思い描くもの

描く理想は高く


ロマンチストな私は恋人といつかしたいことが沢山ある。

生憎今はお相手がいないけれど、でも想像しただけでドキドキしちゃうようなそんな、夢物語を思い描くことが好き。

例えば、プロポーズは一輪の薔薇がいい。素敵な夜景の見えるレストランで薔薇を差し出されて、OKしたら指輪が出てくるの。婚約指輪。

彼が私の指にはめてくれて、周りの人はそれを見て拍手するの。その時どんなに幸せなのかを想像する。

他にも、付き合って1年の記念日とかはちょっと格式の高いフレンチコースに連れていかれて、2人でお互いを想いあった会話をするの。こっそり用意したプレゼントを私が出したら彼も出してきて、交換会になるの。

それで、帰る前に御手洗を済まして帰ってきた時にはお支払いは終わっていて、私は彼にエスコートされて帰るだけ!オープンカーの助手席で風を感じながら2人でドライブするの。それから彼は家に送り届けてくれて、またねってさよならするの。


現実にはそんなことは起きない。

私のために場所を予約して、車を予約して、ご飯やらプレゼントやらお金を惜しまず用意してエスコートしてくれる男なんて居ない。頭が良くてお金持ちで顔がいい男なんて居ないのだ。それを望むことは欲張りというやつだ、


でも、思うだけならタダだから。私は現実を見て尚、空想に時間を、人生を捧げる。


……。



彼氏は隣にいて心地いい人がいい。それから少し気取ってて、ちょっと強引だけど私の手を取って前に進ませてくれる人がいい。決断力があって、うじうじしない人がいい。顔はあんまり気にしてないけど腹が出てるのは嫌なのでどちらかと言うと痩せてる人がいい。骨がでてて、華奢で、可愛らしい人がいい。身長はできるだけ高い方がいいけど高すぎると首が痛いから、眺める景色を共有できないから、自分と同じから少し高い人がいい。私の頭に手を乗せて可愛いねって頭を撫でてくれる人がいい。

私を、好きな人がいい。

どんなに嫌なところがあっても、私を大切に思ってくれて、大事に大事に扱われたらそれはもう、どんなに嬉しいだろう。

でも、人を好きになるための理由なんて、無限にある。誰かのいい所探しが得意な私はあの人のいい所も、この人のいい所も、沢山沢山知っている。話を聞いてくれる静かな友達、どんな状態でも話し続ける友達。どちらにも良さがあってどちらも私は好き。みんなが仲良くなったらいいのになって、思ってる。


1度も恋を通っていない私には現実が分からない。私の理想のタイプはモラハラ傾向があったりするらしい。でも、それでも、だから。


私は、私を大切にしてくれる人が好き



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