第3話オレオレ詐欺撃退~あほな奴ら~
これは私の子供がまだ上の子が5歳、下の子が2歳になったばかりの2003年11月ころにかかってきた電話である。まぁ、タイトルからもお分かりいただけるかと思うが、息子を語ったオレオレ詐欺の詳細である。本当バカ丸出しな奴らだったので、ここでお笑いショートストーリーとして紹介させて頂こうかと思う。
この日は休日だったため、私も子供たちも家にいて、まったりと過ごしていたのであるが、親子そそろって昼寝していて、気持ちよく寝ていたら電話が鳴って
「全く誰だヨ~。せっかく気持ちよく寝ていたのに」
とぼやきつつも、電話に出ると
「あ、お父さん?俺なんやけど」
って相手が話し始めたので、
「ははぁーん。これが今、巷で騒がれているオレオレ詐欺(今でいう嘘電話詐欺)かぁ」
って思い、相手をおちょくってやろうと思ったので、一通り奴らの話を聞いてみることにした。
「俺さぁ、今車を運転してて、追突事故を起こしちゃってさぁ、それで、相手方は妊婦さんで、追突のショックで産気ずいちゃって、俺もうどうしたらいいのかわからないよ」
とイカにもパニクッテマスって感じで演技をしてきて、俺も内心げらげら笑いたい気持ちを抑えながら、その間に相手の番号をメモ書きしてし残しておいて、
「それはめっちゃ大変じゃん。お前どうするよ。今どこにおるんか?」
って聞くと、東京の丸の内にいるとか言っていて、
「すぐに病院の入院費用を払わないといけんから、至急お金を貸してくれん?」
と言っていた。そこでバックに流れる駅に電車が到着したアナウンスが…。
「ただいま到着の電車は岩国行です」
その間もしばらくの間やり取りと続けて、次に
「新山口~新山口~。どなたさまもお忘れ物ないようご注意ください」
思いっきり東京ちゃうやんけって思っていると、次に警察官を名乗る男から
「お宅の息子さん、かなりスピードを出していたみたいで、車の前部が大破していて、被害者の方の後方部も損傷が激しいですね。今救急隊が来て救急車に乗せられて病院に搬送されていきましたが、息子さんかなり動揺しているので、迎えに来ていただけませんか?」
などと大嘘八百を並べ立てて、いかにも息子が事故を起こしたっていうように話してきて、
「こいつもバカなんじゃねぇか」
と思いながらも、
「私はそれは大変ですね。すいません。もう一度息子に変わっていただけませんか」
と言って、”息子”が電話口に出て
「お前どうするよ。会社にも迷惑がかかるし。俺も今はすぐすぐには仕事があって抜け出せんしな」
「そんなぁ、すぐに迎えに来てよ。俺マジで困ってるから」
「そうかぁ、本当にマジで大変じゃな。ところでお前に一つ聞いてもいいか?」
「うん?何?急いでるんじゃから早く迎えに来てよ」
「わかった、それじゃぁ一つお前に聞くけど、俺の息子って言ったよな?それに東京で事故を起こしたと。お前の電話のバックで、電車の到着のアナウンスが聞こえたけど、新山口って言ってたぞ。それに俺の子供は今5歳と2歳なんやけど、どうやって車の運転ができるんか?お前のところでは5歳児とか2歳児でも車の運転ができるんか?」
そう告げると相手は慌てて電話をガチャリと切って、それからは音沙汰はなくなったが、私はそのディスプレーに表示されていた携帯電話の番号をそのまま地元の警察署にまずは電話で知らせて、そのあと警察署に出向いて、録音してあった話の内容を聞かせて警察が動いて、数日後に詐欺行為を働いたとして複数人が逮捕検挙されたって夕方のローカルニュースで知って、笑いが止まらなかった私である。あれだけ迫真の演技を口先だけでできるのであれば、その才能を生かすと、その演技力だけで飯を食っていくこともできたんじゃないかって思う私である。本当、マジでおバカな詐欺ヤローのお話でした。
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