第十三話
僕はこれだ! とひらめいた。きっとこの『月』か『太陽』のどちらかの玉を、
僕は
それでも僕は、めげなかった。なるほど。『太陽』の玉じゃなくて、『月』の玉を入れればいいことに気づいたからだ。なるほどこの彫刻は、夜の風景だったのか。でもやっぱり、何も起きなかった。『月』の玉を左の穴に入れても右の穴に入れても、何も起きなかった。うーん、これは
すると
「ねえ、シオンさん。この世界にも、『太陽』はあるの?」
「ええ、あるわよ。この
「それじゃあ、『月』もあるんですか?」
「ええ。この惑星トラニバの周りを、グルグル回ってるわ」
それを聞いた直道は何の
「な、何で? どうなってんの、直道? 説明してよ!」
すると直道に、聞かれた。
「っていうか、僕も疑問だよ。どうして『太陽』の玉と『月』の玉を、同時に入れなかったの?」
は? と思いながら、僕は答えた。
「いやいや、この扉に彫られているのは、自然の風景じゃん! でも『太陽』が出ている朝か『月』が出ている夜か分からなかったから、どっちも
すると直道は、「ああ、なるほど」と
それじゃあきっとこの世界にも『太陽』と『月』が同時に出ることもあるはずだと思って、『太陽』と『月』の玉を同時に入れてみたっていう訳だよ。
僕はもちろん、
明らかに『太陽』とは違って
とにかく、これでダンジョンの先に進むことができる! 僕は
「いやー、すげえ、直道! やっぱお前、頭いいなー!」
すると直道は、
「え、いやー。それほどでも……」
でもやっぱり
「よーし! それじゃあ、ダンジョンの先に進もう!」
僕も思わず、右手を高々と上げた。
「おー!」
そして何度か
それは、『
「あの、シオンさん。僕のレベルは上がったんですけど、新しい魔法を覚えてないんですけど?」
するとシオンさんは、
でもレベルが上がったんなら、体力と魔力が上がっているはずよ。モンスターに攻撃されても、そう簡単には
うーん、なるほど。そういえばロールプレイングゲームでも、レベルが上がっても新しい魔法を覚えない時がある。それと同じかな、と僕は
そして次は、直道がステータス・ペーパーを見た。浮かび上がった文字は、『魔法使い レベル7 ファイア アイス サンダー』という文字だった。直道は、
「やった、新しい魔法を覚えたよ! サンダーってきっと、
するとシオンさんは、微笑んだ。
「そう、その通りよ。
シオンさんに期待されていると聞いて、直道は喜んだ。
「はい! 期待しててください!」
それから僕たちは、ダンジョンの中を更に進んだ。そうすると
でも僕たちは、何も言わなかった。言わなくても、分かっている。これから何が起こるのか。そうして
でも、ただの女性じゃないことはすぐに分かった。この女性が現れただけで、僕は寒さを感じたからだ。するとシオンさんは、呟いた。
「やはり、エレメント・モンスターか……。今度は
僕たちの目の前に現れたジョノリは、
速いスピードで飛んできたので、僕たちはそれをよけることができなかった。くっ、これは大ダメージを受けてしまった……。
するとジョノリは再び、右腕を振るった。ヤバイ! 何とかしないと! と思った次の
ファイア! ファイア! ファイア!
すると直道が持っていた
「やるじゃねえか、直道! さすがだぜ!」
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