第9話 水族館
水族館には、電車を乗り継ぎ
、ながら移動した。
その為、門限が、18時
だと、中々行ける場所では、
無かった場所だ。。
あかりと、腕を組んで、
電車に揺られる。。
悪霊退治と言う、仕事。
あの、修行の毎日だと、
こんな事は、望めなかった。
あかりも、今、俺の横で、
幸せそうに見える。。
「もうすぐだよ。春人。」
嬉しそうに、微笑む。
「そうだね、もうすぐ。」
そう言って頷く。
電車が、駅に到着すると、
二人で、足早に、水族館
に向けて歩き出した。
「春人、早くこっちだよ!」
「わかってる、ちょっと
待って!」
人混みを掻き分けて、進む。
駅を出て、少し歩けば、
水族館だ。。。
ふぅっと、一息付く。。
「嬉しいな、水族館。
春人と、来れないと、
諦めてた。。。」
実際に、二人で来れた。
もうそれだけで、感極まり、
水族館の前で、泣き出して
しまった、あかり。。
水族館前の、ベンチに座り、
あかりの、肩を抱いて、
落ち着くのを待つ。。
「うん。もう大丈夫。
行こ、春人。」
気丈に振る舞っているが、
俺は、改めて、あかりが、
無理をして来た事を、
想い知らされる。。。
「よし、行こうぜ。」
あかりの、手を引き、
チケットに、はんこを、
押して貰い、入場する。。
ゲートをくぐると、大量の、
魚が、ライトに照らされて、
幻想的な、空間を、
作っていた。。
「わぁ、綺麗。。」
目を、輝かせている、
あかりの、手を握り、
二人で、魚の幻想的な、
ショーを見て歩く。。
「春人、サメ大きいよ!」
子供みたいに、はしゃぐ、
あかり。。。
それを見ていて、俺は、
自分が、やらないといけない
事が、見えてきた。。。
悪霊退治、それを、
遂行するのも、大切だが、
その歴史は、古い。
何百年と、悪霊と、
戦ってきた歴史。。。
後、どのくらい続くのか?
そう考えた時に、
悪霊退治と言う、組織からの
脱出も、視野にいれた方が、
良いと言う願望。
捕まれば、記憶を消される。
しかし、あかりの、
タイムゲートは、
組織で、トップクラス。
この時代じゃない所に、
逃げれば、追って来れない、
そうすれば、可能なのでは?
リスクは、大きい。
しかも、知り合いも、
いない場所だ。。。
果たして、それが幸せ?
なのだろうか。。。
「春人、何、ボーッと、
してるのよ。」
「いやぁ、魚が綺麗で、
見とれてただけだよ。」
「それなら、良いけど。」
水族館も、
終盤に差し掛かり、
ライトに照らされた、
海月が、ふわふわと、
綺麗に、漂っていた。。
「いいなぁ、海月は。」
「どうして?」
「気持ち良さそうに、
浮いてられて。。私達は、
ただ、浮いてるだけって、
許されないから。。。
無い物ねだりだね。」
「そうか、そうだね。」
あかりは、現実を、
受け止めている。。。
その上で、
俺の今日の考えは、
慎重に、考えて行かないと、
いけない事なんだと思う。。
「水族館、凄く、
楽しかったね。」
「また、来ようよ。
あかり。」
「約束だよ。」
「わかった。」
水族館の、お土産売場で、
あかりに、海月の小さい、
ぬいぐるみを、
買ってあげた。。
「春人、ありがとう、
大切にするね。」
あかりは、嬉しそうに、
眺めると、ポシェットに、
しまった。
嬉しそうにしている、
あかりと、手を握り直して、
水族館を、後にした。。。
「さぁ、
次は何処に行こうか?」
「それじゃあ、お買い物。
春人と、色々見に行きたい。
洋服とか。」
「わかった。何時まででも、
付き合うよ。」
はしゃぐ、あかりの、
手を引いて、
電車が無くなるまで、
初めて、二人で、
深夜まで、遊んだ。。。
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