第一章 鳳凰の國と〈剣舞祭〉

第一話 三國について

 そのとき、世界は偉大なる鳳凰の白き焔によって終焉を迎えた。


 浄化の権化ともされるその清き炎は、大陸のすべてを覆い尽くすほどの大海となり、そしてすべての生命を絶った。


 それから約千年のときを経て、世界は鳳凰の気まぐれによって再び創造された。


 もともとひとつの大陸によって成り立っていた世界は再構築ののち三領土に分割され、〈國〉の基盤を形成した。

 千年前に溶け流れた大陸の岩盤が冷えて固まり、永き時間ときをかけ、できたのが今の〈國〉である。



 創造主となった鳳凰の治める〈凰國おうこく〉。


 鳳凰の魂から生まれ、の王と対する力を有する、黒凰こくおうの治める〈鳳國ほうこく〉。


 そして、双方に対して中立的立場に身を置く〈火喰國ひくいこく〉。



 この三國が、現在の世界におけるすべてである。

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