第10話 朝帰り
深夜まで、遊んで、時刻は、
夜中の、1時過ぎ。流石に、
少し疲れた様な気がする。
家の側までは、
戻って来れた。。
あかりは、
少し遠くを見てる様な、
顔をしている。。。
少し、儚げな顔を。。
「あかり、初めてだね、
こんなに遊んだのは。。。
これからどうする?」
「ずっと、こうしていたい。
春人と、普通の恋人見たいにね。
何だか。。
私、一度でいいから、
こう言う風に、春人と、
普通に、
過ごしたかったんだぁ。こう言うの。。夢だった。」
「悪霊退治の、任務が、
無い時は、また、遊びに、
行こうよ。。」
「うん。でも、後何回、
行けるのかな。。
ずっとじゃないから。。
春人の、記憶の事。。
ずっとは、隠せないよ。。」
「そうだね。確かに。」
「春人、今日、
最後のお願いが、あるの、
二人の時間が、あるうちに、
私と、結婚しない?」
少し前の、彼女の顔とは、
違い。切実な表情。
きっと、あかりは、
それを、ずっと望んでいた。
一度は、諦めたのかも、
知れない。この仕事を、
している限り、
次なんて、先延ばしが、
通用しない事を、俺も
知っている。。
「あかり。一度、家に、
戻っていいか?」
俺に、着いて来て欲しい。
「え。うん。いいよ。」
二人で、家に戻ると、俺は、
靴箱に隠してあった、
小さな袋を取り出して、
後ろにいる、あかりに、
手渡す。
「あかり。
これを受け取ってくれるか?
一年前に、渡そうと、
思っていたんだけど。」
「え。」
あかりは、袋を開けて、
その中の、四角い箱を、
手に取り、震える。。
「春人、これって。。」
「一年越しになったけど、
あかり、俺と結婚しないか?
俺が、死ぬまで、お前を、
守ると、誓うよ。」
「あかりは、その場で、
泣き崩れてしまった。」
あかりを、抱き締めて、
「ずっと、側に。
隣にいるから。
泣かないでくれ。。
あかり、愛してるよ。」
「ぐすっ。。うう。
だって。春人ぉ。。」
「一年前の、決戦の前に、
渡そうと、準備していた、
指輪だよ。あの時は、
緊急要請で、出ていて、
渡しそびれてしまった。」
「そう。。だったの?
私、春人が、記憶。。
無くなった時、本当は、
諦めてたのに。でも、
諦めきれなくて。。
ううっ。春人は。。
指輪まで。。結婚も、
考えてくれてたのに。。」
「細かい事は、
気にしちゃいけない。
あかりが、言ってたよな。
だから、返事を、聞かせて
欲しい。」
「私。春人と、結婚する。。
お嫁さんになる。。」
「ほら、そんなに泣くな。
手をだして。」
「うん。」
俺は、指輪を、あかりの、
薬指にはめると、
ぐしゃぐしゃに、泣いてる、
あかりに、キスをした。
あかりが、落ち着くまで、
ずっと、ずっと、
抱き締めた。。
そして、どれだけ、
彼女を、孤独で、不安に、
させたかを想い知った。
暫くすると、あかりが、
ふうっと、息を吐いて、
「ごめん。嬉しいのに、
いっぱい、泣いちゃった。」
そう言って、指輪を、
触りながら、
「これで、私、春人
だけの物だね。。。
春人、愛してる。。」
「俺も、愛してるよ。」
あかりは、少しモジモジ
として、
「春人。お願い、
抱いて欲しい。。」
「俺も、抱きたい。
抱かせてくれ。。」
そのまま、俺と、あかりは、
お互いを、確かめるように、
明るくなるまで、
抱き合った。。。
「春人、起きてる?」
「起きてるよ、あかり。」
俺は、あかりを、抱き寄せて
髪を撫でながら、
「少し眠ろう。それでさ、
起きたら、二人で、
また、遊びに行こうよ。」
「うん。そうしよ。」
あかりの微笑む顔を
見ていると、安心して、
俺は。眠りについた。。
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