選び方

 今年の夏は例年以上に気温が高くなり、日差しも痛いほどらしい。対策の一環として、日焼け止めを買うことにした。これまで日焼け止めなど使ったこともなかったので、とりあえず最も効果のありそうなのを選んだ。

「よく分からんが、効果は強いらしいし、ひとまずこれを塗っておけば大丈夫だろう……」

 梅雨が明け、強い日差しが降り注ぐようになってきた。よしきた、と思って日焼け止めを塗って一日過ごしてみると、少しも焼けない。さすがの効果である。むしろ、肌が白くなっている気がする。

 その後も愛用して毎日塗っていると、あるとき、痛くもないのに腕の一部分が赤くなっていることに気づいた。

「肌が白くなっていっている気がしたのは思い過ごしじゃなかったのか……」

 日焼け止めには色白にさせる効果が含まれており、毎日塗っていた俺の肌はついに透明になるところまできたのである。赤く見えたのは、皮下が透けて見えたかららしい。

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