第2話 バイト




Y美のバイト先は、ナイトクラブのいうのか?ラウンジというのか?

どう呼べばいいのかわからないが、有名人もよく訪れる、高級そうな店だった。


なにより時給を聞いて驚いた。

普通のバイトの3〜4倍!


しかも、きれいなドレス(制服)を着て、座っているだけでいいという。



Y美のすすめもあり、

数日後、わたしもその店で、バイトを始めていた。






店には、25〜35才ぐらいの、花のように美しいホステスさんたちがいて、競うように咲き誇っていた。


わたしやY美、他のアルバイトの女の子たちは、さしずめ、華やかな大輪の花に添えられたカスミ草。


カスミ草にプロ意識など欠片もない。

ただのアルバイト。取り柄は若さだけ。

全員が二十歳以下で、その殆どが学生だった。



花のようなホステスさんが、自分のお客さんをもてなす席で、カスミ草の娘たちはお行儀よく座って、にこにこ頷いていればオッケイだった。


「こんなおいしいバイトはない!」


確かに!

Y美の言葉にわたしも同感だった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る