第5話 新たな協力者

古の魔法使いとの戦いが終わり、フリーレンと私はその場にしばらく佇んでいた。倒れた魔法使いが消えゆく光と共に姿を消すと、聖なる泉の周りは静寂に包まれた。


「ミッドナイト、私たち、やったね…」

フリーレンは息を切らしながらも、笑顔で私に話しかけた。


「うん、本当によくやったよ、フリーレン。君のおかげだ」

私は彼女の頬に優しく頭を擦り寄せた。


その時、泉の水面が輝き出し、そこから一人の女性が現れた。彼女は優雅な姿をしており、まるで泉の精霊のようだった。


「あなたたちの勇気と力に感謝します」

女性は柔らかな声で話し始めた。


「あなたは…?」

フリーレンは驚きながらも、敬意を込めて問いかけた。


「私はこの泉の守護者、エリス。長い間、この地を見守ってきました。あなたたちが古の魔法使いを倒してくれたことに、心から感謝します」

エリスは微笑みながら答えた。


「エリスさん、どうしてこの泉に現れたの?」

私は興味津々に尋ねた。


「この泉は古の魔法使いの力の源でもありました。しかし、あなたたちが彼を倒してくれたことで、その力は封印されました。これからは安心してこの地を見守ることができるでしょう」

エリスは説明した。


「でも、エリスさん、私たちはまだまだ未熟な見習い魔女と黒猫です。これからどうすればいいのか…」

フリーレンは不安そうに尋ねた。


「あなたたちは既に十分に強い心を持っています。しかし、さらなる力を得るためには、もっと多くの経験が必要です。私が少しでも助けになれるよう、力を貸しましょう」

エリスは優しく微笑み、手を差し出した。


「エリスさん、ありがとうございます。あなたの助けがあれば、もっと成長できる気がします!」

フリーレンは感謝の気持ちを込めて答えた。


「私も精一杯サポートするよ。フリーレンと一緒にもっと強くなるために」

私は決意を新たにし、エリスに向かって頭を下げた。


エリスは手を振りかざし、私たちに光を注いだ。その光は温かく、心地よい力が全身に広がった。


「これで、あなたたちはさらに強くなれるでしょう。これからもお互いを信じて進んでいきなさい」

エリスは静かに言い、光と共に姿を消した。


「エリスさん、ありがとう…。私たち、頑張るよ!」

フリーレンは消えゆくエリスに向かって叫んだ。


「フリーレン、エリスさんの言葉を胸に、これからも一緒に頑張ろう」

私は彼女に向かって優しく言った。


「うん、ミッドナイト。君と一緒なら、どんな困難も乗り越えられるよ」

フリーレンは私を撫でながら、力強くうなずいた。


その後、私たちは再び街に戻り、次の冒険に備えることにした。エリスからの力を受けて、私たちはさらに強くなり、次なる試練に立ち向かう準備ができていた。


「フリーレン、次はどんな冒険が待っているんだろうね」

私は彼女の隣を歩きながら問いかけた。


「分からないけど、君と一緒ならどんな冒険でも楽しみだよ、ミッドナイト」

フリーレンは笑顔で答えた。


こうして私たちは、新たな力を手に入れ、次なる冒険に向けて歩み出した。未知なる世界の挑戦が、これからも続いていくのだった。

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【完結】現実世界でのいじめから逃れるために自殺した少女が、異世界の見習い魔女の黒猫として転生!魔法の力と友情を手に、再び現実世界で立ち向かう冒険が今、始まる! 湊 マチ @minatomachi

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