第5話 コンビニ
あれから、食事を済ませると、
コンビニの、面接を受けるために、このコンビニに、来た。
「まだ、オープンしてないんだなぁ。」
「先輩、裏口から、入るんですよ。
こっちです。」
あかりに、着いて行くと、
コンビニの裏口は、扉は無く、彼女が、手をかざすと、そこに、扉が、現れた。
「さぁ、行きましょう。先輩。」
その、空間は、
あの時の白い部屋だった。
違う事と言えば、そこに、二人、
知らない人間が、いると、言うことだ。
その内の、一人が、俺に近寄ってくる。
「始めまして、ようこそ。この面接に。私は、試験官の、
影友 真弓と言います。
そして、こちらの彼が、遠藤 辰巳。
今回は、宜しくお願いしますね。」
「丁寧な、挨拶ありがとうございます。如月 春人です。」
「早速ですが、今回、試験は、既に終わっているのです。。
悪霊退治を、既に解決しているので。
うちの、あかりが、
手順を飛ばしはしましたが、
問題は、ありません。」
「先輩、試験合格ですね。良かったです。」
「なるほど、最初から、おかしいとは、思ってたんだ。普通、仕事なら、面接が、先だからな。」
あかりが、スッと、真弓さんの、
後ろに隠れる。。
俺が、その様子を、目で追うと、
遠藤さんが、俺に手を差し出す。
「宜しく、春人君。
しかし、良く来てくれたね。
普通なら、逃げ出していても、
おかしくないのにどうして来てくれたんだい。こんな世界に?」
「最初から、普通じゃなかったので。
それに、気のせいかも、知れませんが。。あかりにも、思ったと言うか。。あなた達、どこかで、御逢いしたこと、ありませんか?」
「無いはず、ですが。」
遠藤さんは、目を丸くして、
そう答えた。
「そうですか、では、俺の勘違いですね。。。それで、これが、
仕事だと言うと、次は、
いつ、悪霊退治に行くんですか?」
「真面目だね。春人君は。
大体、週一位で、依頼すると、
思います。依頼内容は、パートナーの、あかりに、伝えるので、
その時は、お願いします。」
そう言うと、真弓さんは、頭を下げた。
その様子を見ていた、
辰巳さんが、俺に、刀を、
差し出して告げる、
「これは、悪霊だけを切る、刀、
(あくとう)悪刀と言う、悪霊に対する、専用の武器です。
これを使って、悪霊退治に、励んで欲しい。」
刀を、手に取ると、何か不思議な、
一体感を、覚えた。それと、
同時に、こうも思った。
「面接を、最初に受けていれば、
刀貰えたんじゃ?」
真弓さんの、影から、あかりが言う、
「先輩、細かい事、考えないで下さい。小さい男は、嫌われますよ。」
「あかり、お前なぁ。」
その様子を見ていた、真弓さんと、
辰巳さんは、笑いだした。
まぁ、その辺も、あかりが、
普通じゃないのかも知れない。
あまり、深く考えるのも辞めよう。
もともと、普通じゃない、仕事に、
普通じゃない世界の、話なんだから。
常識のない、世界の話。
只それだけの事だ。
それから、悪霊退治の組織は、
昔から存在していて、世界に、
支部があり、構成員は、
1万人程いるらしいと言う事。
構成員は、全て能力者で、国の支援で、代々、国の支援で、
運営されていると言うこと。
一番、大切なのは。。。
給料が、良いと言うこと!
聞きたい事は、あらかた聞いた。
しかし、帰る前に、一つ問題があった。
この、受け取った刀である。。
「この刀、使う時は、ここに、
取りに来れば良いのですか?」
辰巳さんが答える。
「いや、この刀は、既に、春人君の、
専用武器なので、
所持しておいて欲しい。
仕事には、緊急の依頼もあるので。
それに、心配しなくても、その刀、
能力者にしか、見えて無いから、
そのまま、
持って帰って大丈夫ですよ。」
「これを、見て下さい。」
真弓さんが、手鏡をこちらに向けて、
俺を写す。すると、刀だけ、
写って無かった。。。
「本当だ。まるで、刀を持ってない様に見える。」
辰巳さんが、俺に話す。
「鏡の、反射率って、知ってますか?
鏡は、全体の、80%しか、
反射してない。残りの、
20%の部分が、能力者の部分だと、
思って下さい。普通の人は、
その20%が、視覚出来ないんです。
そして、専用武器は、能力者の中でも、限定的な、能力者にしか、見えない。
使えないんです。
だから、鏡を覗くと、専用武器は、
誰にも認識出来ないと、
言うことなんです。」
「そうだったんですね。安心して、
お預かりします。
長居しました。。あかり、そろそろ、
帰ろうか。」
「先輩、少し先に外で、待っていて、
くれますか?」
あかりを、残して、
俺は、一礼して、コンビニを、出た。
俺は、外に出ると、刀がちゃんと、
見えてないか、刀を持ったまま、
外で腕を振り回したり、
色々試して見た。。
「先輩、何やっているんですか、
只の危ない人に見えますよ。」
。。。「まぁ、気にしないでくれ。」
「わかりました。深くは、追及ません。先輩、お家に帰りましょう。」
「おい、あかり、腹減ってないか?
昼だし、飯食べてから、帰ろうぜ。」
「いいですね。先輩からの、デートのお誘いを、断る事は、出来ませんから。」
凄く嬉しそうな、あかりの顔を、
見てると、俺も嬉しくなった。
「あかりの、好きな物何でも良いよ。」
「じゃあ、先輩、駅前のレストランに、連れて行って下さい。あそこ、
デザートも、豊富なので。」
「わかった。OK。駅前のレストランな。」
「ふふっ。駅前まで、先輩と、
歩いて行くのも、幸せな事です。」
「どれだけ、俺の事が、
好きなんだか。」
「大好きですよ。先輩。」
「大好きって、昨日初めて会話したのにか?」
「そんなのは。。。
関係ないんてすよ。」
「そう言うもんなのかねぇ。。」
「先輩、あまり、小さな事を、
気にしないで下さい。」
「そうだな、これからは、あまり、
気にしないさ。
世の中には、こんな、不思議な世界が、有ることを知ったし。
こんな、仕事に就いたんだ、
気にしてたら、体が持たないよな。」
「そうですよ。先輩。」
そんな、雑談を交わしながら、歩くと、すぐに駅前に着いた。
「さぁ、腹一杯食べようぜ!」
すると、急に立ち止まり、
あかりが、
突然不機嫌そうな顔になる。。。
「どうした、何かあったのか?」
「先輩、すみません。。
緊急要請です。」
「なんだと。。。」
こうして、俺と、あかりは、
腹ペコなまま、
ゲートを潜った。
悪霊退治の幕開けだ。。。
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