第14話鍛錬の日々
翌朝。
また、全身からくる痛みに目を覚ますとまた魔力が溢れそうになっていた。癒しの炎を使いつつ、おしゃぶりから供給される魔力がいくらか増えているのを感じる。
(そういえば、昨日言ってたな。でも、思った以上に増えてるな…。
早く寝ながらでも使えるようにしないと痛みで寝れなくなりそうだ)
そうこう考えているうちにメイドが現れ、昨日同様身支度を済ませながら、庭へと連れて行かれた。
そこにはルリィウィンとアウィリィがおり、
メイドはルリィウィンにウィリィンを手渡すと、庭の外へと去っていく。
(おう、よく眠れたかな?)
(おかげさまで、まだ寝ながら癒しの炎を使えず、1度夜に痛みで目を覚ますことになりました)
(それは反復あるのみね、呼吸みたいに無意識で行えるようになってくるわ)
(もう既に感じてると思うが、魔力の供給量は日に日に飛躍的に増える。
早めに身に着けないと、弾け飛ぶぞ?)
(はいはい、脅さないの)
(わるい、わるい、それで、お、早速動画を見たようだな。どうだった?)
(なんか、勧善懲悪というよりは弱肉強食、負けた奴が悪い的な内容で前世とは違うなと)
二人は首を傾げる。
(正義とは勝者にのみ与えられる特権よ。
確かに他の種族と交流が無いわけではないのでそういった価値観も分からんではないが)
(そうね、特に私達の場合やり返す機会は寿命が来ない限りいくらでもあるし、気に食わないならまた挑めばいいんじゃない?)
(確かに、寿命以外で縛られることがなければそういう考え方もできる...?)
(まあ、今後他の者と触れあえば嫌でもわかると思うぞ、それに生きづらいと思うのならばいくらでも変えられるということでもある。強くあれ、ということだ)
(さて、お話はこれぐらいにして、今日も鍛錬を始めていきましょうか)
その後も鍛錬は苛烈を極めた。
授乳もバリエーションが豊富で様々な方法で殺された。
ある日は飲んだ瞬間に燃え上がるような全能感とともに身体文字通り燃え上がった。
(うおおおお、凄い、暑い、今なら何でも出来るような気がする)
(脳が興奮して、感覚が研ぎ澄まされたような感じになっているだけだがな。
全身が燃えとるのは己の身体を燃料に変換しとるからよ。
興奮し過ぎで少し暑いとしか感じぬだろうがな)
(うおおおおおおおお........シュン)
ウィリィンは灰になった。
別日では
(なんか凄く眠く、.....zzzzzz)
(そのまま生存維持に必要な部分まで眠りにつくがな?)
呼吸を維持できず、窒息死した。
他の日では
(あえ、?全身の力が入らない...?)
(全身の筋肉を柔らかくして、一切動かせなくなる。つまり心臓も止まる)
心停止した。
またまた、別の日では
(な、なんか、体内で蠢くような感触がするっ)
(そうそう、私の魔力が豊富に含まれておるゆえ。
私の意思で自由に動かすことも可能なのだ)
というと、ウィリィンは母乳を操作し、身体の中をを駆け上って脳の内部に到達する。
(では死んでこい)
そのセリフとともに脳の大切な部分が機能停止し、即死した。
ちなみに数日脳に駆け上がってくる感覚にうなされ、授乳がトラウマになりかけた。
組手は相変わらず振り回されてばかりだが、
日に日にペースを上げているのに印象が変わらないのであれば上出来とのこと。
魔力は順調に育ってきており、自身の力で二人にダメージを与えることも可能になった。
ただ本人達曰く魔力を一切使わない戦いだと防御力、攻撃力ともにかなり落ちるため、慢心は禁物とのこと。
ちなみにアウィリィが魔力を乗せた高火力の拳を見せてくれたが、物凄い音ともに雲が割れたのを見て目が点になった。
どう防げばいいのかと聞くと軌道に立つなとのこと。当たったら終わりですねはい。
魔法や言語、文化などの勉強は腕輪を利用して行った。
幼稚向けアニメは相変わらず弱肉強食であり、圧倒的強者が全てを蹂躙したり、弱い主人公が強くなるストーリーであったり(卑怯と言われるような手も使う作品も多かったが)
登場人物が闘鬼であるため、倒しても退場しないので、登場人物が増えすぎて覚えられなくなるのを防ぐためなのかやけに武者修行のために旅立ったりするのは面白かった。
また、この腕輪には記録されている魔法であれば装着者の魔力を使用して使用することができた。
その感覚を元に腕輪に頼らず魔法を発現できるようにすることが効率の良い基礎の鍛錬方法らしい。
おしゃぶりは日に日に魔力の供給量が膨れ上がり、大量摂取、大量消費を繰り返すことで、自身の器を育てることができるそうな。
魔力が過多状態になって痛みで起きることも多々あったが、眠気には抗えず徐々に意識をしなくとも癒しの炎を発動することができるようになっていった。
そしてある日
いつものように身支度をされるといつもとは違う場所に連れて行かれた。
そこにはルリィウィンが待っており。
メイドからルリィウィンに手渡されると今日の予定について説明される。
(今日はお主のお披露目だ)
(お披露目?)
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