恋シ後悔シ少年ハ赤紙ヲ以テ特攻ス
黑兔
戦争は恋を壊す
第二次世界大戦、の或った世界とは別の世界線
敗戦ムードの漂う東に存在した小国、大日本帝国
西日本のと或る場所に有る、
村の金持ち、
「タエちゃん〜!御岳屋の大石さんとこの二郎君が来ちゃんさったよ!」
「ほんま〜?お母ちゃん、直ぐいくけぇ、待っとって云うといて!」
「云うとくわ〜」
おっとりとした母によって幼馴染の少年がやって来たと伝えられ、黒髪で長髪の少女、蒲田タエは急いで櫛を使いボサボサの髪をすく。
トタタッ
ガタッ、
「タエちゃん、ごめんねぇ。急ぎの用事じゃ云うけぇ通したよ〜」
廊下を走る音が聞こえたかと思うと、襖が開けられ、現れた母、蒲田ミエが間延びした口調で話す。
「うぅ〜お母ちゃん、やめてぇや、わたし髪ぼさぼさなんじゃけどぉ〜」
タエは母に対して小さく唸りながら櫛をすく手を早める。
ガタッ、
「タエ、ワシは気にせんから、そのまま聞いて欲し」
バチッッ!
「だぁっ!?」
「二郎君ッ!わたしは気にするんよ!出てってぇや!」
部屋の襖を更に大きく開けて現れた、黒髪で幼い顔立ちをした軍服姿の少年、村に存在する複数の大石の中で決められた屋号、御岳屋の大石二郎はタエに向かって直ぐに話そうとするが、
タエはそんなデリカシーの無い二郎少年の頬をおもいつきり平手打ちし、部屋から締め出す。
「タエ、すまん、ワシが悪かった。襖を開けずに話すから聞いて欲しい」
「…昨日の夕方、ワシは一月後にアメに急襲する、一○一小隊、通称イチマルイチ特攻少年兵隊に来いと軍人に赤紙を渡された」
「ぇ…?」
「タエ、ワシは無事に帰れるか分からん。むしろ国がお国の為に死んでこいと言ってる様なもんなんや。だからワシとは許嫁をやめて別の男と結婚してくれんか」
……
「ふ、ざ...っ.ふっざけっふざけふざけふざけた事云うなや、こん馬鹿がああああああッ!」
バチィッッ!
二郎が申し訳なさそうに話したが、怒り狂ったタエはそんな彼をまたもや平手打ちした。
_______
こんばんは。黑兔です
最後までお読み下さりありがとうございました。
アメはアメです。別の意味はありません(ホントダヨ?)
赤紙徴収された、自分の爺さんや、曾爺さんにもあったであろう、幼馴染との物語を想像して描いていこうかと思います。
この物語はフィクションです。実際の人物、団体とは一切関係ありません。
恋シ後悔シ少年ハ赤紙ヲ以テ特攻ス 黑兔 @kuroto1717
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