第13話:一日千秋の思い。

那月にひとりエッチが見たいなんて言ったせいで那月んちを追い出された拓人。

ほとぼりが覚めたら、またひとりエッチしてるとこを見せてもらおうと

企んでいた。

あの強気な先輩が俺の前で女になる・・・これは絶対見逃せないって思った。


そんなことがあっても拓人と那月は何事もなかったように仲良く学校で出かけて

いた。

それがカップルってものかもしれない。

多少の言い合いやいざこざがあっても次の朝にはなにもなかったように普通に戻って

いる、それはノ〜天気なふたりだからかもしれない。

まあ、那月の性格からして、些細なことは気にしない、嫌なことはきれいさっぱり

忘れる。

いい性格をしている。


そして今日も昼休み拓人は那月のところにいた。


「先輩、生理になってからもう一週間経ちましたよ」


「そうだな・・・終わったな・・・だったらなに?」


「なにって・・・生理が終わったら、エッチさせてやるって言ったじゃない

ですか?」

「俺は一日千秋の思いで待ってたんですから・・・」


「そうだったか?・・・いちいち大袈裟なんだよ、おまえは」


「女子は一度言ったことは守らないとですよ、先輩」


「しゃ〜ね〜な・・・まあ、いつかはって思ってたらからいいけどな」


「けど、ひとつ問題・・・普段の日は家に母ちゃんがいるし」

「そのままなら私の部屋で鍵かけてこっそりってのもあるけど」

「私、エッチするならシャワーくらいしたいし・・・臭いの嫌だからな」


「夕方風呂に入ってたら、絶対母ちゃんが今頃風呂なんか入って、なんで?

って聞かれるだろ?」

「じゃ〜私に家じゃエッチできないんだよな」


「そんなの俺んちでやりゃいいんですよ」

「うちの母ちゃんパートに出てるから、普段は朝の8時から夕方の4時くらいまで

働いてるしシフト制だから土日も出勤する時あるんで、そのスキ狙えば

できますよエッチ」


「母親が必死で働いてるのに、バカ息子は女とエッチいとやって、それでいい

のかそれで・・・拓」


「若者には若者の人生ってものがあるんですよ先輩」

「愛を育むためです・・・母ちゃんのことなんか考えてたら前に進めない

じゃないですか?」


「おまえは、なんとしても私とエッチしたいんだな」


「とりあえず一度は終着駅に降りないとです」


「分かった・・・おまえの執念には脱帽」


「拓の母ちゃんのシフト確認しとけ・・・決戦はその日に決まりだ」


「分かりました・・・・俺ゴム買っときます・・・万が一ヒットして先輩が

妊娠したら困るので・・・」


「はあ、そのへんちゃんと考えてんだ、偉いじゃん拓」


「先輩の腹がデカくなってるのなんか見たくないですから」

「だいいち先輩はそんなキャラじゃないし・・・」


「私はどう言うキャラなんだよ、私だって女だよ・・・将来は子供だって欲しいわ」


「つうか俺は先輩には綺麗なままでいて欲しんです」

「それに俺たちまだ高校生じゃないすか?」

「子供なんか産まれたって養っていけませんよ・・・」

「そのために俺、高校やめて働いて苦労するのなんて嫌ですからね」


つづく。


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