第5話 大阪…名古屋… 中編(これです…)
ふと倉本さんと目が合いました。
「堀ちゃん…ちょっと…」
呼ばれます。
営業実績の新しい表でも頼みたいのかもしれません。
「はい! 」
僕は返事をして自分の席を立ちお二人がお話しているデスクに小走りで向いました。
販売部のヘッド二人に粗相があってはいけませんので…
「堀ちゃんはヨット部だったよな…こっちはどうかな…」
「こっちですか…? 」
村田さん、倉本さんの間には販売部の実績表と…
それと…
新聞が置いてあり
さらに小さい紙がありました。
「堀ちゃん…福岡と横浜…
どっちがいいと思う…? 」
「横浜…? 」
横浜には営業所はないが…
「俺は福岡に分があると思うんだ…」
倉本さんが言いました。
「いや…倉本…ここは横浜だろ…」
村田さんが返します。
「堀ちゃんどう思う…」
「あの…」
「オウ…どうよ堀ちゃんの考えは…」
「北海道だ…広島だ…名古屋だ…大阪だ…ってお話が聞こえたので…」
「うん…」
「大変だな…売り上げのお話をされているんだ…
打ち合わせのあとにすぐに…しんどい仕事だな…と…」
「うん…うん」
「思っていたのです…」
「うん…そうだな…」
「リスペクトでした」
「そうか…ありがとう…」
「なんですか…これ…」
「うん…? 」
「これです…」
僕は小さい紙片を指して言いました。
数枚どころか束になっていました。
「これがどうした…? 」
倉本さんと村田さんはニコニコしています。
「どうしたって…これって…」
「うん…」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます