05 お出かけ日和
「りんって、水族館に行くの好きなんだっけ?」
「好きだよ。泳いでる魚を見るのが楽しくて!
ついつい、同じ魚をずっと見ちゃうんだ」
嬉しそうに、ハキハキと語った。
どうやら、彼女は本当に水族館が好きそうだ。
「じゃあさ、日曜日に水族館一緒に行かない?」
「うん、ありかも。
土曜日学校だし、気分転換になるしいいね。」
沢山の魚達が見れると有名な水族館にきた。
彼女は目を輝かせて、泳いでる魚だけを一直線に見た。
「これはスズメダイだね。
どっかのアニメで見たことない?
特徴的なんだよね〜。」
「あ~、なんだっけ?
魚が喋ってるアニメだよね!小さい頃見てたかも。」
「そうそう、そしてこれがウミウシ!
個人的に結構好きかな〜!」
なんて、彼女はワラワラと話した。
好きなことを楽しそうに語る、彼女は誰よりも可愛くて秀麗だった。
「ねぇ、らん?聞いてる?」
「あ、ごめん。聞いてなかった。」
「も〜魚に夢中になるのは良いけど、
私のことも見てよね。」
「うん、ごめん!」
私は魚に興味はない。
彼女に、魚の話題を言われた時も大して、
何も関心を抱かなかった。
ただ、彼女だけに関心が向いていた。
なんて、恋をしてるように思われるのが恥ずかしくて、彼女には言えなかった。
私が彼女に言ったとき、
私を受け入れてくれるだろうか?
「は〜!楽しかった!
久しぶりにゆる~く水族館行けた!」
「それなら良かったよ〜」
「うん!ありがとね、らん。
また行こうね!」
「そうだね!
ってあ、もう、21時だね」
「時間が経つのは早いな〜!
あのさ、今日、らんの家泊まっていって良いかな?」
「全然良いけど…どうして?」
彼女が私の家に泊まりたい、だなんて言うとは到底思わなかった。
少し期待している自分もいたけど、まさかとは。
心臓がドキドキした。
「親がさ、私抜きで1週間旅行してて。
一人は寂しいから家に帰りたくないなって。」
「そっか。じゃあ、私の家泊まっていってよ!
私もさ、親が旅行してるんだよね。」
「旅行日和だもんね、この季節。」
こうして、私はりんと一緒に私の家に帰った。
「ここ、らんの部屋?広いね!」
「そんなに?広くないけどな〜」
「結構広いよ!
私の部屋の広さなんて、学校の個室のトイレみたいな感じだよ」
「ん〜それ、結構広くない?」
「そうかな?この部屋と比較すると、狭いと思うんだけどな〜!」
私の部屋を褒め倒す人なんて、人生の中でいなかったから、心がぽかぽかした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます