第6話 煩悩鹿は焼き焦がす!
そちらへと三人…人?で慌てふためく街を駆け抜けていく。警鐘の音が町中に響き、可能な限り非戦闘員は退避していく。戦闘可能な者は桑や鎌さえ武器としてゴブリンとの戦いへ向かっていく。
これがこの街の自警団というものらしい。かなりの団結力だが、その分指揮系統は機能しずらいだろう。
「見えて来たよぉ~」
ゴブリン、というのは、人間の小さい盤で緑色のやつ……なんかそんな感じの生き物だった。
それはいいんだけどさ。……なんか、うまそうじゃない? え、いやでもあれどう見ても動物だし、緑色だけど草っぽい味しなさそうだし、カエルとか蛇とか食べた事あるけどそんなに美味しく無かったし……。
やっぱり人間の身体になって雑食になったのかな? うーん、まぁなんでもいいや。
「行くよ!」
「ぁあい~」
「キュイ!」
俺たちは他の連中が尻込んで居るのを尻目に、三人だけで突出する。要撃だ。
まずはサナがショートボウで敵の前衛を穿つ。正確な射撃、間違いなくその道のプロであることを感じさせる攻撃だ。
そしてリンゼが盾持ちをバスターソードで吹き飛ばし、開いた横腹をコンバットナイフで切り裂く。
「キュキュ~!!」
俺も負けじと、敵の重装歩兵に頭突きを加えた! ら。
どごーん……。途轍もない爆発が俺の上方、つまり頭突きした先で発生する。目の前に居たはずの重装歩兵に突き刺さる予定だった俺の身体は、焼け焦げた草のクッションにずりずり~っと投げ出された。
……何があったんだ?
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