Re:2話

・黒江 廿楽(くろえ つづら)♂︎

17歳。高校生にしてはマセてる、少しチャラい。

頬にある絆創膏が特徴。

過去に何かあった様子。



・実(みのる)※廿楽役と同じ人が演じてください

ウィードの親玉。なぜか廿楽が少し大人になったような見た目をしている。

落ち着いた声で淡々と話す。



・白夜 ノアル(びゃくや のある)♂︎

17歳。普段はクールな異国人とのハーフ。

女性に耐性がなく、雰囲気とは合わない天然。

戦闘では冷静に物事を対処出来る。



・花宮 優梨(はなみや ゆうり)♀︎

17歳。凛としたお嬢様。

しっかり者で礼儀正しい性格。

幼い頃から習っていた格闘技で戦う。



・サクラ(さくら)♀︎

17歳。ふわふわとした優しい少女。

戦闘能力はない一般人。趣味は読書。

放課後は図書館で過ごすことが多い。



・龍宮 大黄(りゅうみや だいき)♂︎

17歳。廿楽と仲がいい。

2-Aのクラスメイト。

明るくヤンチャなタイプ、かわいい子大好き。



・白夜 クレア(びゃくや くれあ)♀︎

16歳で行方不明。ノアルの双子の妹。

廿楽の元ペア相手で、廿楽のことが好きだった。

強気な自分のことが大好き。服を汚されると暴れる。



・ダチュラ♂︎

年齢不詳。ヤンキーっぽくてオラオラしてる。

仮面を被っており、素顔を確認することができない。

敵の中で最も人間らしい感性を持っている。



・ローズ♀︎

年齢不詳。妖艶な女性。口紅が異様に赤い。

はだけた服を着ており、大人の色っぽい声で話す。

戦闘狂。



・グロリオサ(不問)

幼い子供。カタコトで感情があまりない。

周りにふわふわと光が飛んでいる。

ローズにのみ心を開く。



・N(不問)

ナレーション。





━━━━━━━━━━━━━━━



廿楽&実♂:

ノアル♂:

優梨♀︎:

サクラ♀︎:

大黄♂︎:

クレア♀:

ダチュラ♂:

ローズ♀:

グロリオサ(不問):

N(不問):




(兼役あり)


廿楽&実♂:

ノアル・グロリオサ♂:

優梨・ローズ♀︎:

サクラ・クレア♀︎:

大黄・ダチュラ♂︎:

N(不問):



━━━━━━━━━━━━━━━


読み方

廿楽→つづら

白夜→びゃくや

優梨→ゆうり

大黄→だいき

実→みのる


━━━━━━━━━━━━━━━




「第2話」




┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈



N:白い髪が、揺れる。

暖かな春の日差しが差し込む中。

戦闘育成学校高等部 2年A組に

一人の少女が、あわただしく教室に入ってきた。




クレア:ちょっと!廿楽!

あたしのお気に入りの戦闘服が一着見つからないんだけど!

アンタ隠したんじゃないの!?


廿楽:なんだよ。急にうるせぇなぁ…

お前の服なんざに興味ねぇよ


クレア:はぁ!?

ふざけんじゃないわよ!

誰のために着てると思ってんのよ!!



大黄:おいおい廿楽、レディの扱いがわかってねーな

ここは「その服も可愛いよ、よく似合ってる」だろ~?


廿楽:は?そんなに言うなら大黄が相手してくれよ

俺は今後衛マニュアル読んでて忙しいんだよ


大黄:何言ってんだよ、お前は前衛だろ?


廿楽:俺は怖がりだからな。

前衛怖すぎ。安全な場所にいたい。


大黄:だっせーな、おい…

クレアちゃん、こんな奴じゃなくて俺にしようぜ?な?


クレア:いやよ。


大黄:即答…


廿楽:てかお前、俺のためにそんなかわいい服着てんの?

へぇ~?


クレア:なっ!?そ、そんなわけないでしょ!

あたしをからかうなんていい度胸してるじゃない!



