第11話 新天地

 朝からテレビをつけると、勇者クラスの取得者が現れたとニュースになってた。

 ネットニュースもそればっかりだ。


 日本では5人目で、すでに2人引退しているので現役は3人目になるらしい。


 こちとら2人目だぞ!

 ちくしょう!チヤホヤされやがって!

 羨ましい!


「おはようございます」

「おはよう」


「なんか、勇者、勇者、騒がしいっすね」

「仕方がないわね、勇者の数で国の優劣が決まるって言われるくらい、勇者は特別な存在だから、協会にしろ国にしろ、圧倒的に勇者が有利に活動できるようになってわよ」


「なんすか、その勝ち組路線は」


「どんな探索者も極めれば、一般人から見れば人外なくらい強くなれるでしょ、そのせいで兵器って年々存在価値が薄れているのよね。

 その中で勇者は、その探索者を強力にする手段があるの。

 それこそ国が揺らぐくらいに」


「じゃあ、国に管理されてるんですか?」


「それは他国が許さないわ、あくまでも本人も自由意思っていう建前があるわ、だから国は勇者に甘いのよね」


「なるほどなぁ」


「無駄話はこれくらいにして、最初だから初心者用の場所で探して置いたわ。

『猪村ダンジョン』通称芋掘りダンジョンね。

 全5階層で5層だけランク4が出るFランクダンジョンよ。

 出てくるモンスターはランク3はオークとワイルドボア、ランク4はオークファイターとメガワイルドボア。

 レベルが4階層でも10までだし、5階層でも15までだからあなたならなんとでもなると思うわ」

 地図をスマホのアプリに転送してくれた。


「分かりました!じゃあいって来ます!」

 座ってた椅子から勢いよく立ち上がる。


「待って!待って!まだ説明終わってないから!」


「あ、そうなんですか」

 改めて座り直した。


「これから行く所は通称芋掘りダンジョン。

 その名の通り芋が掘れるの。

 これを収入のメインにしてる探索者が結構いて、割と縄張り争いがうるさいダンジョンなのよね。

 こういう所は家族がみんな探索者とか親子2代でとかそういうの多いから、変なローカルルールあったりするから、必ず誰かに確認してからダンジョン入るのよ。」


「うわーなんか田舎の農村をそのままダンジョン化したみたいな所ですね」


「そんな所ね、でもオークやワイルドボアの魔石なら1個150円だし、ドロップ品でも、オークの斧は500円、ワイルドボアの肉は800円で買い取って貰えるから今までよりは稼げるわよ」


「あーそっか、そういえば俺、新種の申請以外でほとんどお金もらって無かった」

 今更ながらに気づいた。


「とりあえず、注意点とかはこんなもんね」


「はい!ありがとうございます!いって来ます」


「ちょっと待って!新しいテイムは?」

「あ!あー、戻ってきてからします!」


「そう、まぁ、大丈夫だと思うけど」


「じゃあ、今度こそいってきます!」

「はい、いってらっしゃい」


 …もうダーリン待ちしないぞ、してないし、してないもん…くっ!ダンジョン攻略頑張ろう。


【後書き】

 お読み頂き、ありがとうございます。

 この作品を『おもしろかった!』、『続きが気になる!』と少しでも思ってくださった方はフォローや↓の『☆☆☆』を『★★★』に評価して下さるとありがたいです。

 よろしくお願いします。

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