第74話 試練の洞窟 2

 試練の洞窟はお寺に出来たダンジョンらしく、出てくるモンスターが仏教っぽいのが出てくる。


 最初の2〜9階は八部鬼衆っていう四天王の眷属、その後4階で四天王、最後に帝釈天が出てゴールって感じ。


 あくまで、それっぽいモンスターが出てくるだけで本当に仏様が出てくるわけじゃないけど。


 見た目のクオリティは結構高いらしい。


 乾闥婆(けんだつば) - 古代インドのガンダルヴァ。香陰と訳す。酒や肉を食さず、ただ香をもってその陰身を保つ。東方を守護する持国天の眷属(けんぞく)。

 毘舎闍(びしゃじゃ) - 啖精気と訳す。人および五穀の精気を食す。東方を守護する持国天の眷属。

 鳩槃荼(くばんだ) - 甕形と訳す。その陰茎甕形に似た厭魅鬼である。南方を守護する増長天の眷属。

 薜茘多(へいれいた) - 餓鬼と訳す。常に飢餓・涸渇に切迫せられた鬼神である。南方を守護する増長天の眷属。

 那伽(ナーガ、龍) - 水属の王とされる。西方を守護する広目天の眷属。

 富單那(ふたんな) - 臭餓鬼と訳す。これ主熱の病鬼である。西方を守護する広目天の眷属。

 夜叉(やしゃ) - 勇健鬼と訳す。地行夜叉・虚空夜叉・天夜叉の3種類がある。北方を守護する多聞天の眷属。

 羅刹(らせつ) - 捷疾鬼と訳す。北方を守護する多聞天の眷属。


 と、いうことで今回の為に調べてきた八部鬼衆。


 詳細な説明を読む限り、半分くらいはアンデッドなんだよなぁ。


 四天王の眷属の八部鬼衆って字面でカッコいいのとか美しいのを想像してたんだけど…怖いか気味悪いかのどっちかなんだよなぁ。


 そして、2階へと降りていくと体育館くらいの広さのホールの奥に最初の1体目の乾闥婆がいた。


 この先四天王が出てくるまでずっとこんな感じらしい。


「アマ…乙女のお二人はお手伝いとかしてくれないのですか?」


「お前ワザとやってないか?」

 フルフルフルと一生懸命首を横に振る。


「ほんとかー?」

 コクコクコクと一生懸命首を縦に振る。


「じゃあ、良いけどよ、それで手伝うかって話だが、俺たちは護衛の依頼しか受けてないから手伝わないぞ。

 ま、お前らが死にかけたら上に連れ戻すくらいはしてやるから、頑張れや」


「はい!わかりました!」

 目の前のモンスターよりこの人の方が100倍緊張感高いよ。


 実際、一応聞いただけで数の暴力で何も問題なさそうだしなぁ。


「じゃあ、みんな始めようか」


 試練の洞窟攻略の始まりだ!


 ー9階ー


「あっけなかったなぁ」


「こっちのモンスターが強すぎるんだと思いますよ」

 俺もそう思うよ朱里ちゃん。


「やっぱり、この程度じゃお前らの相手にならないな」


「数の暴力ですり潰す戦法なんで、単体だとそうそう負けないですね」

 でも、こっちの人の姿をした鬼には勝てる気がしません!

 恵ちゃんに全力で守ってもらわないとならない。


 怖いから言わないけど。


「さてと、ここから四天王が出るみたいなんでちょっと作戦立てていきますか」

 最初から作戦立てておけって話なんだけど、一体しかいない相手だと一斉攻撃以外にやりようがない。


 それに今からの作戦って言っても、四天王が眷属連れてるから、ゴブゴブさんと健二で眷属攻撃してもらって、ウチの子達と朱里ちゃんで四天王狙うってだけだし。


 そして、あっさり突破する。


 うん、ここまでは大丈夫だと思ってた。


「あのう、最後のボス戦だけ手伝ってもらうとかはダメですかね?」


「何回も言わせるな、俺たちは護衛しか受けてない、攻略しろって言うならお前が金を出せ」


「おいくらですか?」


「そうだな、12億でなら請け負っても良いぞ?」

 しっかりオーブの事、根に持ってやがった!


 手伝ってもらえれば楽できると思ったのに。


「無理です、そんなにお金ないんで自分たちで頑張ります」


 軽く打ち合わせをして、俺たちは最下層へと向かった。


【後書き】

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