N:そう言って、室内で大きな鎌を取り出す少女。

彼女の名前は、白夜クレア。

小さい身長ながらとても怪力であり

戦闘学校の前衛の中でも、群を抜いて強い少女だった。



廿楽:ちょ、お前、ここで武器構えんな!

また先生から放課後呼び出されんぞ!


大黄:ク、クレアちゃん落ち着いて!

その服も可愛いよ!な?


クレア:うるさいわね!

あたしのことも可愛いって言いなさいよ!!


廿楽:いや怒ってんのそこかよ!

あーあ、また暴れ始めた…




┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈



N:淡い記憶がよみがえる。

廿楽の表情は少し曇り、目を細めた。

辛そうな彼を前に、優梨は声をかける。



┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈



優梨:…廿楽さん?


廿楽:…悪い、ちょっとぼーっとしてた


優梨:大丈夫ですか?

具合が悪いなら別の機会にでも…


廿楽:いや、大丈夫だ。

心配かけて悪い

もう、覚悟は決めたよ。


優梨:…そうですか。

(一拍おいて)

では、一年前のことを

教えてください。



(間を開けて)



廿楽:A組には女の子がいた。

前衛の中で最強だった。

…白夜クレアって名前、知らないか。


優梨:当時は知りませんでした。

私は強くなることに、夢中になっていたので…

やはり、彼の。


廿楽:双子の妹だろうな。

クレアも兄貴が好きだって話してた。

きっとノアルのことなんだろう


優梨:A組にいた、という過去形なのは?


廿楽:…………


優梨:本当は、わかっているんです。

でも、ちゃんとあなたの口から聞きたい。



(間を開けて)



廿楽:死んだ。

実習訓練で、ウィードに…殺された。



優梨:………



廿楽:クレアは、俺のライバルだった。

あの時の俺は、前衛でいることが嫌になってきてて

後衛になりたくて、毎日勉強していたんだ。

…あの日の実習訓練。

目の前にいる敵の強さがおかしかった。

あれは絶対、訓練用のウィードじゃない。

俺は、自分が前衛であることを忘れて…

クレアに撤退を指示したんだ。




┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈



N:あれは、雨の日であった。



┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈



(以下、戦闘中)


廿楽:っ…!クレア!おい、聞け!!

あいつは俺たちが敵う相手じゃない!

今すぐ撤退しろ!!


クレア:はぁ!?何言ってんのよ!!

これは訓練よ!

後衛班から撤退の指示は出てないわ!!


廿楽:ああもう…!

後衛班、後衛班!聞こえるか!?

…おかしい、さっきから返事がない。

おい!クレア!


クレア:きゃっ…!

ちょっと!離しなさいよ!!



(草の茂みに隠れる二人)



クレア:なによ!いいところだったのに!!


廿楽:この状況で何言ってんだよ!

お前死にたいのか…!


クレア:訓練で死ぬようなバカじゃないわ!!!


廿楽:おいバカ、大きい声を出すな…!


クレア:バカって言うな!!

たまたまアイツが、通信妨害とかのウィードだったんじゃないの!?


廿楽:今までにそんな新種は確認されていない…!


クレア:ごちゃごちゃうるさいわね!!

アイツはあたしのお気に入りを破ったのよ!?

絶っ対許さないわ…!


廿楽:今はそんなこと言ってる場合じゃないだろ…!?


クレア:……そんなこと、ですって…!?

アンタが!せっかく可愛いって言ってくれた服なのに!!

なんでわかってくれないのよ!!!


廿楽:おい、落ち着いてくれ、静かに………

っ!!だめだ!クレア!!!


クレア:えっ、?




┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈



N:次の瞬間、彼女の姿は無くなっていた。

彼女がいた場所に、無数の草が恐ろしい速さで伸びていく。

廿楽は、その光景を見ていることしかできなかった。



┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈



廿楽:気が付くと、俺は救護班の担架に乗せられていた。

クレアがどうなったのか、誰に聞いても答えてくれない。

でも、あのウィードの攻撃を喰らって

生き残れる奴なんていないだろう。

…俺が、殺したも同然だ。



優梨:そんなことはないです!!

