第2話あんた彼女おるんかオッサン事件
これは、1993年の5月に、私が東京発の寝台特急(ブルートレイン)を撮影しに、海沿いの山陽本線富海駅まで、早朝から出かけた時に遭遇した、世にも奇妙なストーリーである(笑)。この年は5月から9月にかけて、立て続けに変な事件に巻き込まれたのであるが、この事件はその幕開けとなる事件で、世にもミステリアスな怪奇事件?に遭遇した時のお話である。
私は朝4時ごろに起きて、このころ乗っていたMAZDAファミリアインタープレイ1500CC DOHC3ドアハッチバックを運転しながら、富海駅に向かっていた。駅のすぐ近くには海水浴場もあって、海水浴場の駐車場に車を停めて、海沿いをかけてくる寝台特急を待ち構えていた。やがて踏切の警報音が鳴りだして、遮断機が下りてきて、東京発の最初の寝台特急さくらが通過していった。このあと、みずほやはやぶさと言った寝台特急が駆け抜けていき、博多行のあさかぜの通過時刻になったので、ビデオカメラを構えていると、どこからともなく、赤い帽子をかぶったオッサンがやってきて、私に
「あんた、ここで何しよるんかね?」
と聞いてきた。私はカメラ構えてるんだから、
「見りゃわかるだろ」
と思いつつも、
「寝台特急写しに来た」
と告げると、そのオッサンの次の質問が、
「そうなんかねぇ。それじゃぁ、あんた彼女おるんかね?」
と言うので、私は
「なんで列車を写しに来たっていう話から、俺の彼女がいるのかって話になるんだよ。このオッサンマジでウゼー。」
と思いつつも、その当時は彼女はいなかったので、
「いいや。彼女はおらんよ」
と言うと、さらにこのオッサン、何を思ったのか
「そうなんかねぇ。それじゃぁ、彼女とセックスしたことあるんかね?」
と、さらに話がぶっ飛んで、
「このオッサン、なんなん?マジで次の寝台特急が通過するから、どこか行ってほしいんじゃけど」
と思いつつ、私はいたって冷静に、紳士的に
「彼女がおらんのに、そんなことするわけないでしょ」
と言って、博多行のあさかぜが通過した後は、下関行のあさかぜが通過するまではしばらく時間があるため、来る途中のコンビニで買った弁当と飲み物で食事を済ませて、車の中でしばらく仮眠して、私が再び起きたら、そのオッサンはどこかに行っていなかったので、
「やれやれ、あのオッサンどこか行ったか。マジでウザい」
そう思って、再びカメラをスタンバイさせて、踏切の警報機が鳴りだして、録画ボタンを押すと、そのオッサンが再びチャリンコを全速力でこいで、息が上がってゼーハー言いながら、
「あんた~。彼女おるんかねぇ~。セックスしたことあるんかねぇ~?」
と言ってくるので、マジでこのオッサンなんなん?と思いつつも、ビデオカメラの録画を続けていたのであるが、そのオッサンの要らん声がもろに入ってしまっていて、
「だめじゃこりゃ」
て思いながら、下関行あさかぜが通過すると、機材をさっさと愛車のファミリアインタープレイに積み込んで、富海をあとにした私。バックミラーを見ると、そのオッサンがチャリンコを全速力でこぎながら、窓を閉め切っていた状態でもはっきり聞こえるくらい、
「あんた~。彼女おるんかねぇ~。セックスしたことあるんかねぇ~」
って言ってたので、
「マジできもいんじゃけど…」
そんなこんなで家に帰って、富海で会った変なオッサンの話をしたら、母は腹抱えて大笑いしてた。こっちはマジで災難やったんやけどなぁ。結局あのオッサンは私に彼女がいるのか、セックスしたことがあるのか、そんな情報を知って、いったい何がしたかったんやろう?30年以上経過するけど、いまだに謎のまま未解決事件として調査続行中?(笑)である
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