第7話 思い出
暖かい。。。
目を覚ますと、隣には、あかりが、手を握ったまま、眠っている。。
病院みたいな、場所だった。
椅子に座ったまま、手を握ったまま、寝ているあかり。。
目元には、涙の跡。
「また、泣かせてしまったな。」
そう、呟いた。
頭を触ると、怪我は、跡形もなく、治っていた。。。
俺は、元々、悪霊退治の家系に、生まれた。。
その中でも、世界クラスの、能力者だった。何故、会社員などを、やっていたかと言うと、
俺が、強力な悪霊に、取り込まれ、その、悪霊を、俺から引き剥がすためには、悪霊との記憶事、俺から、消去しなければ、ならなかったから、だった。
その時、俺を抑えてくれたのが、世界ランクの実力者、仲間の辰巳。真弓。他の支部から来た、能力者数十人で、結界をはり、あかりの、特殊能力で、強力な悪霊を、異次元に飛ばし、
俺を救ってくれたのだ。
その後の記憶は、俺にとって
空白なので、わからないが、
一年間、俺を見守ってくれた、あかりは、俺の想像のつかない程、苦労をかけた事だろう。
前回の時は、コンビニでは無く
会社員として、組織に入っていたのだが、コンビニと言う事は、その方が、組織にとって、都合がよかったのだろう。
しかし、疑問が残る。悪霊退治の仕事に、何故すぐに引き戻さなかったのか?
あかりが、他人のふりをして、
俺の所に来た意味は、なんだ?
周りの仲間が、知らないふりを、したのは、何故か?
俺の、代々悪霊退治を、生業とした、実家は、どうしたのか?
色々疑問が残る。
まぁ、おいおい調べていくか。。焦っても仕方が無い事だ。。
「春人ぉ。」
あかりが、目を覚ますと、俺に抱きついた。。
俺は、あかりに、小さな声で、
話しかけた。。
「あかり、このままで、聴いてくれ。。。
俺は、記憶が戻った。」
すると、あかりの、体が、ビクンと、揺れた。
「先輩、どう言うことですか?」
俺は、答えた。
「お前と付き合っていた事や、
俺が長年、この世界に関わりのある人間だった、記憶を、取り戻したと、言う事だよ。。
あかり、今の現状の、俺の立ち位置を、教えて欲しい。。」
あかりは、こう言った。。。
「あなたに、取り憑いた悪霊は、余りにも強力だったから、その為に、あなたは、常に監視されているの。」
なるほど、やっと理解した。
つまりは、悪霊が、本当に、
引き剥がせたか、監視する為に、俺を組織から、離して、監視をしていたと言う事だと。
「なるほど、わかった。それで、あかりが、俺に近付いたのは、監視の為でもあると。」
「うん。だけど、他の人が、候補に上がった時、私が、無理を言って替えてもらった。どんな結果でも、春人の、側に居たかったから。」
「迷惑かけたな。あかり。。。
それで、今後、どう立ち回れば良いんだ。記憶が、戻った話は、言っていいのか、悪いのか。現状を、良くわかってない、俺が、軽率に動く訳には、いかないから。」
「取り合えず、様子を見て、真弓と、辰巳の二人には、相談してみる。それまでは、私以外には、黙っていて。」
「わかった。」
話が付くと、あかりが、医者を呼んで、検査を受けてから、
帰宅する事になった。。
気を失ってから、3日後の、
18時丁度。
自宅に到着した。。
俺と、あかりは、昔の事を、
色々話ながら、晩御飯の支度をする。。
「なぁ、この一年間、俺の実家は、どうなっているんだ?」
「それは。。春人の、両親は、
今回の事では、組織の決定に、
従って、沈黙しているよ。」
「そうか。なるほど、悪霊が、付いてるかも知れない、息子を、庇う可能性が、一番大きいもんな。」
「春人、ごめん。私も、100%
信用出来るかと、言われても、
上手く答えられないの。だから、確かめさせて。。最終的には、私が、春人の中に、精神体になって、見に行くしかない。でも、少しでも、悪霊が、残っていたら、私は、確実に精神を破壊されて、死んでしまう。」