責任を感じてしまうのもわかります…

ですが、これだけは言えることです。

あなたのせいではありません。



廿楽:…………



優梨:ひとつ、質問させてください。

私が2年A組に来たのは

クレアさんの席が空いたから、ということですか?


廿楽:そうだ。

あいつの穴を埋められるのは、お前しかいなかった。



優梨:そう、ですか…

…しかし、生徒が一人死んだなんて大問題になります。

それこそ、ご家族の方が黙っていないでしょう。

ここまで民衆に知られていないのは、さすがにおかしい。


廿楽:その家族が…

クレアの両親が、事件を隠したって聞いた。

詳しいことは探らないほうがいいと思うぜ。

俺が優梨の呼び出しに応じたのは、

これ以上介入すると、お前まで巻き込まれると思ったからだ。



優梨:…このことを知っているのは誰ですか?


廿楽:A組の皆、学校の先生、国の上層部だけだ。



優梨:………

もしかして、

ノアルさんは、あなたに復讐するつもりでは…!



廿楽:俺も!(上と被せるように)

最初はそう思ったさ。

でも、俺はどうしても

あいつが嘘をついているようには見えない。

…きっとノアルは、事件の詳細を知らないんだ。



優梨:…わかりました。

今聞いたことは、誰にも言いません。

ですが、ノアルさんがもし…廿楽さんに剣を向けることがあれば。

私は、廿楽さんのために、戦います。



廿楽:……そうか、ありがとう。

(小さい声で)

でも俺は…

………………い。

(いけない。を聞き取れないように呟く)


優梨:え、今なんて…?


廿楽:……あ、っと。そろそろ遅い時間だろ?

もう帰ろうぜって言ったんだよ


優梨:そうですか。

わかりました、帰りましょう。


廿楽:…で。

次は、どこでデートするんだ?


優梨:え………

……ふふ、あはは!

そうですね!でしたら、

次は私の家で、なんてどうですか?


廿楽:おー、いいなー…

って、はぁ!?

おま、いきなり相手の家!?

もう少し順序ってもんがあんだろ!


優梨:あらあら、ふふっ

…ありがとう。(小声)




┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈



N:廿楽は優梨を送り届けて、自分も帰宅した。

少し疲労感もあり、家に帰って早々に布団に入った。

しばらくすると、なにやら男女の話し声がする。

廿楽は、明らかに自分の部屋ではないところにいた。



┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈




廿楽(頭の中):…ん?なんだここ、暗い。

俺は確かに、部屋のベッドで寝てたはずだ…

しかも声が出せねぇ…!敵の襲撃か!?

…人の声が聞こえる





ダチュラ:だーかーrrら!(出来たら巻舌)

さっさとこのあたり一帯を全滅させて

死体の中からチェリー探しゃいい、だろー、が!!

(物を蹴る)



ローズ:それじゃダメにきまってるじゃなァい。

チェリーちゃんも、殺しちゃう可能性があるでしょォ?

アタシ、こんなことでミスはしたくないのよねェ



グロリオサ:べつに、なんでもいい。

はやく、おとな、ころしたい。



ダチュラ:だよな〜グロリオサ!

ほら、2対1でオレらの意見になるよなぁ?


グロリオサ:ダチュラも、おとな。


ダチュラ:あ”?

お前、俺とやろうってんの?


ローズ:あらァ!?

いいじゃなァい!

アタシも混ぜなさいよォ!


ダチュラ:あぁ”!?

お前が出てきたら、1対2になるじゃねぇか!


ローズ:アタシはどっちについてもいいわよォ?


グロリオサ:やだ。

ローズは、ぼくのもの。


ダチュラ:ほらな!?

あーあ、やめだやめだ、くだらねぇ。

どーせそろそろあの人が来る時間だろ。




廿楽(頭の中):誰か、来る…!?




実:皆。おまたせ。




N:そこに現れた彼は、人間とは思えないオーラを纏っていた。

ありとあらゆる感情が抜け落ちているような。

だが、声色だけは人間さが残っていた。

あまりにも聞いたことのある声。




廿楽(頭の中):…え、俺の声?




