第6話 タイムゲート

ここは、何処なんだ。。。

あかりと、ゲートを越えて、

行った場所は、見覚えの全くない、場所だった。


「あかり、ここは。。」


「先輩、私の受け取った、情報だと、現在から、50年前の、時間らしいです。」


「50年前。。。結構昔まで、きたんだなぁ。。そう言えば、

あかりの、その能力、誰でも使える訳じゃないんだよな。」


「そうですよ。先輩。私の能力タイムゲートは、組織からの、

念写を、私が受け取り、その場所に、移動する能力なのですが、組織でも、1、2を争う程の、時空を飛べる力を持っています。組織内にも、100人位しか、居ない能力なんですよ。」


「そうだったのか、しかし、前回は、一度、白い部屋に行ってから、目的地に飛んだ様な、気

がしたんだが。今回は、直接だったよな。何でだ?」


「それはですね、前回は、まだ、あのコンビニに、そこまでの、準備が、出来てなくて、

私に送られてくる、念写が、少し、弱かったので、一度途中で、一休みしたと言う感じなのです。」


「ああ、そうだったのか。」


あかりは、ポシェットから、ノートを、取り出すと、手をかざした。。


「先輩、これを、見て下さい。」


ノートには、前回同様、事件の詳細が、まるで、プリントされてるかの様に、写されていた。


「なるほど、あの時のファイルも、こうやって作られていたのか。。」


「そうです。先輩。これが、私のもう一つの能力。念写です。」


「凄いな、じゃあ、あかりがいれば、コピー機要らないって事かぁ。」


「先輩、人を何だと思ってるんですか?」


「ごめん、ごめん。それより、今回の事件、結構難しい内容見たいたぞ。」

あかりの念写した、ファイルを、読むと、子供が、突然消える。いわゆる神隠しの事件だ。

しかも、一番最初の事件が、起こる前に、飛ばされてる訳だが、場所が、今回分からない。

神隠しだけに。。


「あかり、今回は、被害者の子供を、尾行するしかないな。」


「流石、先輩です。そして、

最初に、神隠しにあった、家が、ここなんです。」


「え。そうなの?」


「あかり、お前凄いな。」


「良いんですよ、もっと褒めてくれて。」


俺は、あかりの、頭を撫で回した。


「先輩、髪が、グシャグシャになるから、辞めて下さい。」


素で、怒られた。。


「まぁ、ずっと見てるのも、怪しまれるから、何か方法を、考えないとな。」


「先輩、じゃあ、こっちに、来て下さい。。」


あかりが、俺の手を握ると、

体が、ふっと、軽くなった様な気がした。。


「私の、もう一つの能力、隠密です。今の先輩と、私は、周りから見えて居ません。いわゆる、透明人間見たいな感じです。」


「凄いな、あかり。。なるほど、その能力で、俺をストーカーしてた訳か。」


「先輩の時は、能力は使ってませんから。。それと、隠密を使ってる時は、なるべく喋らないで下さい、多少は、声が漏れてしまうので。」


「ああ、ごめん。。」


それから、暫く二人で物陰から、様子を伺った。。。

ずっと、あかりと、手を繋いでいるので、変に緊張して、大変だった。。


すると、小学生くらいの女の子が、一人家から出てきた。。



「先輩、出てきました。。」


「いくぞ。。」


小声で、会話して、人と、ぶつからない様に、静かに、後をつけた。。。


神社。。。子供は、女の子一人

地面の土に、絵を描いて遊んでいる。。更に、様子を見守る。。


「腹減ったな。」

「先輩、ちょっと待ってて下さい。。。取り寄せました。」

あかりは、リュックを取り寄せて、中から、パンや、飲み物を、取り出した。。


「凄いな、あかり。」


「先輩、体を離すことが、出来ないので、先輩の膝に座っても、良いですか?」


「わかった。そのリュック、俺にかして、背負うから。」


俺は、あかりを膝に乗せると、リュックを受け取り、背中に背負った。。あかりの、お尻の、柔らかい感触と、暖かさで、今食べてる、パンも、飲み物も、良く味がわからなかった。。。


