第15話 鍛錬と鍛錬
「正直しんどいけど...本編開始後のヒロインたちを眺めるためだ。」
こうして俺は厳しいスケジュールで、日々を過ごしていった。
3日が経った。
痛い、体が痛い。あまりに過度な鍛錬に体が悲鳴を上げている。
全く思ったように体が動いてくれない。
無理するな、と誠也に心配されてしまった。
それでも後の閃を練習した。
遅い 遅い 遅い 少し早い 少し早い 早い 少し遅い 早い 遅い 遅い 早い 少し遅い 早い 遅い 早い
1週間が経った。
眠い、眠すぎる。鍛錬の負担に対して回復が追い付いていない。
それに、ストレスだろうか、白髪が生えてきていた。
それでも後の閃を練習した。
遅い 遅い 遅い 少し早い 少し早い 早い 少し遅い 早い 遅い 遅い 早い 少し遅い 早い 遅い 早い 遅い 少し早い 遅い 早い 遅い 早い
3週間が経った。
この生活に慣れてきたのか、眠気を感じなくなってきた。なんだかとっても元気!
クラスメイトに「ヤバい目をしている」と言われたが、俺は元気なので問題ないだろう。授業と鍛錬のおかげで、アスレチックコースのタイムも、身体強化無しで20分を切った。素晴らしい!今後は1日2周にしていこう!
今日も後の閃を練習した。
遅い 遅い 遅い 少し早い 少し早い 早い 少し遅い 早い 遅い 遅い 早い 少し遅い 遅い 早い 遅い 早い 少し遅い 遅い 遅い 遅い 少し早い 早い
2か月が経った。
最近は刀を振るのがとても楽しい。どんどん上達していくのが分かる。斬る技術は重要でないと思っていたが、全くの間違いだった。フォームが良くなったからだろうか、ゴブリンを斬るのにかかる時間も短くなった。それはつまり、もっとたくさん斬れると言うことだ。すばらしい。
瞑想の時の雑念も、殆どなくなった。心静かに、理想の自分を作り上げている。
いつの間にか髪が真っ白になってしまっていたが、まぁ鍛錬には関係のないことだ、放っておこう。
しかし、ここ最近は瞑想の時に他の生徒の気配を感じられない。俺が気にしてないだけだろうか?
今日も後の閃を練習した。
遅い 遅い 遅い 少し早い 少し早い 早い 少し遅い 早い 遅い 遅い 早い 少し早い 遅い 早い 遅い 少し早い 早い 早い 遅い 少し早い 遅い 早い 少し早い 遅い 早い
4か月が経った。
ずっと、斬ることだけを考えている。
朝も、昼も、夜も、ただそれだけを考えている。
アスレチックも身体強化無しで5分、有りで1分を切った。肉体は仕上がっている。
もう、攻撃される恐怖はない。精神も仕上がっている。
けれど、理想の後の閃に至れてはいない。
どうすれば至れるのだろうか?そもそも至れるのか?この鍛錬に果てはあるのだろうか?
あるかどうかはきっと、鍛錬していれば自ずと解るだろう。
今日は鍛錬場に行こうとしたら、栗沢先生に止められた。
やりすぎ?心が壊れる?などと言っていたような気がするが、いったい何のことだろうか?押し通って鍛錬をした。
今日も後の閃を練習した。
遅い 遅い 遅い 少し早い 少し早い 早い 少し遅い 早い 遅い 遅い 早い 少し遅い 早い 早い 早い 少し早い 早い 遅い 早い
何か月経ったか分からない。
今日も鍛錬をする。
走り、精神を統一し、斬る 斬る 斬る。
今日も引き止められた。元気そうな金髪の少年だった。
真っ青な顔で俺の肩を掴んで揺さぶり、何かを訴えていたが、
「鍛錬をしなければいけない」と目を見て言ったら、おかしな顔をして立ち竦んでいた。
分かってくれたようだ。鍛錬に向かう。
今日も後の閃を練習した。
遅い 遅い 遅い 少し早い 少し早い 早い 少し遅い 早い 遅い 遅い 早い 少し遅い 早い 遅い 早い 早い 少し早い 早い 遅い
そう言えば、今日引き留めてきた少年は、一体誰だったんだろう?
「友達だろ!」と言ってた気はするが、俺に友達なんていただろうか?
いたとして、それは鍛錬より重要な事だろうか?
鍛錬を続けた。
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いつも応援ありがとうございます。
思ったよりたくさんの人に読まれていて冷汗が止まりません。
精進します。
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