なるほど、この作品を読んで、現在の日本の、医学界の二大閥、
・東大医学部系
・慶応医学部系
の、対立の経緯も良く分かりました。
ところで、野口英世も、東大出ではなく、確か西松学舎(?)だったかの、学歴しかなくて、単身、アメリカに渡っています。野口英世が有名なのは、その学問的業績よりも、小さい時囲炉裏に手を突っ込み、「手ん坊」と言うあだ名から出発して、有志の寄付により、手の手術を行い、その後、手が動くようになり、医師の道を心ざした事が、判官贔屓の日本人の心に、響いたものと思います。
作者からの返信
お読みいただきましてありがとうございます✨
仰る通り、野口英世は学歴が無いためどこからも相手にされず、一時期在籍していた伝研でも雑用のようなことばかりさせられていたそうです。
田舎から出た平民の立志伝という物語として見るなら、確かに痛快でもありますね。日本人好みであることもよくわかります。
ただ、実績が……ちょっと無いものですから💦
いろいろ多方面で業績が連ねられておりますが、その殆どが「間違い」であったというのが実態なんですよね。そういう意味では不遇の人だったのかもしれません。
カクコンに応募するため伏せてありますが、第三話もありましてそちらではいろんな補足説明もしてあります。コン! の期間が終わったら再び公開しますのでそちらもお読みになっていただけると嬉しいです✨
レビューもありがとうございます。
ちなみに、栄光無き天才たち、それこそが作中で記述してあるとある漫画ですw
あの中に柴三郎もいまして、そこから私の柴三郎熱が点火しました。
良い漫画でしたねぇ✨
とても面白かったです。伝研騒動のあたりの記述はとても胸アツでした。簡単にネットで調べてみましたが、北里氏が移管に反対して辞職し、私財を投じて研究所を作ったみたいにさらりと流されているものも多くて。でも人間のドラマというのはこういうものだなぁと思ったのです。
読み応えたっぷりの素晴らしい作品でした^_^
作者からの返信
最近の資料(特にネット関係)の記述は、とにかく『角を丸められている』物が多くw 八方美人な内容が多いのがわかりますw
以前はもっと、森鴎外の交友関係に起因する偏見が、とか
青山胤通の露骨な妨害に遭い、とか、けっこう過激な記述も見られたのですが、最近ではその辺はあまり見かけなくなってしまいました。
一般に広く流布するには、それなりにマイルドにせざるを得なかったのでしょうけれど……。
とにかく柴三郎という人は、「実質本位」で、相手が教授だろうと総長だろうと政治家だろうと、間違っていることは「お前が間違っている!」とはっきり物を言う人だったそうでw
敵も多かったことだろうと容易に想像できてしまいます。
しかし、彼のそれは名誉欲や権威などとは無縁で、とにかく人を救うことこそが医の本質と考え、それに横槍を入れたり立場の都合などで諌めたりする人間には容赦しなかったという性格でもあったっそうです。
そして、気に入らないところには容赦なく雷を落とす。
ついたあだ名が「雷親父(ドンネル)」という
まことに強烈なキャラクターだったのだろうと想像がつきます✨️
研究所でも、部下に度々雷を落とし、ついていけなくなった人もいたらしいのですが、それでも本質が一本筋の通った彼には、肩書が無くても着いて行く弟子が大勢いたという逸話が残っているのですね。
所長辞職の時、柴三郎は既に60歳を超えておりました。
その年齡で尚、意思を曲げず炎を燃やし、たった一人ででも独立して志を遂げんとする、まさに「医の化身」であったのだろうと思います。
日本近代医学の祖、予防医学の父が、ようやく光を浴びる日がきたことを嬉しく思っております。
お読みいただきましてありがとうございました✨️
こんにちは。お邪魔しております。
とても面白かったです! 多くの人を救ってくれた、真実「医」の人、北里博士の生きざま……なんと格好良いことか!
大興奮です。これからは、千円札を見る度に涙ぐんでしまいそう。
作者からの返信
泣いてください、思いを馳せてください、思う存分✨️
調べれば調べるほど、なんでこの人がこんなに知られていないのだろうと、不思議で仕方がなかったんですよね。
本文中でも述べていますが、あたし自身、野口英世は知っていても北里柴三郎は、例の漫画を読むまで名前すら知らなかったんです💦
なんでこんな事になってるんだろう、と子供心に不思議だったんです。
ちゃんと教えてもらえれば、誰もが納得する業績を残した人なのに。
彼の真の姿を伝えるには、時間が必要だったのかも知れませんね。
あるいは、搦手と云うか、本質とは違うところで知名度だけ先に高めてしまうとかw
紙幣の肖像に採用されたというのは、そういう意味では良かったと思うのです。これで、嫌が応にも目に付くでしょうから。たとえ東大派閥の人間であったとしても……w
世間が、これから彼のことをどのように紐解き、どのように伝えていくのか、少し楽しみでもあります。あるいは、紙幣の肖像になったんだからもう良いだろう? という扱いで終わるかもしれません。
名と肩書を取るか、事実と本質を取るのか
私達、日本人一人ひとりの本質こそが今、問われているような気がいたします。
お読みいただきまして、ありがとうございます✨️
ピックアップからきました!
