第8話 僕の名は…  ジーンズのままで

「期間は未定だけど…おそらく数か月…アパレル事業部でシステムと事務の整備、つまり立て直ししてきて欲しいんだ…」


「あの…僕も会社員ですし、体育会系ですから命令には絶対です…ですが…メインの販売物流のシステムメンテと開発はどうしますか…? 」


「ああ…しばらく無理だな…動かすだけで精一杯だろうな…」

 だと思ったけれど。


「平行にお願いしたいが…まあこちらはなんとかごまかすよ、最優先はアパレルだな…」


 入社してから異動もなくずっと埼玉のシステム室だったので本社勤務の経験はない。


「本社に通うのですよね…スーツですかね…」


「いや、いいらしいそのままで…」

「ジーンズのままで…? 」


「うん…大丈夫、話しつけてある…」

 こうゆうのを頼もしいというのかなんなのか…


 僕は本社にジーンズで通うことになった。

 いいのか悪いのか…


「あ…そうだ…堀ちゃん…」

「はぁ…」


 会議室を出ようとしたら声をかけられた。

 何かを思い出したらしい。


「CAD(キャド、Computer Aided Design、コンピューターによる製図や設計の支援システム)入れるらしいので、それも手伝ってというか入れてあげて…」


「はぁ…わかりました…」

 わかりました…

 本当に数か月メインシステムの更新と堀の不在ということがわかりました。

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