そして、また、暫く様子を見る。あかりを、膝に乗せたまま。。


「先輩、足痺れませんか?」


「大丈夫、あかり、軽いから。」


「先輩と、くっついてると、何だか、幸せです。」


「まぁ、何となく俺にもわかる。落ち着く様な気もする。」


「先輩、可愛いですね。」


「おまっ!えが、最初にそう言う事を、言ったんだろう。。」


ゾクッとした。何かが、近付いて来ている。確実に何かが。。


「先輩、あれは。。。」


「ああ。。出たな。。」


ゆらりと、影の様な揺らぎが、

女の子に近付いて来た。そして、影の範囲が、地面に、夢中に絵を描いている、少女に、覆いかぶさる、その瞬間を狙い、


俺は、あかりと、離れ飛び出した。


「な。。」


俺は、影に飲み込まれ、何処かに飛ばされた。。


「ここは、何処だ?」


暗い部屋に、いる。それだけは、わかった。俺は、刀を構えながら、周りを見渡す。。。

あかりと、離れてしまった以上、この状況は、俺一人で、何とかしなければいけない。。

息を、軽く吐き、音を立てないように、少しづつ、移動する。

刀を、握る手に、力が入る。。

突然、後頭部に、激しい痛み。

何かで、殴られた様な感覚が、

俺を襲った。。。


「がっ。」


強い痛みに、声が漏れる。。

振り返ると、あの女の子が、

漬物石を両手で、掴み振り下ろしていた。

俺は、咄嗟に、後方に飛び、

再び、刀を構える。

女の子は、恐らく取り憑かれているのだろう。目は虚ろで、どう考えても、持ち上げられそうもない大きな石を、軽々持ち上げて、俺に向かって、宙を浮いたまま、向かって来る。

こんなに、頭が痛くて、出血もしてるのに、俺は、意外と落ち着いていた。まるで、こう言った経験が、あったかの様に。。

体が、軽くなる。そして、

すうっと、刀を突き出す。

自然に、軽く。当たり前の様に。。

刀身が、女の子を貫く。。。

すると、女の子は、宙を、痙攣しながら、暴れると、地面に倒れた。。

俺も、そのまま、地面にた折れ込む。。


ゾクッとした。。


このまま、倒れていたかったが、何故か、まだ、嫌な気配がする。。

ハッとして、頭を持ち上げると。。。もう一人いる。。

流石に、これはヤバイ。

頭を強く殴られているせいで、

ふらふらする。正直、良く死ななかったと思うくらいの、激痛だ。

何故か、あかりの顔。辰巳さん、真弓さん、他にも数人の顔が、浮かぶ。。。

そうか、そうだった。

俺は、思い出した。

俺は。。。この仕事、二度目。

つまり、再就職だった。

頭は、痛いが、いきなり、

経験値が、戻った。

そんな、感じだ。

急に、笑いが込み上げる。


「雑魚が。」


俺の体を、精神力のオーラが、包み込む。そして、スッと立ち上がると、刀身に、光が宿る。


更に、力を高めると、刀身から出た光が、辺りを包み込む。。


これが、俺の能力。余程の、悪霊じゃなければ、この光に当てられただけで、消滅する。。


もう一体の、子供の悪霊は、

心無しか、柔らかい顔で、

消滅した様に見えた。。


さっきまで、していたゾクッとする、感覚も消えて。俺は、

安心して、その場で、倒れ込む。


「あかりのやつ、何が、付き合って下さいだよ。。」


思い出していた。。。もともと、あかりは、俺の、一学年下の幼なじみで、俺が、唯一、告白して、付き合った。。。俺の彼女だったって事を。。。

意識が、遠退く。。。。。
























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