まだ蕾の花たちよ リプライ

@mizuhana0825

Re:1話

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈


・黒江 廿楽(くろえ つづら)♂︎

17歳。高校生にしてはマセてる、少しチャラい。

頬にある絆創膏が特徴。

過去に何かあった様子。



・白夜 ノアル(びゃくや のある)♂︎

17歳。普段はクールな異国人とのハーフ。

女性に耐性がなく、雰囲気とは合わない天然。

戦闘では冷静に物事を対処出来る。



・花宮 優梨(はなみや ゆうり)♀

17歳。しっかり者で礼儀正しい性格。

幼い頃から習っていた格闘技で戦う。



・サクラ(さくら)♀︎

17歳。ふわふわとしたう優しい少女。

戦闘能力はない一般人。趣味は読書。

放課後は図書館で過ごすことが多い。



・龍宮 大黄(りゅうみや だいき)♂︎

17歳。廿楽と仲がいい。

2-Aのクラスメイト。

明るくヤンチャなタイプ、かわいい子大好き。



・先生(不問)

2-Aの担任の先生。

敬語であれば雰囲気は演者に任せます。

※サクラと兼役をお勧めします。



・N

ナレーション。





━━━━━━━━━━━━━━━



廿楽♂:

ノアル♂:

優梨♀︎:

サクラ♀︎:

大黄♂︎:

先生(不問):

N(不問):




(兼役あり)


廿楽♂:

ノアル♂:

優梨♀︎:

サクラ・先生♀︎:

大黄♂︎:

N(不問):


━━━━━━━━━━━━━━━


読み方

廿楽→つづら

白夜→びゃくや

優梨→ゆうり

大黄→だいき


━━━━━━━━━━━━━━━


「第1話」




N:ここは、人類が生み出してしまった暴走植物兵器

「ウィード」と人類が戦争をしている世界。

舞台は日本。

政府は増加し続けるウィードに対抗するため

戦闘育成用の学校を建設した。

戦闘育成学校高等部 2年A組。

ここから物語が始まる___





(廿楽が教室の扉を開ける)



廿楽:おはよ。


大黄:お、廿楽!

お前やっと来たなー!


廿楽:なんだ?ニヤニヤして。

クラスの皆も騒がしいな…なんかあったのか?


大黄:そーれーがーさ!この学校に転校生だって!

こんなこと今まで1度も無かっただろ?


廿楽:へぇー…

それはすげぇな、一体どんなエリート様だよ。


大黄:どうやら噂によると、異国人の由諸ある家柄とか…

お前、油断してると順位抜かされるぞ?


廿楽:そうだな~

抜かされないよう神様にお願いでもしとかねぇとな?


大黄:おい!テキトーに返事すんなって!

んーもう抜かされちまえ!




(背後から優梨がこっそり近づく)



廿楽:それで?その転校生は…


優梨:わっ!(廿楽を驚かす)


廿楽:うわ!?!?

なんっだよもう!びっくりした…!


優梨:あらまぁ、そんなに驚かれるとは…

廿楽さん、大黄さん、おはようございます。


廿楽:優梨、心臓に悪いだろ…


大黄:優梨ちゃんおはよ〜!

今日も美しくて可愛いね!


優梨:それはどうも。


廿楽:はいはい、おめーらそのやり取り飽きねーな…

あと優梨、そろそろ敬語やめてくれよ。


優梨:そう言われましても…

この話し方以外には慣れていないもので。


廿楽:今から練習すればいいんじゃね?

ほらさんはい、廿楽くん


優梨:廿楽さん


廿楽:廿楽くん


優梨:廿楽さん


廿楽:…卒業までに絶対直させてやる。


大黄:仲いいのか悪いのかどっちなんだよお~


優梨:(少し笑いながら)皆さん朝から元気ですね。



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(場面変わって職員室前廊下)



ノアル:(小声でボソボソと)

…はじめまして、僕は白夜ノアルと申します。

これから何卒よろしくお願い致します。

ちょっと硬い…?もっと楽な感じの方がいいかな…

えーと…僕の名前は白夜ノアル!よろしくねっ!

…いやこれは絶対違う、もっとこう


先生:白夜さん、緊張していますね。


ノアル:わあ!?

先生!いつの間に!?


先生:ずっと後ろにいましたよ。

見かけによらず、シャイなんですね。


ノアル:う、そうですかね…


先生:もうすぐホームルームの時間です。

リラックスしていきましょうね。


ノアル:わ、わかりました!

よろしくお願いします!



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N:先生が教室の前に立つ。

教室は高校とは思えないくらい静かだった。

この静けさが他の高校とは違う、統率のとれた軍隊学校の一部であることを物語っている。

先生は教室の中に入り、生徒に話しかけた。




先生:皆さん、席についてますね。

今日はこのクラスの転校生を紹介します。

おいで、白夜さん



(扉を開けて入るノアル)



N:その時、かすかに2年A組の気配が変わった。

ピリッと走る空気に、優梨だけが首をかしげる。



優梨:…?



ノアル:(以下緊張して)

(咳払い) は…は、はじめまして!

ぼぼ僕、は!白、夜、ノアルといいますっ!

今日から!よりょしくお願いしましゅ…………すっ…………!!



廿楽:…えっ


大黄:…噛んだな


優梨:盛大に噛みましたね。



ノアル:…よろしくお願いします




N:少しの沈黙の後、教室中に笑い声が響き渡った。




(廿楽、大黄、優梨は先生が話すまで爆笑)



ノアル:あ、ああ、あああっ…



先生:静かに




N:その一言で、一瞬にして静寂が訪れる。

ここはただの高等学校ではないのだ。




先生:白夜さん、大丈夫ですか?


ノアル:………大丈夫です。


先生:白夜くんはこれから2年A組の生徒になります。

皆でなかよくしましょうね。

今空いている席は黒江さんの隣です。

黒江さん、色々教えてあげてくださいね。


廿楽:はい、わかりました。



(席に座るノアル)



ノアル:黒江くん、よろしくね


廿楽:おう、よろしくな



(間を開けて)



優梨:白夜…どこかで聞いたことがあるような…


大黄:…これは、あまりにも、

(悲しそうに)



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N:最初の違和感が嘘だったかのように、日常は過ぎていった。

ノアルは授業、訓練、実習。すべてにおいて完璧。

廿楽や大黄、優梨とも仲良くなり

一か月が経過した。



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先生:皆さん、今日もお疲れ様でした。

最後に重要事項を伝えます。

(1拍おいて)

来月の第一金曜日に、ウィード実習訓練を行います。




N:その一言で、空気が張り詰める。




先生:前回より慎重に行うため、

全校生徒の中で総合成績が10位以内の方のみ

実習訓練に参加します。

このクラスの中での参加対象者は…

黒江 廿楽

花宮 優梨

白夜 ノアル

3人は明日の放課後、職員室へきてくださいね。

以上、解散です。




N:その一言が言い終わると一気に雰囲気が変わり、年相応の騒がしさが戻った。

4人も例外なくだ。



廿楽:あーあ、俺もかよ。

11位くらいに落とせばよかった


大黄:おいおい、ハブられた俺の前でそれ言うなよ!

俺も優梨ちゃんと一緒に行きたかったぜ…!

なんなら今からでも代わってやろうか!?


優梨:…前の実習訓練で何かあったんですか?


廿楽:…あ

いや、えーと。うーん…


ノアル:何モゴモゴ言ってるんだよ廿楽?

選ばれることは光栄じゃないか。


廿楽:いやそうなんだけどさ~


大黄:…廿楽


廿楽:ちょっと怖がりなんだよ、俺は。

お互い頑張ろうぜ。


優梨:…そうですね、いい結果を残しましょう。


ノアル:うん、頑張ろう!



(間を開けて)



大黄:廿楽、おい


廿楽:…


大黄:廿楽!


廿楽:わかってるさ!

ノアルはもう友達だ。

俺はもう、二度と、負けない。


大黄:……大人たちが何を考えているのかわからない。

でも、もう黙って見過ごすことはできない。

クラスの奴らもきっとそうだ、

お前は一人じゃねーよ。


廿楽:…ありがとう。


大黄:気にすんな、いつでも呼んでくれよな。



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N:二日後、学校内にて。



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優梨:そういえば、廿楽さん

本日、放課後に予定はおありで?


廿楽:ん?

いや、ノアルに今までの授業を教えようかと思ってっけど…?


優梨:あら!

でも、ノアルさんの方が成績優秀ですよね?


廿楽:い、痛いところをつくな…



優梨:ふふ!でしたら…

この後二人でデートしませんか?



廿楽:………はい?


大黄:……………は?


ノアル:え、えぇ!?(嬉しそうに)


廿楽:いやなんでお前が嬉しそうなんだよ!

デート?なんで急に…


優梨:………だめ、ですか?


廿楽:………あー、わかった。

わりーノアル、大黄、えーと…


ノアル:(以下わざとらしく早口で)

あ、あぁー!

そういえばこの後、図書館で勉強するつもりだったんだ!

せっかく勉強教えてくれるいい機会だったのに!ごめんね!

あ、大黄くんも一緒に来る?勉強大変そうだよね!僕に任せて!

よし廿楽!あとは2人でごゆっくり!

じゃあね〜!!


大黄:おいまて!俺はまだ行くって言ってな…

優梨ちゃん!早まるな!絶対俺の方がいいって!

ねぇ優梨ちゃーーーん!!(フェードアウト)



(2人が遠ざかっていく)



廿楽:え、ちょ、ノアル!?

いやアイツ足はっや…!大黄死ぬぞ…


優梨:ふふ、ノアルさんって面白い人ですね。

なにやら誤解されていらっしゃるようなのですが…

面白そうなので放っておきましょうか。

さて。…行きましょうかね。


廿楽:あぁ。




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N:その後ノアルは、ショックで項垂れる大黄を公園のベンチで休ませ

1人で図書館に向かった。

勉強をするためではない。

放課後、彼の雰囲気が変わる。



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ノアル:転校一か月で、実習訓練のメンバーに入れた。

こんな好機はめったにない。

僕は、ウィードを倒し続ける。

待っててくれよ…クレア。




N:下を向いて歩いていたため、前を見ていなかったノアル。

大量の本を抱えている人にぶつかってしまった。




ノアル:おっと、ごめんなさ…

うわああああ!?



(本がドサドサとノアルの上に落ちていく)



サクラ:わ、わああ!?ごめんなさい!

大丈夫ですか…?


ノアル:い、一応…大丈夫です…


サクラ:本当にごめんなさい!

やっぱり少しずつ持っていけばよかった…!

あの、立てますか?




N:目の前には手を差し伸べる、女の子がいた。




ノアル:え、あっ、大丈夫です!お気遣いなく…!


サクラ:…怪我は無さそうですね、よかったぁ

どこかぶつけたりしていませんか?


ノアル:は、はい!

僕は大丈夫です、あなたこそ怪我をしていませんか?


サクラ:私も大丈夫です!

ぶつけたのは私の方からなのに、心配してくれるなんて…

ありがとうございます!

(笑顔をノアルに向ける)


ノアル:うぁ……


サクラ:では私はこれで、失礼しますね。


ノアル:あ…!ま、まって!あの!


サクラ:え、はい…?


ノアル:…はっ!?




N:ノアルは女の子を引き止める。

しかし、引き止めたものの用などない。




サクラ:?


ノアル:え、え、えーと…


サクラ:どうしたんですか…?

やっぱり怪我してました!?


ノアル:い、いや!違います!

すごーく元気です!ぼ、僕、結構頑丈なので!


サクラ:よかった…!

えーと…?私になにか御用ですか?


ノアル:あ、あの、え、えーっと…

ここには、よく来るんですか…?


サクラ:はい!

私、学校終わりはいつもここに来ているんですよ


ノアル:そ、そうですか!

あ、いやえっと、変なことを聞いてしまってすみません…


サクラ:いえ…?




ノアル:(深呼吸)

…あ、あ、あの、僕、引っ越してきたばかりで!

友達が少なくて…あの、もしよかったら…

僕の、は、話し相手になってくれませんか…!?




サクラ:………


ノアル:………突然、こんなこと言われても、ひいちゃいます…よ、ね…?




N:ノアルが前を向く。

そこに映る彼女の顔は、目をキラキラと輝かせていた。




サクラ:わあぁ…!私でよければぜひ!

私も最近引っ越してきたばかりで、お友達が少なかったんです!

嬉しいです…!お名前はなんて言うんですか?



ノアル:あ…!(嬉しそうな雰囲気)

僕はノアルっていいます、君の名前は…?


サクラ:私はサクラっていいます!

えへへ、ノアルくんって言うんですね…!

これからよろしくお願いしますねっ


ノアル:あ…!うん!よ、よろしく、ね…っ!




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N:ノアルは当初の目的をすっかり忘れ、しばらくサクラと話していた。

思春期の17歳。一目惚れ、そして初恋。

少しだけ、暖かい風が吹いた。

だが、一方その頃。廿楽と優梨は___



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廿楽:へぇ…最近は屋上でデートするのが流行ってんの?


優梨:あら、知らないんですか?

ふふふ、廿楽さんったら時代遅れですね


廿楽:ひっでーな…それで?

カップルでもない俺らが、こんな屋上で。

一体何をするんだ?


優梨:…単刀直入に、聞きたいことがあります。


廿楽:……いいぜ、答えるよ。



優梨:一年前。

突然、A組の席が一人分空きました。

その際、1番人数が多いクラスだったC組から

私がA組へ移動となりましたね。

クラスのバランス調整のためだとお伺いしておりましたが…

それは本当ですか?



廿楽:ああ、その通りだ。



優梨:C組のトップを移動させなければならないほど、

A組にとって大きな人がいなくなった。

そのことについて、誰も何も話そうとしないのです。

…そして、ノアルさんの転校初日のあの空気。

白夜という苗字にも聞き覚えがあります。

私には知らない何かが、A組にはある。

そうですよね、廿楽さん?



廿楽:………

勘がいいねって言いたいけど。

まぁ、ここまできたら怪しいと思うのが普通だよな。


優梨:どうして、誰も教えてくれないのですか?

もう私は、部外者ではないはずです。



廿楽:…悪かったよ、何も優梨を仲間外れにしようとしたわけじゃない。

このことは、本当は知らないままでよかったはずだったんだ。

ノアルが転校してくるまではな…


優梨:やはり、ノアルさんにも関係がある話なんですね。


廿楽:ああ。

これから伝えることは、ノアルには話さないでくれ。頼む。

俺は、あいつのことも、大事なんだ。


優梨:…わかりました。




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N:かつての2年A組で何があったのか。

優梨がクラスに転入してきた理由とはなにか。

ノアルが口にした「クレア」とは一体誰なのか。

全ての謎を残したまま、物語は2話へと続く____




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