第3話:那月の噂。

で、学校の帰り拓人たくと那月なつきはタコ焼き屋「えっちゃん」にいた。

タコ星人たこ焼き (10タコ星人) 650円を注文して、焼きあがると

拓人は那月とふりっきりになりたくて店の外のベンチに那月を連れて行った。


拓人は那月より背が少し高い・・・拓人は身長168センチ、那月は165センチ。

那月はスタイルも抜群、でもって制服姿がめちゃ可愛い。

足が長いから必然的にスカートが短く見える。


そのまま駅のホームになんか立ってたらそりゃもうバエるって・・・写真集

出したら絶対完売間違いなしだし、即増版だよな・・・って拓人は勝手に

思っていた。


「で?なに私に用って・・・」


「はあ・・・それなんですけど・・・いざとなると、めちゃ言いにくいし

聞きにくいな」


「そう、じゃ〜たこ焼き食ったら帰るか?」


「いや、いや、いや、いや・・・たこ焼きのタダ食いで帰られたら俺の目的が

達成されないんです・・・せめて先輩のたこ焼きぶんは取り返さないと」


「なんだよ?大袈裟なやつだな・・・」


「じゃまず、ひとつ目・・・」

「先輩・・・先輩の噂、流れてるの知ってます?」


「噂って・・・ああ・・私に頼めばエッチの練習させてくれるってやつか?」


「あ、知ってたんですか?」


「あんなアホなデマ、耳に入ってこないはずないだろ?」


「え?デマなんですか?」


「デマに決まってるだろ、私は誰ともエッチの練習なんかしてないし、

頼まれたこともないね」


「そうなんですね・・・ちょっと安心、ちょっと残念?かも」


「なに言ってんの?・・・なにが安心で、なにが残念って?」


「先輩が誰とも・・・そのエッチしてなかったことは俺にとっては喜ばしい

ことです」

「だから安心したし、そんな女じゃないってことが分かってホッとしたって

いうか・・・いや信じてましたよ・・先輩がそんなことする訳ないって・・・」


「どこかのバカが妬みか嫌がらせで流したデマだろ・・・」


「先輩、敵多いですからね」


「うるさい!!」

「ふん、身に覚えのないことなら人の言うことなんか気にしないで堂々と

してたらいいんだよ・・・へんに言い訳なんかするから余計疑われえるんだよ」


「んで?・・・残念ってほうはなに?」

「いや・・・そのう〜怒らないで聞いて欲しいんですけど・・・」

「もし、先輩がエッチの練習させてくれるってのがデマじゃなくて本当の話

だったら俺も便乗しようかな〜って思って・・・」


「・・・・・・・も一回言ってみ?」


「あ、冗談です・・・ちょっと言ってみただけです」


「冗談じゃないんだろ?・・・本気でそう思ってるだろ?」

「信じてないじゃないかよ、私のこと・・・だからそんなこと思うんだろ?」


「・・・・・・」


「すいません・・・忘れてください・・・言っちゃったあとでめっちゃ自己嫌悪

です、俺、仮にも俺の先輩になんてこと言っちゃったんだろう・・・冗談とはいえ・・・だから今言ったこと全面撤回します」


「俺の先輩ってなに?」


「いや、実はそのことにまつわる話を本当はしたかったんです」

「こっちのほうがメインなんです・・・だけど、もういいです・・・きっと

ダメだって思うので・・・」


「しゃべる前に諦めるのか?・・・絶対、後悔するぞ、拓」

「もうなに、うじうじしてんだよ・・・金玉ついてんだろ?」

「そうなんですけど、たまに金玉が重く感じる時があるんです・・・今ですけどね」

「玉がない先輩がうらやましいです」


「あのな今、言いたいこと言わないと後で聞いてくださいって言っても聞かない

からな」


「じゃ〜今言います」

「言いますよ・・・いいですか?」

「あのですね・・・あの・・・俺、俺ですけどね・・・実は先輩のことが好き

なんです」


つづく。

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