52. 班決めと【精霊使いクラスのキャラクター紹介】
※注意
班決めの話も少し書いてありますが、基本的にはキャラ紹介です。
決まった班については次話の冒頭で補足しますので、飛ばしても問題ありません。
キャラ紹介はネタバレが無い程度の物に抑えてあります。
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「それじゃあ班分けを発表するよ」
たっぷりと餌付けしてもらいお腹いっぱいになったダイヤは、眠くなることも無くしっかりとチーム編成を考えた。
「第一班、先崎さん、剣さん、一見さん、久世気さん、常闇さんの五名」
「ええ~あいつらと一緒なの?」
「私もちょっと彼らは……」
「ごめんね。
カーストトップの咲紗、真面目でお堅い藍子を暗い男子組と一緒にしてみた。
「(多少強引な子の方が、彼らを導いてくれそうだからね)」
男子三人で常に固まり、他のクラスメイトと交流しないのが悪いわけでは無い。
ただしこれからこのクラスで色々とイベントに挑戦することを考えると、他の人をフォローしなければならない機会も出てくるはずだ。そういう時に行動できるようにと、試しに彼らが一番苦手としそうなメンタルつよつよ女子と組ませて反応を確認したかったのだ。
「…………」
「ケッ!」
本当は文句を言いたいのだろうが、咲紗達に何を言われるか分かったものでは無いから何も言えない男子達。
「(無理強いは良くないし、これで何も変わらなかったらこれからは他の人と組ませるのは止めよう)」
あくまでも『楽しく』がダイヤのモットーだ。
男子組が他の人と関わるのが楽しくないのならば、これ以上のおせっかいはしないと決めた。
「しょうがないわね。貴石の思惑に乗ってあげるわ。ふふふ」
「ありがとう」
ダイヤの考えを咲紗は見抜いていたらしい。男子達に向けて怪しげな笑みを向けていた。
「(な、なんかごめんね)」
思っていた以上に咲紗がバイオレンスな予感がして内心で謝罪するが今更変更は効かない。気にしないことにして話を進めることにした。
「一班は東の森林ルートをお願いできる?」
「分かったわ」
「承知した」
男子達の同意も聞かずにあっさり承知してしまった咲紗と藍子。
すでに上下関係が築かれてしまっていた。
「ほら、あんた達、こっち来なさい!」
「痛!耳を引っ張るな!」
「ケッ!誰がお前なんかの言うことを……痛っ!分かった行く!行くから!」
どうしようかとウジウジと悩む一見と久世気の耳を引っ張り強引に移動させようとする咲紗。
「常闇はこれで良かったのか?」
「…………別に誰でも良い」
「そうか」
特に不満が無い様子の常闇は、剣と共にその後を追っていった。
ぎゃあぎゃあ騒ぎながらも一班が固まってくれたので、次の班を説明することにした。
「第二班。犬好さん、猫好さん、茂武さん」
「がんばるわん」
「負けないにゃん」
「…………」
本当は犬好と猫好を分けて他の人と組み合わせたかった。
「(あの二人を分けたら後で何をされるか分かったものじゃない)」
しかしダイヤには先ほどの猫好の眼が脳裏に焼き付いており、二人の間を決して引き裂いてはならないと思ってしまったのだ。
ちなみに三人目が男子だと間に挟まってしまいそうなのだが問題ない。
「(茂武君は気配を消しながらフォローするのが上手いから大丈夫だよね)」
朋と一緒に探索していた時も、存在感が無いのに的確な位置取りで朋をフォローしていた。
易素と共に誰かをフォローする能力はすでに備えているためどの班でも良く、空いているところに適当に割り振ったのだ。
二班は特別文句も無かったようなので、三班の説明に移った。
「第三班。夏野さん、草履さん、易素さん、朋」
「え゛」
「夏野、凄い声出てるね」
「だってぇ……」
向日葵と朋を同じ班にしたのは、もちろん朋の恋を応援する的な意味がある。
「(せっかく組ませたんだから、ここで少しでも変えなきゃダメだよ。分かってるよね)」
「(お、おう……)」
アイコンタクトで意思を通じ合ったのだが、どうにも朋の視線が頼りなさげで泳ぎまくっているのが心配だ。
「(易素さん、お願いね)」
「(任されました)」
ゆえにフォローが得意な易素にアイコンタクトしたのだが、こちらは堂々としている。
向日葵が易素の方を気に入るのでは無いかとも思わなくも無いが、易素は黒子に徹することが可能なので大丈夫か。
「夏野に変なことしようとしたらあたしがシバき倒すから安心しな!」
「う、うん。よろしくね」
向日葵側のフォローとして草履
「(取巻さんと草履さんは分けた方が実力を発揮してくれそう。二人はいつも先崎さんより目立たないように気を付けている感じがするんだよね)」
咲紗を立てることを優先し、本来の力を発揮しようとしない。
