第6話 新たな仲間との出会い

若葉源蔵は異世界での新たな力を感じながら、ゆっくりと立ち上がり周囲を見渡した。彼の背中には大きな翼が生えており、その翼を広げると軽やかに空を飛べることに気づいた。彼はその力を試しながら、近くの村を目指して歩き始めた。


村に近づくと、そこには小さな家々が並び、平和そうな風景が広がっていた。しかし、村人たちの表情には不安が漂っていた。源蔵は村の中心にある広場に向かい、村人たちに話しかけた。


「こんにちは、私は若葉源蔵といいます。ここがどこなのか教えていただけますか?」


村人たちは一瞬驚いた表情を見せたが、やがて一人の老人が前に出てきた。「ここはエルドリアの村です。あなたは見慣れない格好をしているが、一体どこから来たのですか?」


源蔵は自分が元の世界で何が起こったかを簡単に説明し、異世界に転生してきたことを話した。老人は驚きながらも、源蔵の話に耳を傾けた。


「それは大変なことだ。しかし、ここにもあなたの力が必要です。最近、この村はモンスターの襲撃に悩まされています。」


その時、若い女性が急ぎ足で広場に駆け込んできた。「おじいちゃん、またスライムが村に現れたわ!」


源蔵はその言葉を聞くと、すぐに行動を起こした。「私が対処します。皆さんは安全な場所に避難してください。」


村の外れに向かうと、そこには小さなスライムの群れが広がっていた。スライムたちは村の作物を荒らしており、村人たちは恐怖に震えていた。


「行くぞ…!」


源蔵は自身の新たな力を試す時が来たと感じ、翼を広げて空中に飛び上がった。上空からスライムの動きを観察し、一匹一匹を素早く攻撃した。彼の動きは驚異的で、まるで空を舞う鳥のように軽やかだった。


「シュッ!バシンッ!」


スライムたちは次々と倒され、源蔵はそのたびに確信を深めていった。「この力は、ここで人々を守るためにあるのだ。」


村人たちは驚きと喜びの声を上げた。「なんという力だ!彼がいれば、私たちも安心できる。」


スライムを全て倒し終えると、源蔵は村に戻り、村人たちに迎えられた。老人が源蔵に近づき、その手を握った。「ありがとう、若葉源蔵。あなたはこの村の守護者となるべき存在だ。」


源蔵は微笑みながら答えた。「これからも皆さんを守るために力を尽くします。私にできることがあれば、何でも言ってください。」

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