「ちょっと待て。それは。。困る。
いや、待てよ。良い考えがある。あかりが、精神体で、入る前に、俺は、自分の身体を、
この刀で、切る。もし、悪霊が、残っていても、それを、切れるはずだ。」
「流石、春人。そうだね。あなたのその、能力は、世界ランクトップだからね。」
思いたったら、なんとやらだ、
俺は、刀を構え、能力を解放して、構える。刀身から、凄まじい量のオーラが出て、光を纏う。
「本来なら、この時点で、取り憑いてる悪霊なんて、消し飛ぶが、念には念をだな。」
刀を頭の先に、当てると、一直線に、自分を、一刀両断した。
「ううっ。気持ち悪い。」
暖かい物で、内臓を撫でられてる様な感覚。流石に、これは、経験が、ない。
「春人、大丈夫?」
「ああ、大丈夫だよ。ただ、内臓を、撫でられてる見たいで、本当に、気持ち悪い。」
「よかったぁ。」
「じゃあ、ご飯の前に、春人の中、見ていい?」
「うん。頼む。あかりには、疑われたくないからな。」
「じゃあ、シャワー浴びて来て、春人が、出たら、私もすぐに入るから。」
「身体を清めるって意味なのか?」
「それは、後で話す。。」
「わかった。」
俺は、シャワーを浴びて、あかりを、待つ。。。
「お待たせ。。」
あかりは、バスタオル一枚の、格好で、俺の前に立っている。
「お待たせって、何で裸?」
「春人も、脱いで。。恥ずかしいから、布団に、入ってるね。」
俺も、服を脱いで、布団に入る。
「春人、精神体になって、身体に入るには、極限まで、肌を重ねながら、口から、入らないといけないの。だから、他の候補者じゃ、どうしても嫌だった。。」
「そうだったのか、それは。。俺も知らなかった。」
「春人、準備は、いい?」
「ああ、お願いするよ。」
あかりが、俺の上に乗り、
唇を重ねる。。
あかりの、身体が脱力して、そのまま、動かなくなった。。
どのくらいの時間だろう。。
5分?10分だろうか、
あかりの、身体が、ぴくんと、
動くと。。。
「春人ただいま。」
「おかえり、あかり。」
あかりは、悪霊の気配が無い事を、確認して、安心したのか、
大粒の涙が、ポロポロと、俺の顔に、落ちてくる。
「あかり、苦労をかけたね。」
「ずっと不安だった。」
「悪かった。」
「春人が、悪い訳じゃない。」
「どんな理由でも、あかりに、
迷惑をかけた。。。そして、俺は、あかりを、不安にしてた。俺は、この仕事を、お前と組んだときに、絶対お前を守るって、約束したのに。先に、リタイアした。だから、ごめん。」
「守ってくれたよ。あの悪霊に、取り憑かれたのだって、私を守ったからじゃない。春人が、春人じゃなくなっても、
私は、生きててくれれば、それで、良かった。。でも、また、戻って来てくれた。だから、
もう、謝らないで。謝るくらいなら、また、守ってよ。私の、側にいて、また、守ってよ。」
そう言って、あかりは、嗚咽を漏らして、泣いた。。。
「わかってる。大丈夫。俺は、お前の側にいて、今度こそ死ぬまで、お前を、守るよ。。」
そう言うと、あかりが、泣き止むまで、あかりを、抱き締めた。。。
「ぐうっ。」
俺の腹が泣いた。。。
「ふふっ。」
「すまん。。」
「春人、ご飯食べよ。3日間、何も食べてないんだから。」
あかりは、、両手で、涙を拭うと、さっと、服を着て、ご飯の支度をしてくれた。
「やっぱり、あかりのご飯は、いつ食べても、美味しいな。」
「うん。」
また、あかりの目には、涙がたまっている。
俺は、そっとあかりを、抱き締めた。。。
あかりの、心が落ち着くまで。。。
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