それは女子グループの平和を維持するには必要なことかもしれないが、このクラスで最大限の成果を出すにはマイナスにしかならない。ゆえに三人を敢えて離すことで全力を出せるようにと考えたのだ。
そんなことを考えていたら桃花が話しかけて来た。
「ねぇねぇ貴石君。ということは私達が四班?」
「うん、そうだよ。
「ハーレムパーティーだ!」
「た~べちゃ~うぞ~」
「きゃ~!」
「何やってるのよ」
何故桃花がこれほどに楽しそうにしているのか。
それはダイヤから自分と同じエンジョイ勢の気配を察したからだ。
精霊使いクラスは恨みつらみが募った暗い人が多くあまり馴染めていなかったこともあり、ようやく学生生活を楽しめると思いはっちゃけ始めている。
そんな桃花とダイヤの軽いおふざけを呆れたようで見るのは取巻だ。
「(取巻さんとも仲良くなれたら良いな)」
班決めが終わったが、一班以外はどのルートを進むのか説明していなかったのでここで伝えることにした。
「二班は西ルート、三班は東の湖畔ルート、四班は東の山ルートが担当だよ」
白樺館の西ルートは探索範囲が小さく、東ルートが広大だ。
おそらくはどのクラスもこのように三対一の割合で班を組むだろう。
なお、班ごとのルート選択の理由は基本的に特には無いが、三班だけはムードの良い場所で朋と向日葵の仲が進展したらという狙いがあった。
「それじゃあ皆、ここからは班ごとに作戦を練ろう。後、バスの中で言ったことは絶対に忘れないでね」
それこそが班分けなどよりも遥かに大事な、精霊使いクラスが勝利するためのキーとなるのだから。
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精霊クラスキャラ紹介
■貴石 ダイヤ
主人公
■
ダイヤの親友。
常に能天気で楽しそうにしていて、暑いのか上着を脱いでワイシャツ姿でいることが多い。
基本的に頭が悪いのだがそれを自覚しており、必死で隠そうとして見栄を張っているがバレバレ。
友情展開に弱く、優しくされるとすぐに相手を信じてしまう。
■
ダイヤと朋の友人。
存在感が薄く、まったく違和感なく集団の中に溶け込む能力がある。
■
ダイヤと朋の友人。
縁の下の力持ちタイプで、会話を円滑に進めるためのさりげない相槌が得意。
■
主人公属性がある人見知りの隠れイケメン。
自分に自信が無いため『男を磨く』行為をしようとも考えないため
話をする時に目を合わせようとせず、自分から誰かに話しかけることも当然苦手。
■
ツンツン頭にしているがクセっ毛ではなく臆病さを隠すために見た目で虚勢を張っているだけ。
ゆえに名前の由来は別にあり、『ケッ!』が口癖なので『くせけ』。
■
前髪で目線を隠し、いつも世の中への恨みをブツブツ呟いている危ない男子。
とはいえ実は彼を差別しない相手であれば普通に会話が可能。
■
精霊クラスのファッションリーダーにして女子のカーストトップ。
一番人気のファッションを取り入れているだけなので、街に出ると何処にでもいる女子と化してしまう。
取巻達に褒められているからか精霊使いにしては自己肯定感が高く、その自信の高さで周囲を引っ張る姉御タイプ。
■
咲紗のファッションのうちアクセのみ真似している高身長絶壁。
ショートカットでさっぱりした雰囲気。
■
咲紗のファッションのうち服の着こなしのみ真似しているロリ巨乳。
長めのボブで大人びた雰囲気を出そうとしているが、ロリ感は消えていない。
■
ドッグテールがチャームポイントの人懐っこい元気っ娘。
気に入った相手には男女問わず構いに行く。
いつも猫好と一緒にいるが、友達以上の感情があるのかは不明。
■
すまし顔がデフォルトで、たまに見せる笑顔がとても可愛いと評判な猫娘。
一人になると寄って来て、構おうとすると塩対応の天邪鬼。
いつも犬好と一緒に居るが、彼女を見る眼がどこか怪しい。
■
朋が好きな相手で、巨乳オブ巨乳。
男子からやらしい目で見られることが嫌いで、精霊クラスでも邪な視線で見られることが多いため怖がっており本来の性格はまだ表に出ていない。
■
剣術道場の娘にして剣王という
取巻と同じくらいの高身長なのだが、こちらはポニーテールにしている。犬好のドッグテールよりも尻尾の位置が高く、膨らんだ部分が頭頂部を越えるくらいに高く、しかも長くて腰付近まで届く。
性格は生真面目だが融通が利かない訳ではなく、他人の気持ちを優先して物事を考えられる。
■
人生エンジョイ勢の普通の女の子。
高校生活を楽しもうとダンジョン・ハイスクールに来たけれど、クラスメイトが暗い人ばかりで困っていた。
ヘアピンを使いおでこを露出している。
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