第五話
それと、もう一つ気づいた。どうして僕は、お姉さんと話ができるのか。トラニバ語っていうの? それを話せるのか。
お姉さんによると、やはり人間がこの
「あ、そういえば自己紹介がまだだったわね。私はエルフの
そう言って右手を差し出してきたので、僕も右手を出して
「僕は、
そして僕は、
「こっちは、
すると直道は
そして僕は直道に、それを渡した。直道は、おそるおそるそれを受け取った。僕も気になっていたがシオンさんも気になっていたんだろう、二人で直道が広げたステータス・ペーパーを
それには、『魔法使い レベル1』という文字が
「やっぱりねー。その服なら、魔法使いだって思ってたわー」
そして魔法使いならレベルが上がると、
「私は、魔法を使えない剣士。でも君たちはレベルが上がると、
うーん、どうやら僕と直道はシオンさんに
「ああ、このダンジョンに
うーん……。シオンさんにはさっき助けてもらったから、そのお
「このダンジョンで、ドラゴン・ロードが
え? ドラゴン・ロード? 名前からしてすごく怖そうだけど、それってどういうモンスターなんだろう? と
ドラゴン・ロードというのは、このあたりのモンスターの
もちろんその
そして
うーん、なるほど。話は
「それは、このダンジョンが大きくないからよ」
え? どういうこと? と思っていると
「それに私は、エルフの里で一番強い剣士なの! だから私一人でダンジョンに入っても大丈夫だろうと、里の長老に頼まれたの!」
なるほど、そういうことか。でも僕には、もう一つ疑問があった。シオンさんが里で一番強い剣士なら、どうして僕たちに
「それはここがまだダンジョンの地下一階なのに、強いモンスターの
なるほど、と僕はまた納得した。そして、思い出した。僕たちを襲ったモンスターは、ゴブリンだったのか。そういえばロールプレイングゲームとかで、見たことがあるな。
でも僕は、やっぱりシオンさんの仕事の手伝う気にはならなかった。なぜなら、僕は今すぐにでも地球に帰りたいと思っていたから。
ふと見ると、直道はやっぱり怯えているようだ。当然だろう、ゴブリンに襲われて怖い目にあったから。そしてそれは、僕の
だから僕には、直道を
「ごめんなさい、シオンさん。せっかく助けてもらったんだけど、僕が本当にしたいのは地球に帰ることなんです。だからシオンさんの、仕事の手伝いはできません。ごめんなさい……」
するとシオンさんは、ちょっと考えた表情で聞いてきた。
「でもね、純貴君。地球に帰る方法を、知ってるの?」
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