第94話 着ぐるみ再び
いくぞ!コロ!フュージョン!
俺は新スキルフュージョンを発動した!
説明しよう!
このフュージョンをする事で俺はコロと合体し、ウサギ獣人っぽくなるのだ!
強さは、そこそこ。
刮目せよ!俺の新たな力を!
「可愛いぃぃ!」
真っ先に光莉ちゃんが反応したんだけど…。
思ってた反応と違う!
「お兄さん!お兄さん!これってウチらは着られないの」
「…着られる」
そう、フュージョンは俺じゃなくても俺のパーティメンバーだったら合体可能なのだ。
「あの、その」
光莉ちゃんが凄いキラッキラした目で見つめてくる。
元々小さいウサギの集合体の群体型モンスターのコロニーラビットだった名残で、コロは分裂のスキルを持っている。
性能は半分になるけど、二人同時でも着れる。
ま、いっか、可愛いは正義だしな。
「一旦解除!分裂!フュー…」
「ちょっと待ってください!」
朱里ちゃんがまさしく脱兎の如く戦闘から離脱してきた。
よく見てたよね。
「コロ、一回戻って三分割して、フュージョン!」
思ったより外見が違った。
着ぐるみ、ゴスロリ、バニーガール?ボンテージ?
「ありがとうっす!一生大事にするっす!」
え、いや、光莉ちゃん…それ、あげた訳じゃないよ。
「お兄さん!どう?似合う?似合う?」
「う、うん」
恵ちゃん、圧が凄い。
「えっと、私はどんな事でもするって言ったので…」
「いや、違うんだ!待った!コロ、変化して何でも良いから変化して!」
チャイナドレス風に変化した。
うん、イイね!
じゃ、ねーや!
「コロ!もっと普通の!普通の!」
コンバットスーツ風に変化してもらった。
「…あんまり可愛くない」
どないせいっちゅーんじゃぁぁぁぁ!
改めて朱里ちゃんと相談、お嬢様風ワンピースタイプで落ち着いた。
結局、俺のパワーアップ用ウサギは女の子強化に行ってしまった。
みんな嬉しそうだから、良いんだけどさ。
…あ、そっか、四分割して俺も装備すれば良いのか。
次からそうしよっと。
ステータス的には四分の一でも、コロの持ってるスキルは使える。
今使えるスキルは『光学迷彩』と『空歩』の二つ。
激しく動くと光学迷彩は取れてしまうんだけど、それでも周囲に紛れることができるのは接近戦をする朱里ちゃん的にはかなり有効らしい。
空歩も動きが立体的になって、朱里ちゃんの戦闘力上がったな。
光莉ちゃんはジッとして動かないで居るから光学迷彩の恩恵が高い。
恵ちゃんは…うん、通常営業だな。
意味なくチョロチョロ動いて光学迷彩の効果全然意味ないし。
接近戦もしないから空歩も全然使わないし。
「恵ちゃん、本気モードの時ってフュージョン意味ある?」
「うーん、無い事もないかなぁくらいやな、もう少しレベル上がってもっと色々出来るようになったらええなぁって思う」
「レベルアップかぁ、こうやってみるとモンスターの経験値って少ないよなぁ」
「あかんで、踏みとどまらんと呑まれるで」
「うん、それは分かってるんだけどねぇ、また誰か襲ってくれないかなぁ」
「その思考があかんねんて」
「そうなんだけどさあ」
この先の事考えたら、どうしても焦るよねぇ。
手っ取り早く強くなれるならなりたいよなぁ。
「恵ちゃん、裏の仕事俺もやっちゃダメかな」
「あかんて、戻れんくなる」
そっかぁ…。
確実に白銀に勝とうと思ったら、うちの子たちが進化しきって、その上でユニーク化までいかないと不安なんだよなぁ。
一緒に行動するようになれば当然入ってくる経験値も一緒な訳だし…。
いつまで経っても差は縮まらないと思うんだよなぁ。
俺の中にずっとモヤモヤした不安が残ってる。
失敗したら絶対殺されるだろうしなぁ。
死にたくないしなぁ。
【後書き】
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