第8話:とりあえず順風。

那月なつき拓人たくとからデッカいフランクフルトを見せられて、エッチの真似事は

未遂に終わったけど、ふたりはなにも変わることなく付き合っていた。


まあ、そのくらいでは別れたりはしない。

だから登校時と下校時はふたり、手なんかつないで仲良く通っていた。

那月はそう言うことは嫌がるかと拓人は思ったが、そんなことにこだわる

ような那月じゃなかった。

なんせ世間体を気にしないタイプだから、思ったことは言う、したいと思った

ことはする、そう女だから・・・。


拓人が手をつなぎたがらなかったら、それはそれでよかったし、那月は自分から

無理に繋ごうとはしい・・・そういうのは拓人まかせ。


少なからず拓人のほうは那月と恋愛ごっこがしたかった。


で、その日の昼休み。

拓人はクラスのやつらのことなんか気にもせず那月のクラスに来ていた。


っ言うか誰も、ふたりの関係に口出しするやつなんかいない訳で、みんな

那月が、まじ怖かったし、この凸凹カップルの行く末がどうなるか高みの

見物だった。


「あのさ・・・今後のことですけど無理して女らしくしなくていいですからね」


「でもな〜・・・」


「でもじゃなくて、俺は、なにも飾らない那月が好きなんですから」

「急にいい子ぶられると調子狂うし、気持ち悪いですから」


「頑張って汚い言葉しゃべらないようにしようかと思ったのに」


「そんな努力はいいです・・・いつもの先輩でいてくれていいですから」

「もう先輩の悪口雑言に慣れちゃって・・・そっちのほうが俺には

心地いいんんです」


「んじゃ、今まで通り」

「気なんか使っちゃってバカみたい・・・そんなもんなの?・・・拓人は

やっぱりMなんだ・・・」

「ふ〜ん、じゃヒールで踏まれたり、ムチでしばかれたりしたら、おしっこ

チビっちゃうタイプなんだ・・・」


「残念でした・・・俺はそういうんじゃなくて、どうしようもない女を

いじめるほうが好きなんです」

「尻をビシバシし叩いてさ、折檻して「ごめんなさい」って言わせたいんです」

「そう言うのをスパンキングって言うんですよ先輩」


「わ〜どヘンタイ・・・てっきりMかと思ったら超どSじゃん」

「・・・って、どうしようもない女ってもしかして私のことか?」


「今のところ、そんなことできる女は先輩だぇですから」

「イヤですか?尻叩かれるの?」


「ん〜以外とイヤじゃないかもな・・・気持ちよさそうだし、って何言わせんだよ」

「MなんだかSなんだかよく分かんないな」


「俺は欲張りだから、両方の性癖持ってるんです」

「先輩に罵られても快感だし、先輩を思い通りにするってのも快感なんです」


「私もどっちもゾクゾクする」

「だけどあんま、変態なことしたら恋人関係解消するからな」


「え〜そんな〜・・・先輩・・・「えっちゃん」のたこ焼きオゴりますから」

「恋人関係維持でお願いします」


「じゃ〜ソフトクリームもつけろよ」


つづく。


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