツ死んだな。ご愁傷さま。
「『闇の王、冥界の支配者よ、我が敵に絶望をもたらす力を授ける暁を…!』」
「ガゥ゛──────」
「『テネブリス・イグニス!!』」
アテネの影から現れた黒色と紫色の闇がギガントゴブリンを覆い隠す。
そして、洞窟内は地震にあったかの様に揺れ始めゴブリンはその場で闇に飲まれては、永遠の微睡みに身を貪られる運命を選択された。
「フハハハハハハハハハハ!! 我は魔界の公爵にして! 魔王軍幹部の一員。黒魔術の公爵アテネ!! ゲヘナで後悔しろ木偶の坊。我と会ってしまった事にな!」
決めゼリフを決めたアテネはとても清々しい顔をしている。
流石は元魔王軍幹部、力の差が歴然だ。
「…君凄いね。しかも魔法使いには使えない…というか見た事無い邪悪な魔法使ってるし。本当に魔王軍幹部の一員なんだ」
「あ、貴様。信じて居なかったのか? 忌々しい小僧だな、お前は」
「…まぁ、我輩が数百年あの魔王城の一角で封印され、自身の技に再度向き合ったのも威力の向上要因の一つでもある。あと一つは───汝、貴様だ。」
アテネは俺を指さした。
……え?俺???
「魔法を使うには魔力を必要とするだろ? だから自身の魔力と、貴様の魔力を使ったんだ。威力が通常の倍程出る計算となる。自身のステータス画面を開け、魔力がちと少なくなっている筈だ」
「…本当だ、魔力が減ってる。お前、本当に俺の魔力から引き出したんだな…という事は、俺が活躍したと同然だ! よし、今回のVIPは俺な!」
「おい何をどうしたらそう言う計算になる」
そんな感じでアテネと俺がいがみ合っていると、ラーベルがふと口を挟む。
「…お話中失礼するんだけど、なんかずっと揺れてない? ほら、天井からも石の破片が落ちてきてるし…もしかしてだけど───」
「あぁ、『崩壊』するな」
「それを先に言えよクソ悪魔ッ!!!?」
──────
「うぉおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉッ!!!!?」
俺達は今来た道を全速力で走っている。
後方からは岩が崩れる音がする、そう。すぐ後ろで崩壊が行われているのだ。少しでも走るスピードを落とせば巻き込まれ、体をミンチにされる想像が容易に妄想出来る。
「人質は無事だろうな゛ッ!! そいつが居なきゃ今回の報酬は全部パーだ。もしも置いて来たとかほざいてみろ! 俺がぶっ殺してやる゛っ!!」
「今は僕の腕の中でぐっすりさ、ほら」
ラーベルの方を見ると、彼女はお姫様抱っこの様に抱きかかえられており無事で居た。
おいちょっとそこ変わってくれよ俺もう疲れた。
「てかアテネ! お前なんで洞窟で爆発系の技強化して出すんだっ!!!? 崩壊するって分かってただろ゛ッ!!!」
「はっ、何もせずにグチグチとほざく小娘とは違うと思うがな。なぁラーベル」
「僕もそう思うね!」
「クソったれがぁあぁぁああぁ!!!」
そんな会話を続けていると、やっと外の光が見えてくる。一目散でその光が見える場所へ走り、何とか洞窟の崩壊には巻き込まれずに済んだ。
……しかし、外を見ると黒や紫で覆い尽くされており、此処は魔界かと感じる程に森は豹変してしまっていた。
アテネの技の効果なのだろうか…うん。
「はぁ゛ッ…はぁっ……ン゛だよこれぇ゛ッ?!!!?」
「…ふぅっ…これって君の能力の効果? なんか〜こうー…魔界って感じの景色何だけど…」
「あぁ、我輩の技には地の汚染が入っている技もある。これ以上は進まないが…この土地はもう一生作物は育たぬし、生き物は住めなくなる」
「…まぁ、…一件落着だな!!」
「何処がだボケ!!!? どうすんだよこれッ…!!」
「まぁもう帰ろうよ、僕気持ち悪い熟し過ぎた女の死体を持ってるのも嫌なんだけど…」
「…教会に行ってからギルドにでも行くか…」
俺達は重い足を上げ、汚染された場から逃げ出した。
3
『【ギルド報告】 アンドロジック山頂上にて、魔王軍の者と思われる汚染を発見。震源地の状況は酷く、作物や生き物は一生育たぬ状態となった。震源地は牧師や神父、シスターの手を借り、浄化の女神を呼び出し浄化した。汚染の原因や状況を知っている物はギルドの職員へ伝えてください。』
翌日、ギルド内の張り紙を貼るコルクボードにはこんな紙が貼られていた。
絶対に俺達だ、確実に。
「あらら〜…噂になってるね。しかもこんなでかでかと…」
「ホントだな…」
朝っぱらからビール片手に張り紙を覗き込むラーベルと、オレンジジュースを飲んでいる俺達の視線は、一人席に座っているアテネの方へと自然に向いていた。
「……我輩は悪くないぞ…」
「「百%お前が悪い」」
「うぐっ…」
「今なら遅くない、正直に謝りに行くぞ」
「……カズハちゃん、これこれ」
「ん?」
そんな俺の肩をツンと叩くと、ラーベルは下の文を指さした。
『尚、今回起きた騒動の費用金は一億リコ。全てギルド側が自己負担で払いました。主犯になる人物がいた場合、その金額を返済させて頂くことになります』
こう書かれている。
「………よし、これは俺達だけの秘密にしておこう」
一億リコ…果てしない金額だ。
俺達はこの事を黙っておくことにした。
「魔王様…今回、あのアテネが脱走してしまいまして───」
「何…? 結界はちゃんと機能していたんだろうな!!」
魔王城の一角、魔王が自身の座っている椅子を力強く叩く。
異様な雰囲気が城中に漂った。
「あの馬鹿が世に出てはまずいぞ…だが、我の名誉的にも脱走は隠したい…」
「何故まずいのです? 魔王様」
「アイツ…"絶対に我の悪口を言う気がする"。いや、絶対に言う。だから嫌なんだ! 我のイメージは冷酷無慈悲で超カッコイイ魔王様…な訳であって、自堕落でいつもゴロゴロしているダメダメ魔王ではないんだ! アイツは俺の欲望や本心を見透す瞳を持っている…だから嫌なんだ!」
「…そうですか、では。アテネの手配書は出さずに───という事で宜しいでしょうか?」
「あぁ、頼むよセバスチャン…」
「ハデスです」
「……なんかごめん…」
───
「イギチョイ゛ッ?!!!!」
「うわっ!? 急にクシャミすんなよ汚ねぇなぁ〜…」
「いや、我輩の噂をされている気がしてな…」
「まぁ! この我の事だ!! 嘸かし褒め称える話をしているのだろうな! フハハハハハハハハハハッ!!!!!」
「……くちゅん゛!」
……To be continued
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