第6話 王立アルステラ騎士養成学校


俺は今お姉ちゃんと一緒に王都に向かっている。

ちなみにお姉ちゃんは復学という形だが、俺は新入生であるため試験を受けなければいけないと思ったのだが、どうやらスキルを持っていれば無条件で入学できるらしい。


さらに、聞くところによると今年の新入生は

非常に質が高いらしい。


俺を含めてスキルを2つ目以上持っているやつが5人もいるらしい。


軍団長になるにはこの学校で好成績を残すことが手っ取り早い。

そのためには学内の騎士ランキングで1位にいないといけない。


騎士ランキングは入学時の新入生トーナメントやその他のいろいろな行事でポイントが加点されていく。


この世界では、スキルがあるので一騎当千ではなく一騎当万レベルのやつがたまにいる。


基本的にはそういうやつが軍団長になるため、俺も個人の力を鍛えるしかなかった。


だが俺は単騎での戦闘用のスキルは殆持っていなかったため、どうするべきか考えていたとき神様の言葉を思い出した。


「千里眼には多くの使い道がある、貴様が使えこなせるかどうかは貴様の努力次第よ」


その言葉を思い出した俺は千里眼の使い道を研究した。そして、俺は千里眼がただ戦況全体を見渡すだけのスキルではないと理解した。


突然だがこの世界の住人には多かれ少なかれ必ず魔力が備わっている。

身体の中にある魔力を使って、外界にある

魔素と共鳴させることによっていろいろな現象を引き起こすことができる。


千里眼に備わっている能力の中には魔素と魔力を可視できる能力があった。

そのため俺は相手が魔法を使おうとしたり、身体を動かそうとしたとき、どのくらいの規模の魔法がどのくらいの範囲で起きるのかや相手がどういうふうに身体を動かすのかをあらかじめ魔力の流れを感じ取って知ることができる。


そのため、俺はこの五年間剣術と千里眼を

ただひたすらに鍛えた。

魔法も鍛えようとしたのだが、魔法が使えるのは学校に入ってからと言われたためひとまず諦めることにした。


そんなこんなで修行をしていたら、俺は剣技において俺の右に出るものはいないと思ってしまうほど強くなることができた。


そもそも、相手の体がどう動くのかがわかっているため俺に攻撃を当てるには不可避の攻撃をするか俺が反応できないほどの攻撃をする他ない。


この五年間の集大成を新入生トーナメントの優勝という形で残してみせる。




王都エーケルベルグについた俺たちはひとまず学校向かうことにした。

新学期が始まって部屋割りが決まるまでの間俺たちは騎士寮の同じ部屋で泊まることになっているらしい。

何でも俺一人で止まったら夜に襲われかねないかららしい。


そのため学校に向かうがてら街を散策してみようと思ったのだが、街の様子を見て驚いた。

俺以外の男がほとんどいない。


お姉ちゃんによると大抵の男は自分の部屋に引きこもってほとんど外には出てこないらしい。出てきたとしてもこんな人が通る道は通らないのだとか。


そのため俺は多くの人から視線を向けられていた。中には話しかけてこようとしてきた子もいたが、お姉ちゃんによってことごとく阻まれていた。


街を歩いている間何人かの人に金を渡すので一発だけヤラせてくれないかと言われて、

それを聞いたお姉ちゃんが相手の顔に殴りかかろうとしたのを止めたりといろいろ大変だったが、なんとか学校につくことができた。


ひとまずお姉ちゃんの元担任の先生に挨拶に行くことになったので、校内を歩いていたらここでも俺は多くの生徒や教師に視線を向けられていた。お姉ちゃんは視線を向けてくる相手を睨みつけて話しかけないようにしていたが、そんな俺たちに話しかけてくる人がいた。


「あれ、もしかしてセネット?」


「久しぶりだなアリス」


俺たちに話しかけてきた人はどうやらお姉ちゃんの知り合いらしい。


「隣にいるのはお前が前に言ってた弟か?」


「そうだ、私の自慢の弟だ」


「どうも、アルノルト・リオンといいます」


「まさか女性に臆さずに話しかけてくる男がいたとは。リオンを連れてきたということは復学するのか?」


「ああ、ところで疑問なのだが何故この学校は5年制なのにお前はまだいるのだ?まさかずっと留年していたのか?」


「そんなわけないだろう、ここを卒業したあとにここの教師になったんだよ。今年から新入生の騎士科のクラスを任される。」


「もしかしたらリオンの担任になるかもな」


「まて、まさかリオンは騎士科に行くつもりなのか?今までそんな男聞いたことないぞ」


「大丈夫だ。なんせリオンはスキルを3つも授かっているだから」


「何?噂の男というのはリオンだったのか」


「噂?なんの噂だ」


「何でも診断の儀でスキルを3つ授かった男がこれで騎士養成学校に行けると呟いたらしくてな、そのせいで今年の騎士科の志願者は例年の四倍らしい」


四倍ってそんなに増えるものなのか。


「リオン、その話後でお姉ちゃんに聞かせてもらおう」


勘弁してほしい、そう思っていたとき俺たちに話しかけてくるもう一人の声がした。


「おーいセネットそれに弟のリオンくんここにいたのか、予定の時間になっても来ないから心配になって来てしまったよ」


どうやらこれから訪れる予定だったお姉ちゃんの元担任の先生らしい。


その後俺たちはアリスさんに別れを告げたあと寮に向かった。


明日には入学試験が行われて結果は明後日に出るらしい。

その後一日挟んで入学式をやったあと次の日から3日かけて新入生トーナメントを行いクラス分けをするらしい。

クラス分けが終わったあともどうやら住む部屋が変わるだけでお姉ちゃんと同室なのは変わらないらしい。

何でも騎士科にはこれまで男が入学してきたことがないため、男子寮がないらしい。


そして、ついに入学式当日


「新入生トーナメントで私が優勝した暁にはどうか私と結婚してください!」


俺は新入生代表に公開告白をされていた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る