どうするの、トナラーさん!「席替え」にラブコメとラブストーリーはあり?なし?

冒険者たちのぽかぽか酒場

第1話 新しいラブコメは、「プリント回し」にも?「席替え」ラブストーリー、再び?

「席替えラブコメなラブストーリーは、面白い。もう少し、考えよう」

強き陸上部員の女子ジュンコは、走りながら訴える(だれに?)

席替えで、気になる人ととなりの席になれても、ビミョー。

「どうしてもだれかのとなりにいたいらしいトナラーも、つらいだろうな…」

緊張して、なかなか話しかけられないし。

そこで、彼女は思い出す。

「あ、小学生のプリント回し!あのタイミングなら、積極的に話しかけられる!」

へぇ。

「プリント回し」

全国共通の言い方なのかはわからないけれども、彼女はそう呼んでいる。

「プリント回し」

もちろん、プリントを握りしめてブンブンと振りまわすことじゃないぞ!

「これから、プリントを配ります。後ろの席の人へ、回していってください」

そのことね。

「プリント、回ってきたよ?」

「ありがと」

「よし、しゃべったぞ!」

このときなら、会話が自然にできる。

昔の小学生のクラスでは、味気ないイベントだったんだろうけれど。

だって昔は、こういう並びが基本。

「教室のこの列は、男子だけ。となりの席は、女子だけが座ること」

プリントを回すとき振り向いたら、同じ性別の人しかいないわけ。

それが、今は変わってきた。

「男女で、分けない。どの列も、男女バラバラに座ろう」

これなら、ラブストーリーもありそう。

「男子の前に座る人は女子」でもOKになったのには、LGBTQ+の多様な考え方の影響もあるだろうな。

多様といえば、思いの伝え方の方法も。

たまに、気になる人の座る前の席まで、わざと消しゴムを飛ばしたりする男子がいる。

小学生生活で、あるかな~。

「あ、ボクの消しゴムがとんじゃった。ねぇ、とってくれる?」

前の席に座る女子を振り向かせ、会話をしたいんだな。

すると…。

その女子が立ちあがり、クラス中に聞こえる声で言うんだ!

「先生?うしろの席の○○君が、上級生にもなって、消しゴムと友だちになってしまいました!この男子、バカです!」

女子は、強くなったなぁ。

ただ、運の良いことに、クラスで爆笑はおきにくい。

さすがは、上級生。

落ち着いている。

「あ…、笑われないぞ」

皆の愛に一安心の、男子。

ラブコメだね!

(クラスメイトは皆、笑いをこらえているだけなんですが)




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