第3話 原作知識

 翌日になった。俺は遠野和真だった。

 夜桜パッドを確認してみても、変わっていなかった。やっぱり、これはレジダンの世界が現実になったものと見て良いだろう。

 俺は最強になる為に早速行動を起こす。


 まず夜桜パッドで探索者協会について調べた。次に探索者協会の近くに専用の図書館があることが分かった。最後にここに行ってみようという結論に至った。


「俺、今から探索者協会に行ってみるわ」




 目の前には大きな建物がある。俺は探索者協会まで到着した。

 探索者協会というのは、探索者を支援、ダンジョンを管理している組織である。


 探索者協会まで来た理由は専用の図書館に入る為だ。図書館に入るのは探索者として登録しなければならない。だから学生証と夜桜パッドを持ってきた。


 探索者協会に入る。中には人が大勢いた。休日ってこともあるんだろうな。

 俺は受付に向かった。受付嬢が俺の対応をしてくれる。


「いらっしゃいませ、本日はどのような用件で来たのでしょうか?」


「実は専用の図書館を利用したくて、探索者登録してくれませんか? これ、学生証と夜桜パッドです」


「分かりました。お借りしますね」


 学生証と夜桜パッドを受け取る受付嬢。学生証を確認した後、夜桜パッドをケーブルに挿した。パソコンを見ており、作業が終わると学生証と夜桜パッドを返してきた。


「探索者登録が完了しました。夜桜パッドを使えば、様々な施設が使えるようになります。貴方が探索者として成長することを心から願っております」


「ありがとうございました」


 俺は夜桜パッドと学生証を仕舞い、受付嬢から離れた。

 これで図書館が使用出来る。俺は図書館へと移動した。


 図書館へと到着する。出入り口にはゲートがあった。俺はゲートに近付いて、夜桜パッドを置く。すると道が開いた。そのまま道を進んでいき、図書館へと入った。


 広いな。流石専用の図書館なだけある。だけど人の数は少ないな。あくまでメインはダンジョンだからか。

 さてと、早速調べ物を開始しよう。俺のレジダンの知識、原作知識と何処まで同じなのか確かめる必要がある。


 俺は図書館で本をかき集めた。それを読んで原作知識と比べ合う。


「うーん……」


 調べた結果に俺はなんと言って良いか分からなくなった。


 ジョブについて調べたが、情報が伏せられていた。上級ジョブや中級ジョブの一部の情報が載っていなかった。DLC、ダウンロードコンテンツで追加されたジョブなんかは形跡すら無かった。

 上級ジョブなら分からなくないが、中級ジョブまで伏せられているとは。まるで初期のレジダンみたいだ。


「あっ」


 時間を見れば昼食の時間帯であった。一旦調べ物はここまでにしよう。




 食堂で昼食を食べた俺は調べ物を再開する。次はスキルについて調べた。結果は――


「これ、大丈夫かな」


 ジョブと同じであった。ジョブの情報が伏せられているから当たり前か。


 これではっきりしたことといえば、俺の原作知識がかなり危ないものと分かった。ジョブやスキルの情報を握っている。DLCの情報もやばいか。

 もっと発展していれば良かったのに。


「仕方ないか……」


 取り合えず、原作知識はなるべく言わないようにしよう。スキルやジョブについては周りに知られないようにしないと。俺には、大切な家族がいるんだから。


「最後にこれでも読むか」


 俺は剣術の本を手に取って読む。俺が使っていた武器が剣だったから、つい知りたくなったのだ。


 剣術の本を読み終わった。


「もう、こんな時間か」


 窓から夕陽の光が差し込む。いつの間にか時間が過ぎていたらしい。


 俺は本を元に戻して図書館を出る。家に帰っていくのだった。

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