修学旅行
あ、いた。
「あらタカシくん、前の話の続きをしましょうか」
めんどくさい。でも
「お願いします。修学旅行の話の続きでしたよね」
「そうそう、私の時はね、橋がかかってなかったから連絡船で本州まで行ってたの、今は便利よね…」
そう、ここは島なのだ、電車が走るくらい広いけどね。
「その後ねバスに乗って東京へ、これが長くてね、腰が痛かったわよ。歳をとって腰が痛くなってきたけれど、あの時が1番痛かったわ。だからタカシくんも老後は気にしなくていいわよ、友達にも教えてあげたらフフフ」
そんな馬鹿な。絶対に痛くなる。俺は痛くならなくても友達に背筋カマジイ(千と千尋の神隠しの登場人物)がいるのに?
「今は新幹線でいくの?」
「多分そうだと思います」
「修学旅行生だったと思うんだけど前、新幹線3両を貸切で使ってたわよ、快適そうだったわよ。でも結構は若いうちにね都会の雰囲気を知ることは夢とか目標を決まったり、考えるきっかけになるから大切な事よ、私は都会を経験してからこんな田舎出て行ってやると思って勉強に取り組めたしね、英語は全然出来ないんだけどねフフフ」
相槌をうちながら聞いていたけど、おばあさんの言葉が俺の心に響く。
~まもなく電車がまいります…~
「あ、電車が来たわね、またあったら話をしましょうね」
「はい、お願いします」
おばあさんの言葉の余韻に浸っていて何も考えず返事をした、もう俺はおばあさんと話すのがめんどくさいと思わず、もっと聞きたいと思うようになった。
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