キュブパッドの秘密
ある日の総統府に、キュッチャニア中央開発技術局の技官モモンガが集められていた。
「モモンガくん、国産タブレット端末がほしいきゅー」
総統が国外製のタブレット端末を見せながら言った。
「総統は欲しがりさんだきゅー」
「国産タブレットをいい感じに作るきゅー」
「わかったきゅー」
一時間後、キュッチャニア中央開発技術局。
「タブレットってどうやって作るきゅー?」
「モモンガ押し込んどけばいいんじゃないの?」
数か月後、高度に圧縮されたワンチップモモンガによる国産タブレット端末が誕生した。
通称、"キュブパッド"の誕生である。
「ワンチップモモンガくんを使えば様々な機器を小型化できますきゅー」
技官が言った。
「ワンチップモモンガくんとは洒落が効いているきゅ」
完成した国産タブレット端末を触りながら、総統は上機嫌だった。
まさか本当にモモンガをICチップサイズに圧縮したものだとは夢にも思っていない。
「周辺国でも完全国産化に成功しているのは我が国ぐらいのものきゅ。褒めてあげるきゅ~」
「きゅ~」
「早速量産に取り掛かるきゅ!」
「了解きゅー」
「総統~キュブパッドの近くにドングリを置いておくと無くなるという報告が相次いでいるきゅ~」
「大衆は迷信深いきゅ!」
総統はドングリを摘まみながら一笑に付した。
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