第二十話
すると、
「ふむ。いかにも
その声は
そして、思った。ダメだ。こいつには勝てない。今までのダンジョンのボスとは、
でも僕は、
でも僕には、イメージが
「グハハハハ! まんまとワナにかかってくれたな! 地下四階に戻る階段付近にドラゴンを
くっ、そうか、ワナだったのか。僕たちはそのワナに、まんまとかかってしまった……。
するとシオンさんは、ドラゴン・ロードに話しかけた。
「話ができるとは、さすがはドラゴン・ロード。それじゃあ答えてもらうわ。これから私たちを、どうするつもり?」
「決まっているだろう。お前たちを、
「そう。そして次は、どうするつもり?」
「それも決まっている。ダンジョンのモンスターを
そうして
「ごめんね、
「何、言ってるんですか、シオンさん! 僕たちは終わりじゃないですよ! 簡単なことですよ! あのドラゴン・ロードを倒せばいいんですよ! それだけの話ですよ!」
でもシオンさんは、表情を
「でもドラゴン・ロードは、エルフの里の
でも僕は、勇気を出した。さっきシオンさんが、勇気を出したように。
「シオンさんは、言ってくれたじゃないですか! 僕と直道は、強いって! シオンさんもいれば、ドラゴン・ロードも倒せるかも知れないって! 僕はあの言葉、忘れてませんよ!」
すると直道も、話し出した。
「そうですよ、シオンさん。
するとシオンさんの表情は、やわらいだ。
「そうね、そうだったわね……。よし、私たちは強い! きっとあの、ドラゴン・ロードを倒せるくらい!」
シオンさんが元気を出してくれて、僕は安心した。でも僕は、ドラゴン・ロードに
「お、おい! ドラゴン・ロード! お、お前、どうしてエルフの里を襲うんだ?!」
するとドラゴン・ロードは、答えた。表情が分からないので、どんな気持ちなのかは分からないけど。
「ふん、人間の
は? 今、何て言った、こいつ。ヒマだからエルフの里を襲う? どういうことだ? だから僕はもう一度、聞いてみた。
「お、おい! ヒ、ヒマだからって、一体どういうことだよ?!」
「ふん、人間の小僧にも分かるように教えてやろう。我の
プッチーン! 僕の中の、何かが切れた。僕は、言ってやった。
「お、お前もしかして、友だちがいないだろう?!」
「は? 何を言っている、人間の小僧?」
「ヒマだったら、友だちと遊べばいいんだよ! 僕にはいるよ、友だちが。僕のせいでこんな世界にきちゃって地球に帰れなくなっちゃたけど、それでも
そして僕は、直道を見た。直道は笑顔で、右手の親指を立てた。それを見た僕は、
「やーい、友だちがいない、一人ぼっちー!」
「お尻、ペンペン」
やっぱり表情は分からないけど、ドラゴン・ロードはキレたようだ。
「何か知らんけど、ムカつくー!」
あ、ヤバイ。メチャクチャ、怒ってる。でもシオンさんは僕を振り向いて、右手の親指を立てた。そしてドラゴン・ロードに、
「エルフの里を
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