第4話 はっとした。

「大丈夫ですか…?」

その中性的な男性の前で一瞬邂逅してしまっていたようだ。

「大丈夫です…。失礼します。」

とだけ答えて、私はその場を離れた。


信じてはいけないし、

許してはいけない。


もう、傷に傷を重ねるのはごめんだ。

私は1人でいい。

1人がいい。

友達もいない。

理解してくれる人…存在も、もう居ない。

わかってもらいたいなんて、傲慢だ。

私はいつも矛盾している。

そして、私は私を

大切には出来ていない。

してあげなければと思うけれど

自分でさえ、自分を大切にできないのだ。


そんな私が誰かと関わりを持って、

頼ったり。頼られたり?

相談したり…


心では、憧れていた。

それでも、私は誰にも心を許せずにいて

固く結んだ紐を解くことはできないと思っていた。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る