思いつき短々編集

萩谷章

どこかの廊下で

 桜子先輩に惚れたので、その親友である佐々木先輩に尋ねてみた。

「桜子先輩って、恋人いるんですかね」

「何、あんた桜子に惚れたわけ」

「惚れました」

「今のうちじゃない。この間別れたばっかりよ」

 それを聞いて、俺は嘆息した。

「なんだ、それじゃアプローチしなきゃいけないじゃないですか」

 佐々木先輩は、心底不思議という目で俺を見た。

「すればいいじゃない、アプローチ」

「面倒です。別れずにいてくれた方が、焦ることなく遠くから見ていられたのに。あわよくば、諦めもつくんですがね」

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