第4話:拓人の告白。

「じゃ〜今言います」

「言いますよ・・・いいですか?」

「あのですね・・・あの・・・俺、俺ですけどね・・・実は先輩のことが好き

なんです」


「うん・・・知ってる」


「え?知ってるんですか?」


「おまえの私の対する態度見てたら、私がもし猿だったとしても分かるわ」


「俺ってそんなに分かりやすいキャラしてます?」


「うん、感情ダダ漏れだな」

「私を見る時、おまえの瞳がハートマークになってるぞ、拓」


「え?まじで?」

「じゃ〜話が早いです・・・先輩、お願いします、正式に俺の彼女になって

ください」

「ずっと前からそう思ってました・・・5年越しです」


「今更?彼女?・・・私が?・・・拓の?・・・照れ臭〜」

「彼女ってことは・・・恋人ってことに等しいだろ?」


「はい、お願いします・・・どこかでケジメつけないと・・・俺、欲求不満で

死んじゃいます」


「まあ、いいけど・・・私も拓のこと嫌いじゃないし・・・」

「じゃ〜こうしよう」

「私と勝負しておまえが私に勝ったら、おまえの彼女になってやるよ・・・


「ついでに先輩の今履いてる生パンツもつけてくれませんか?」


「生パンツ?・・・おまえパンツフェチか?」


「そうです、許容範囲ヒロインです、俺」

「だから、もらえませんか?生パンツ」


「いいよ、私に勝ったらな」


「言いましたね・・・撤回なしですよ」

「洗ったりしないでくださいよ、脱いだホカホカのやつ持って帰りますよ」


「私と付き合うってほうじゃなくてそっちメインでに食いつくんかい・・・

このスケベが・・・」

「その代わり、おまえが負けたら・・・完全永久に絶交な・・・半径三メートル

以内に私に近づかないこと、いい?」

「あ、あとW往復ビンタつきで・・・」


「往復ビンタか・・・って言うか、完全永久に絶交ってなんですか?」

「それって俺に死ねって言ってるのと同じじゃないですか?」

「勝負に負けた時点で俺、絶対髪の毛真っ白になりますよ」


「ほんとに大袈裟・・・拓・・・からかうと面白いんだから」


「え〜もう、どこまでが本当なんですか?」

「つうか、どうしても勝負しなきゃいけないんですか?」

「俺、勝負事弱いんですよね・・・宝くじなんか一度も当たったこと

ないし・・・」


「あ〜分かるわ・・・おまえギャンブルダメそうだもんな」


「イヤなら無理に勝負しなくてもいいけど・・・それだったら現状維持だな」

「私が拓の彼女にって話は保留」

「男なら、己の人生かけるくらいの度胸持ってないと社会に出て生き抜け

ないぞ、拓」


「私に買ったら、生パンツ!!・・・染み付き」


「俺、頑張ります!!」


「やっぱりやめようかな・・・勝負なんて」


「え〜せっかくやる気になったのに?」


「ん〜ま、いいわ、言い出しっぺは私だもんな」


「勝負たって難しいですよ・・・お互いハンデなしできるようなゲームとか

じゃないと・・・」


「肉体使うの面倒だしな」

「やっぱりゲームがいいのか?」


「トランプとかどうでしょう?・・・」


「陰気くせ〜」


「将棋や囲碁なんて俺知りませんし・・・」


「なんで、おまえはじじいみたいなこと言うんだよ」


「わざわざ、これのためにゲーム買いに行くのもったいないですしね」

「あ、俺んちにオセロならありますけど・・・」


「オセロなんて絶対、私のほうが不利に決まってるだろ?」

「おまえんちにオセロがあるって時点で私の負けが見えてんじゃん」


「さすが先輩、すばらしい洞察力・・・引っかかりませんね」


「そう言う対戦型はダメだよ」


「なら、海賊ゲームとかなら?」

「樽に剣をブスブス指して行って海賊のおっさんが飛び出したら負けってやつ」


「おう、それなら運だけだもんな」


ってことで拓人は早速、那月と一緒に家に帰って「海賊ゲーム」を持ってまた

那月の家にお邪魔した・・・なんせ隣だし。


那月が拓人の彼女になってくれるかどうかは一本のおもちゃの剣にかかっていた。

あ、那月の生パンツも・・・。


つづく。

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