第69話 勧誘
トロッコダンジョンに入ろうとやってきたが、動画の影響が身に染みて分かった。
「一度でいいから一緒にダンジョンに潜らないか?」
「パーティに関して話がしたい」
「お願いです!俺を鍛えてください」
など、この辺はまだ良い。
丁重にお断りするだけで済む。
「俺らのパーティに入れてやるよ」
「俺がお前らのパーティに入ってやる!」
この辺は怒れるドワーフ倒してから出直してこいで追い払えた。
もっとめんどくさい奴らがいる。
「言うこと聞かないとこっちにはバックに勇者がいるんだぞ!」
「お前がどんなに強くても、聖女や一般職をどこまで守れるかな?」
「ダンジョンの中の事故は良くあるんだぞ、言うこときないならもう戻って来れなくなるかもな」
もう犯罪者だろこいつらって。
仕方がないから、実践訓練してくれるなら話聞きます。
って事にした。
逃げられても困るから、3パーティまとめてかかってきてもらう事にした。
こっちはテイマー3人。
向こうが色々いうから、即死モンスターは使わない上での優先権放棄。
後で難癖付けられたくないので、相当こっちが譲歩してる。
その代わり、勝敗はお互いが了承した時のみルールにしてもらう。
多少ごねたけど、周りに人集まって来てるしね。
この条件で出来ないなら探索者やめたらって煽ったら、周りもなんか盛り上がって結局認める事になった。
作戦ターイム!
「あいつらいまだにテイマーは弱いって固定観念捨てきれないから、脅せば言うこと聞くって疑ってないんだと思います」
健二がなんか、めちゃくちゃヤる気だ。
「現実が見えてませんね、今後のためにも見せしめになってもらいましょう」
ゴブゴブさんも思う所があるのかいつに無く語気が荒い。
「失血が多いと生命の危険って判断されて強制終了されるので傷口は火で焼いた方が良いと思います」
健二の過激モードが止まらない。
どうも、あいつらから感じ取れるテイマーを見下した態度は、日頃気弱な健二さえバーサーカーモードに変えるらしい。
ちょっと目が怖い。
「朱里ちゃんと光莉ちゃんにも危害加えるような事言ってた奴は戦意無くなるまで念入りに俺もお灸すえていこう」
「何でうちの名前ないかな?」
恵ちゃんが話し合いに割り込んできた。
「あーごめんごめん、恵ちゃんもね、恵ちゃんも」
「なんか取って付けたみたいな扱い嫌やわぁ、うちもか弱い乙女なんやで」
「…か弱い、か弱い?か弱いかぁ、痛った!」
恵ちゃんにつねられた。
「ええか、今回は二度とこういう事させない為にお灸すえるんやし、他にも同じ人出ない為の見せしめなんやから、ひと思いにやっちゃアカンで」
健二がコクリと頷いてニヤリと嗤う。
あれ?こいつってこんなに凶悪な顔してたっけ?
お互い準備が完了した。
そして俺もピノの進化を完了している。
ピノ レベル1
因幡の白兎(幼体) ランク7
強さ 821 物理的攻撃力
器用 821 命中率
素早さ821 回避率、移動速度
知性 821 魔法的攻撃力
耐久力821 HP基準値
賢さ 821 MP基準値
HP 821
MP 821
スキル 状態異常無効
雷魔法Ⅲ
火魔法Ⅲ
風魔法Ⅲ
水魔法Ⅲ
武器術
魔法付与
装備 小槌
ドワーフの赤い怒髪
レベルアップ上昇値 各1、固定上昇値 強さ9 器用8 素早さ8 知性8 耐久力8 賢さ8
なんと、一気に2つもスキルを覚えた。
武器術はその名の通り、武器を操るスキルだ。
特定の武器を扱うスキルより派生する技は弱いが、どんな武器でも扱える汎用性がある。
魔法付与はたかしと同じで、自身の装備している武器に魔法を纏わせることが出来る。
そして、ウチのピノが進化してるって事は一緒に戦ってきたゴブゴブさんと健二のところのモンスターも進化してる。
ピノもそうだけど、他の子も幼体になったせいか、前より小さくなっているけど、ステータス的には大幅に強化されている。
相手の能力は恵ちゃんが持ってきた、人物鑑定メガネである程度の実力は把握している。
レベル60前半のやつばかりで、1人だけ68ってのがいる。
装備は平均的な普通の性能なのも鑑定ルーペで確認済みだ。
これってピノと健二だけでも勝ててしまうんじゃなかろうか?
「「「テイムリンク」」」
いつもの戦闘開始直後のルーティンだ。
彼らにとって終わりの始まりになる実践訓練が開始された。
【後書き】
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