読んでよかった、と体感出来るエッセイでした。
北里さん、全然知らなかったことばかりで。
千円札を見たら雷親父wと、連想出来るようになりそうです。
作者からの返信
恐らく、多くの人にとって、北里はそんな扱いだと思うのです。下手すると、何年か前にテレビCMで流れた「テルモの創業者」として初めて知った人もいるかもしれない程……。
記憶が定かではありませんが、私の小学校の時の教科書には載っていなかったか、非常に扱いが小さかったのではないかと思うのです。
日本近代医学の父、予防医学の祖、と言っていいような人物であるにも関わらず、です。
誰が見ても常人離れした業績だと思うのです。しかし、日本史の中では極端に影が薄い。
どこか、奇妙ですらあると思うんですよね。
何か大きな作為があったような──
そんな疑念をいつも持っておりました。
彼は自伝のようなものを一切残していないらしいのです。語るのは、「医道論」と呼ばれる医学に対する向き合いかたを説いた著書のみ。
まさに、実質本意、実学の人なのです。
実より名を取った人間には容赦なく批判をぶつけた人だったのかもしれません。
実際、雷親父と呼ばれ恐れられていたという逸話は数多く残っています。そんな彼が、近年のコロナ禍を見たらなんと言って雷を落とした事か──
そんな思いを抱きながら、書いた物語でした。
お読みいただきましてありがとうございます✨
面白かった!
いやあ、読み応え充分でした。
時機の問題はあろうとも、それでも偉人としてお札に採用されるというのは、その業績を知ってもらおうという意味でもよかったなあ、と。
医は仁術、というのを身をもって体言した北里先生に花束を。
作者からの返信
何となくですけど、次の紙幣の肖像は森鴎外かなぁ、等と考えておりますw
世間的なバランスを取らないといけませんからねw
なんか、調べれば調べるほど……事あるごとに「青山胤通」の名前が出てきて、「また青山かーーー!!!」っていう叫びが何度も起こりましたwww
鈴木梅太郎という科学者がいまして、知ってる人は知ってる「オリザニン」を開発した人ですね✨
私この人も大好きで、次はこの話やろうかとも思っているのですがw
彼は農学畑の出身だったこともあって、青山胤通は彼を徹底的に認めなかったんですよね。
なんか、脚気の戦犯は青山と森鴎外なんじゃないかとさえ思ってしまいましたw
お読みいただいてありがとうございます✨
学の無い人間がこういうこと書いちゃいけないんでしょうけどw
全力で北里さんを推したくなるお話でした……。
当時の東大の派閥ってかなり強烈だったのですよね。東大の方々もこの日本を背負って立つのは我々であるという意識がすごく強いものですから、他の大学や他の系統から出てきたものは認めないみたいな気風があって。
さらにここに旧藩時代の因縁もからみ、「○○県出身○○大学出身」が太鼓の音のようにどんと響いていた。
森鴎外は脚気のことで現代ではアホ代表みたいに言われていますが、当時は泣く子も黙る『知の巨人』、その一言は大きな影響力をもっていました。そんな森鴎外が手放しの大絶賛で認めたことで樋口一葉は世に出たのだから、よくも悪くもこの時代の方々は振れ幅が大きくて面白いですね。
北里さん愛と、福沢諭吉さんへの尊敬がぐんぐん増していくような素敵なものをありがとうございました。
作者からの返信
北里柴三郎については、周りの人間が引くほど熱く語ってしまう私ですが、紙幣肖像交代の当日になって
「あ、カクヨムで語ればええやん!」
ということに気付き、急遽当日突貫で書き上げました。たぶん今後も加筆修正されるとは思いますが💦
これを書くに当たって、大きな間違いがないようにもう一度調べ直しながら書いたのですが……
おっしゃる通り、森鴎外は脚気を助長した戦犯みたいなものだと、私もそう理解していましたw。
某wikiを見ると以前読んだものとは違い、多くの記述が、そういう説もあるみたいですが……とか、そういった内容の記述も見受けられる、みたいにものすごくマイルドにされてたのが、なんとも……でした✨
どうやら記事の編集合戦があったみたいですねw こんなところにも派閥争いの影がw
最初はこの作品の本文も、鴎外のせいで、みたいに書いていたのですが……私の記述も角を丸めざるをえませんでしたw
現在に至ってもなお、森鴎外には偉人でいてもらわないと都合の悪い一派がいるのだろうなぁ、と想像させられました✨
お読みいただきましてありがとうございます✨
軽めの内容でしたがお楽しみいただけたなら幸いです✨
とても興味深く拝読させて頂きました。
野口英世は伝記を読んだことがありましたが、北里柴三郎はあまり存じませんでした。
彼の医学に対する熱意と誠実さに心打たれました。伝研騒動でも分かるように、周りの方もその生き様に強く惹かれたのだと思います。天川様の語りに、私もグイグイ引き込まれました。
福沢諭吉の支えがあったことは、本当に幸せでしたね。
大変面白く勉強になりました。良いものを読ませて頂き、ありがとうございます。
作者からの返信
野口英世に比べて、北里柴三郎という人はあまり知られていないんですよね、不思議なことに。
実績で言えば、野口どころか日本人の中でも屈指のものであるはずなのに……。
そんな思いもありまして、作品にしてみました。
千円札の肖像になって今後どのように世間は彼を評価していくのか。
それとも、各方面のしがらみに阻まれてこれまで通りの微妙な扱いのままなのか……。
日本人の資質が問われているような気もしますw
奇しくも今は、いろんなもののしがらみでがんじがらめになっている世相。
この時代を、ドンネルが見たら何と言って雷を落としたことか。
お読みいただきましてありがとうございます✨️