第7話 僕の名は… 指名なんだ
「堀ちゃんさ…ということなんだよ…」
上司であるシステム室の室長に会議室へ密かに呼ばれる…
だいたいにしていいことはない…
「熊木さんの退職と僕というか堀の仕事はあまり関係ないと思いますが…」
なんか事情がよく理解できなかった…
ざっとの説明が "ざっと" 過ぎて…
「うん…役員…社長からの指令というかお願いでね…」
上司は困った様子もなくとめどなく僕にお話をしてくれている。
「熊木さんさ…アパレル事業部のほぼすべての事務をやっていたじゃないか…」
「はぁ…」
知っている…熊木さん…非常に頭のいい人だ。
太った男性で元はベビー事業部のエースだった。
仙台支部の部長をやったときからなにかに目覚めたらしく…
温泉からグルメからそうゆうことに注力して、あまり上を目指さなくなってしまったと聞いている。
なんか東北を廻ると…お客さんは点々としているし、車で移動だし単身赴任だし…温泉とグルメに非常に詳しくなるらしい。
人が変わるとも言われている。
でもかなり優秀なのでアパレル事業部、そして分社したときにはほぼすべての事務作業を任されていた。
いっしょに数度飲んだこともあった。
そんな熊木さん…突然退職してしまった。
上司との軋轢が主な原因らしいけれど…
事務作業、そしてシステムもいきなりとまってしまったそうだ。
「それでさ…堀ちゃんを指名なんだ…」
うれしい指名じゃないな。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます