ある夜、普段よりも早く帰れたサラリーマンの「俺」は、突然の雨に降られて、すぐ近くにあった扉の中へ。そこは、一人の女性が営むバーだった。普通のサラリーマンが体験した、奇妙な夜を描いた現代ドラマショートショート。美しい彼女の声に誘われて、この物語にとらわれてしまったかのような読後感です。バーの名前、女性の内緒話、雨の夜、などなど、不思議で意味深なワードがあちこちにちりばめられています。そして、「俺」が陥った皮肉めいたラストに、より続々させられました。