第2話 その婚約者はさらわれる
アルバートが王城に帰ってきた。その事はすぐに国王と女王に伝わった。そのため、アルバートは、国王と女王に叱られた。逆に、ヴィールはアルバートを見つけた事により、国王と女王に感謝された。結局、アルバートはパーティーが行われる夜まで、見張りがつけられた。
「アルバートが許可を取れば、こんなことにはならなかったから、きちんと反省してね?」
「そんなことを言わないでよ、ヴィール。まるで、僕がいけない事をしたみたいじゃないか」
「みたい、じゃなくて、したのよ。自分が王子と言う責任を持った方が良いわよ?」
「うぐぐ……」
「でも、私のためを思って行動したことは、うれしいって思うから……。ただ、もう少しお転婆が無くなるといいわね」
「ほんとに?」
「ええ。そうしたら、みんな『あの人は国王にふさわしい』と思うようになるわよ。もちろん、私もね」
「そうか……。じゃあ、城下町に行くときは、許可取らないとな」
「そうね。そうしたら、私達が探さないで済むわね」
「うっ……。ごめんって……」
「あはは。冗談よ、冗談」
「ヴィールの意地悪……」
「あら、そう?」
そんな会話をアルバートとヴィールがしている。アルバートもヴィールもこの時間が幸せだと考える。
やがて、パーティーが行われる時間が近づいてきた。そのため、アルバートもヴィールもしたくをする。
そして、パーティーが始まった。すると、みんな楽しい気分でパーティーを楽しんでいる。パーティー参加者の気分がリラックスしてきたところで、このパーティーの見どころである、アルバートの婚約者であるヴィールが登場する事になった。
「それでは、登場してもらいましょう、アルバート様の婚約者ヴィール様です!」
「皆様、こんばんは。私がヴィールです。このパーティーを楽しんでいる方も、私が気になっている方も、ぜひアルバートを支えてあげましょう。私達が支えた分、アルバートも皆様にお返しいたしますので、どうかよろしくお願いいたします」
「ありがとうございました。では続きまして……」
「おい、なんだあれ⁉」
「大きい鳥⁉」
「こっちに向かってくるぞ!」
無事、ヴィールが受け入れられた時だった。パーティー会場に、大きな鳥が突っ込んできた。その時に、ガラスが割れてしまったが、幸いけが人は出なかった。そして、その鳥は、人を乗せる事が出来るほど大きかった。そして、その鳥を見た騎士の一人である、テイルが体ががくがくと震えていた。しかし、その様子は、誰の目にもとまらない。それよりも、みんな大きな鳥に夢中だ。
そして、その大きな鳥は、小さな女の子を目当てに突撃しようとした。その時に、ヴィールは、その女の子をかばおうとして、巨大な鳥の爪に持ち上げられた。アルバートは、ヴィールを取り戻そうと手を伸ばしたが、届かず、そのまま鳥は、会場を去っていった。そのまま、パーティーは中止になった。
その頃、ファルアールの隣国、ヘイタグッソでは、ヘイタグッソの王子ヴィルギスは部屋でヴィールを待っていた。
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