好奇心の果て
「朝、目が覚めるともとの自分ではなくなっていた」
創作物でよくある展開だが、では寝ている間に何が起こっているのか。宇宙人による人体改造か。あるいは、とある無関係な二人が何らかの形で夜中に肉体だけ入れ替わっているのか。はたまた、当人の壮大な勘違いか。
その謎を解くべく、彼は地道な努力を重ねることにした。まず身近なところから。彼の弟の寝室に一晩中居座ってみることにした。例の現象が弟に起こるかどうか分からないが、ひとまず取りかかってみないことには何だって分からない。たまたま今夜、弟が何者かに姿を変える可能性がまったくないとは言い切れない。
とはいえ、ずっと弟を見つめ続けているのも楽ではない。そのうち眠くなってきて、彼はついに完全にまぶたを閉じた。その際、頭を思い切り弟にぶつけた。その衝撃で弟は少しばかり目を開け、寝ぼけた様子でベッドからおりて彼の兄の寝室へ向かって歩いた。一方で、その兄はほとんど夢のなかにいる状態で布団にもぐりこんでいった。
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