実:暴れたい気持ちはわかるよ。

でも、ここは慎重にいこう。

…白夜もいるからね。




廿楽(頭の中):白夜!?間違いない、ウィード側だ!

くそ、誰なのか確認したいのによく見えねえ…




ダチュラ:しっかし、実さぁん。

俺はやっぱり襲撃しちまったほうが手っ取りばや…


実:ダチュラ。

口答えを許した覚えはないよ。

(ダチュラの首を絞める)



ダチュラ:っがぁ…………(苦しそうな声)

わかった、わかりました…っ!

あな、たの…っ!指示に、従い…ま…………

………………………

っはぁ!(過呼吸になる)



実:私に反抗しちゃだめだよ。

また招集かけたときに来てね。

はい、解散。




N:その声とともに、実以外の三人が一瞬で消えた。




廿楽(頭の中):…なんだこれ

何が起こってるんだ?

なんで俺がこの会話を聞けている…?

俺のことは気付いてなさそうだ。

一体、どういう…




実:……誰か、この会話を聞いているね。




廿楽(頭の中):っ…!?




実:この会話を聞けてるってことは

身内に裏切り者でもいるのかな?

まぁいいや、必ず君を見つけて口封じに殺すから、




廿楽(頭の中):あ、視界が、開けて…!





実:この顔。

覚えててね。





廿楽:……っはぁ!!

はぁ………はぁ……………

…あ、れは、大きくなった、俺?




┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈



N:廿楽が目を覚ますと、もう朝日が昇りかけていた。

身支度をしながら、あれは何だったのかと考える。

ただの夢にしては、あまりにも現実味を帯びている。

答えは出ないまま、朝の道を歩いていた。



┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈



ノアル:あ!おはよ、廿楽!


廿楽:あぁーーー……

ノアル…おはよ。


ノアル:げ、元気ないね…?

どうしたんだよ、悪い夢でも見た?


廿楽:せいかーい……

それに俺、朝弱いんだよな……

(眠そうにあくびする)


ノアル:そうなのか…

どんな夢だった?


廿楽:…………

俺の口の中から大量のワカメが生えてくる夢。


ノアル:え。こっわ。悪夢すぎる。


廿楽:だろ?

朝から憂鬱だぜ…

あ、そうだ。

昨日できなかったんだし、今日勉強会やろーぜ


ノアル:うん…

って!あ!えっと!!

ぼ僕、予定あるから、また今度、で!


廿楽:……へぇ?(にやにやしながら)

お前ほんっとわかりやすいな………

……あ、まさか、彼女が出来たとか?


ノアル:わあああ!!(上に被せるように)

違う!違うから!

今からだから!!


廿楽:ん!?今から!?

今からってなんだ!?

ちょ、おい、詳しく…!


優梨:道端で騒がしいですね…

おはようございます

学校の近くなんですから、これ以上目立たないでください。


廿楽:優梨!ビッグニュースだぜ!

ノアルに彼女が…


ノアル:わあああ!!ってもう!!(上に被せるように)

やめろって!!!(廿楽を殴る)


廿楽:い”ってぇーー…

お前、手加減を学んだほうがいいぜ…


優梨:はぁ…

学校、行きますよ。



┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈



N:特に何事もなく授業が終わり、放課後。

ノアルは一目散に下校する。

廿楽も、優梨を無理やり連れて

ノアルの後を追いかけた。

それをうらめしそうに、大黄は見ていた。



┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈




廿楽:はぁ…やっぱあいつ、足はえぇな…

ちょっと息切れちまった…っはぁ…

ここは…図書館?


優梨:全くもう…なんなのですか?突然。

それに、尾行するなら

その息遣いはあまりよろしくないですよ?


廿楽:あー…

さすが、2位……


優梨:ふふ、お褒めいただき光栄です

…にしてもノアルさん、私たちのこと全く気づいていませんね




ノアル:あ、サクラさん…!


サクラ:あっ…!ノアルくん、こんにちは!




廿楽:…は!?

嘘だろ、いつあんなかわいい子を…!?


優梨:あらまぁ…本当だったんですね。


廿楽:ん?いや、待てよ…?

これは片思いだな?


