【完結】二刀流の守護神 若葉源蔵

第7話 ゴブリンの襲撃

夕暮れの静寂が村を包み込み、日が沈むとともに村人たちは一日の労働を終えて家路につこうとしていた。若葉源蔵は村の広場で子供たちとサッカーをしており、その笑顔は未来への希望を感じさせた。しかし、その平和な時間は突然、恐怖に染まった。

村の外れから悲鳴が響き渡り、黒い影が動くのが見えた。源蔵の背中の翼が反射的に広がり、彼は子供たちを守るように立ち上がった。

「皆、家の中に入るんだ！」源蔵の声は冷静さを保ちつつも、緊張感を帯びていた。

子供たちを安全な場所に避難させると、源蔵は翼を広げ、空中から村の外れに向かって飛び立った。彼の目に映ったのは、群れを成して押し寄せるゴブリンたちだった。彼らの目には冷酷な光が宿り、村を襲撃する意志がはっきりと読み取れた。

「ゴブリンの群れが…こんなに大勢…」

源蔵は村の中心に戻り、村人たちに緊急事態を伝えた。「皆さん、ゴブリンが村を襲っています！安全な場所に避難してください！」

村人たちは慌てて動き出し、女性や子供たちは安全な場所へと急いだ。源蔵はその間もゴブリンたちの動きを監視し、村を守るための最適な戦略を考えていた。

「このままでは村が壊滅してしまう。ゴブリンを一匹残らず排除しなければ…」

源蔵は腹部の銃を手に取り、その重みを確かめた。彼の目は鋭く、決意に満ちていた。「行くぞ…！」

空中に舞い上がった源蔵は、腹部の銃を構え、ゴブリンたちに向けて弾丸を放ち始めた。銃声が夜の静寂を破り、弾丸は次々とゴブリンたちに命中した。

「バンッ！バンッ！バンッ！」

弾丸がゴブリンたちの群れに突き刺さり、次々と倒れていく様子はまるで壮絶な舞踏のようだった。源蔵は空中からゴブリンたちを観察し、効果的に攻撃を加えていった。

その時、地上ではゴブリンたちが混乱と怒りの中で会話を交わしていた。

「何だ、あの空飛ぶ人間は！？どうやって攻撃してくるんだ？」一匹のゴブリンが叫んだ。

「俺たちの仲間が次々に倒されているぞ！あいつをどうにかしないと！」別のゴブリンが焦りの声を上げた。

「バカヤロウ！怯むな！あいつはたった一人だ。数で押し切れば勝てるはずだ！」リーダー格のゴブリンが怒鳴り、群れをまとめようとする。

「でも、あの銃の威力は半端じゃない！どうやって近づけばいいんだ？」小柄なゴブリンが恐怖に震えながら質問した。

「こっちも策を使うんだ。分散して、奴の視界を混乱させるんだ。何としても近づいて倒せ！」リーダーゴブリンは鋭く指示を出し、ゴブリンたちは指示に従って動き出した。

源蔵はゴブリンたちの動きを空中から見下ろし、彼らが分散して接近を試みているのを察知した。「なるほど、分散して混乱させようという作戦か。だが、そう簡単にはいかない…」

源蔵は高度を下げ、素早く地上に降り立つと、翼を使って素早く移動しながらゴブリンたちを一匹ずつ狙っていった。彼の動きは速く、正確だった。

「シュッ！」

源蔵は一匹のゴブリンの攻撃をかわし、その勢いを利用して別のゴブリンに強烈なパンチを放った。ゴブリンは衝撃で吹き飛ばされ、そのまま地面に倒れ込んだ。

「これで終わりじゃない…！」

次の瞬間、別のゴブリンが後ろから飛びかかってきたが、源蔵は背後の気配を察知し、素早く振り向いてそのゴブリンにキックを見舞った。

「ドンッ！」

ゴブリンは空中で回転しながら地面に落ち、動かなくなった。源蔵は息を整えながら、次々と襲いかかってくるゴブリンたちに立ち向かい続けた。

「皆さん、今だ！反撃を開始してください！」

源蔵の呼びかけに応じて、村人たちも勇気を奮い起こし、武器を手に取ってゴブリンたちに反撃を始めた。彼らは一丸となって戦い、源蔵の援護の下で次々とゴブリンたちを撃退していった。

「バシンッ！ドンッ！」

最後のゴブリンが倒れたとき、村には静寂が戻った。村人たちは勝利の歓声を上げ、源蔵に感謝の言葉を述べた。

「源蔵さん、本当にありがとうございます…！あなたのおかげで村が救われました。」

源蔵は微笑みながら答えた。「皆さんも勇敢に戦いました。これからも一緒にこの村を守りましょう。」