優梨:みたいですね

あの感じ、なんとなくですけど…

一目惚れした後、そのまま話しかけて仲良くなった、とか?


廿楽:あのノアルが…!?

いや、まさかな。そんなわけないだろ

あいつ女に対してはとことんダメだからな。

…バレる!もっとそっち寄ってくれ…


優梨:あの、ちょっと。


廿楽:ん?何?


優梨:…手の場所。


廿楽:あ。




N:頬を打つ、甲高い音が鳴った。

その音に、二人とも気づいてしまう。




サクラ:わ、わぁ…!?

あの人、大丈夫かな…?

あれ、ノアルくん?


ノアル:……………

サクラさん、ちょっとまってて。



┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈



廿楽:いや、わりぃ。

邪魔するつもりじゃなかったんだ…


優梨:すみませんでした。

全て廿楽さんが悪いです。


廿楽:優梨!?


ノアル:それはそうだろうけど…くそぉ……

二人とも、クラスの他の人に言ってないよね!?


廿楽:あ、あぁ。

言ってない。


優梨:急に連れてこられたので。

何も知りませんでしたよ。


ノアル:廿楽、再来週の掃除当番交代な。


廿楽:げ、俺二週間掃除かよ……


ノアル:お前が悪い。





サクラ:…あの、えっと…?


ノアル:紹介します。

廿楽と優梨さんです。


優梨:はじめまして、サクラさん。

私は優梨と申します。

以後、お見知りおきを。


サクラ:あ、は、はい!


優梨:あら、この制服は…

もしかして、花宮女子高等学校に通っていらっしゃるのですか?


サクラ:そうなんです!

制服が可愛くて、見た目だけで高校を選んでしまって…


優梨:ふふ、気に入っていただけて嬉しいです。

実はその服、母がデザインしたんですよ。


サクラ:え…!?優梨ちゃんって何者…!?


優梨:ふふ。

実は、お母様が理事長をやってる学校なんです。


サクラ:そうなんだ!すごいね!

あ、敬語…!


優梨:いいですよ、せっかくなのでとっちゃいましょう?

私、サクラさんと仲良くなりたいです。


サクラ:わわわ……(照れ声)



ノアル:うわーー……優梨さん…

男の僕より紳士的……


廿楽:(吹き出す)

ドンマイ、ノアル。


優梨:一体何がドンマイなんですか?


廿楽:聞こえてたのかよ!


ノアル:ほら、廿楽もサクラさんにご挨拶を。


廿楽:あー、はいはい…

俺は廿楽っつーんだ、よろしくな。


サクラ:あ、私はサクラです!

廿楽くん、よろしくね!


廿楽:おう!

よろしく、サクラ。


ノアル:え!?

おい廿楽!呼び捨てはダメだろ!!

僕だってまだ呼べてないのに…!


サクラ:ノアルくんも私のこと

サクラって呼んでいいよ?


ノアル:えええっ!?

あ、そ、そんな、心の準備が…!


廿楽:初々しいねぇ


ノアル:廿楽!うるさい!


サクラ:えへへ、賑やかで嬉しい…!

ノアルくん、お友達連れてきてくれてありがとう!


ノアル:あ…!うん!

サクラさんが喜んでくれてよかった!


廿楽:おやおやぁ?

「サクラさん」でいいのかな?


優梨:廿楽さん。あんまりからかってはいけませんよ。


廿楽:怒られちった…

ほらノアル!ここは男を見せろ!

(背中を叩く)


ノアル:うっ………

わ、わかったよ……

サ………サ………………(ためて)

サクラ……………………(小声)



サクラ:…!

えへへ、ノアルくん!


ノアル:くぅ…!


廿楽:はは、よかったな


優梨:ふふ、お二人共可愛らしいですね




┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈



N:新しい友達が増えて喜んでいるサクラを、嬉しそうに眺めるノアル。

そして、その2人を見守る廿楽と優梨。

これから先、沢山楽しいことが待ってるんじゃないかと胸を躍らせる4人。

この4人に訪れるのは、幸せな未来か不幸な結末か。

物語はまだ、始まったばかりである____。



┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

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